【完結・全7話】婚約者の浮気の清算は、それだけで済むんでしょうか?

BBやっこ

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4. 噂から来た

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平穏だったと思う。婚約者の今の相手だという女が現れるまでは。


「貴女が彼の?元婚約者でしょ!」

やった、当たったわよとでも言いたげで嬉しそうな女が私を指さした。
(人に指をささないようにって教わらなかったのかしら?)
誰なのかもわからないし、そもそも…
「何しにきたの?」

私の婚約破棄は、正確には“まだ”だ。お父様同士の契約の破棄にまで及ぶから、そうすぐには難しい。
破棄した後の決め事と、過失がどちらにあった場合の慰謝料なんかも話し合われるのか。全てお任せだ。


「婚約破棄されちゃうなんて、魅力がないのね!」

キャハっていう人、初めて見たわ。友人達がこの女に掴みかかる前におさえて言葉を投げた。

「婚約破棄なら、今真っ最中よ。心配で来てくれたの?」
「あら、簡単に別れてくれるのね!結婚してからじゃ、もっと遅いじゃない?」


そうかもしれないけど、急すぎるでしょ。

「あの婚約者のどこをそんなに気に入ったの?」


「行動力よ!私に愛を囁いてくれるの」

「あ、そういうの要らないわ。」

苛々してきたけど、イラつかせたいのだろうと思い至るとなんとか怒りを抑えられた。

「私のが魅力だって気づいたのは英断よね?」
「なんか楽しそうね。」


略奪婚約って楽しいのかしら。こんな頭の軽そうな女が好みなのね。だって、好きな女ができたらって話だったし?


「そういえば、誰だっけ貴女?」
名前もクラスもわからないわ。私の交友関係って狭いのもあるかもしれないけど。こんな派手めで近寄りたくなさそうな子、いたかしら?

「私を知らないの?!」


「知りません。っていうか、聞いといてなんだけど縁もゆかりもない方が良いわ。」


帰った。


しょうもない。付き合わされる身にもなって欲しい。お父様の時間を割いてもらうのも申し訳ないのに。

「はあ。ああいう輩ってどこから湧いてくるのかなあ」

「お疲れ、あれ有名なアレな女だわ。」
「繰り上がり組みでしょ?狙いは王子様なんじゃないの?」

「そうよねー。どうして元婚約者に手を出したんだろう。」

「名前も知らないし、興味ない。」


話を断ち切ってしまって、明日の宿題の話を持ち出した。

この会話も卒業したら終わりだったけど。
私は、卒業したらどうするんだろう?それも考えなきゃいけないって思い至った。

どんな選択肢があるかもわからないまま、寮への道を辿る。

「何か、スッキリする事ないかしら?もやもやするわ!」

新しく婚約者をっとか親戚のおじさんが、ズケズケ言ってきそうで嫌だな。
というイメージだけ鮮明にできたのだった。


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