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5. 浮気じゃないって

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やっと、婚約者と話す機会があった。友人達が迫り問いただしたんだけど。
明日実家に帰るので、情報を得るため寮で話す事にした。聞きたい事といえば、これだ。

「いつから?」

あの女との付き合い。

「最近。」
「嘘ね?」視線を外すこの誤魔化している態度に、私は婚約者に詰め寄る。


「会話はしていたけど、付き合うってことはなかった。」

「私との婚約中に交際してはいなかったわけね。」

今の状態は宙ぶらりんだけど、お父様の方が終われば私達の関係も終わりよ。
だからもう、元婚約者でいいんじゃないかしら?

私の気持ちも落ち着きつつあったけど、この男無自覚に煽ってきたわ。

「当たり前だっそんなの、浮気だろ?」

そこまで腐ってなかった事には少し安堵した、全然気づかない私の鈍さも心配したし。けど疑問。
「隠れて会うとか、噂話に上らないと浮気かな?」

私との婚約破棄騒動が流れている。略奪愛だと言いふらしているのは、あの名前を覚える気もない令嬢だ。
友人達の情報よ。この時期の婚約破棄はそりゃあ、目立つわよ。

「そこは、わからない。」

煮え切らない。
けど、この男からあの女の話を聞いたことはない筈だ。私の記憶の限りでは。
(いや、あんな強烈めな女が印象に残らないわけない。)けど、名前で言われてたら覚えてないかも?


「皆んなで、劇に行ったくらいだ!」
「劇?」

男女混合で劇を見に行ったと話しはじめた。

「遊びに行ってるじゃない!」
「それくらい付き合いだろ?」

「他の方は婚約者連れか、劇に行くメンバーを話してから行ったでしょうね。」


ああ、私は誘われなかったのね。
声をかけるとか、行ってくるってメンバーを知ってるとか。

「私は、してたわよ」

誰と偶然会ったとか、誰との噂は関係ないとか。それを鬱陶しいという態度だったのはこの男だけど。

「遊びに行くっつても、あの2人とじゃないか。」

「女の方が色々言われるもの!私は楽しくそてたわよっ」


はあ。この男にとって私、婚約者の扱いではなかったのかしら?


「ごめんな?」


軽い謝り方はいつもの事だけど、今そう謝られたいとは思わない。
許せないとも言わないけど…

「あきれた」

「結婚する前でよかったじゃないか」


そうのたまわったが、“お前がいうセリフじゃない”と思う。こいつに吐き出しても無駄だとしか考えられず
お母様に明日、愚痴を聞いてもらおうと決めた。

さっさと追い出し、あれが浮気か違うかを友人達が話しているを流し聞く。



愚痴を聞くのは同棲してから多くなるわって聞いてくれる予定だったけど、早まったらしい。
お母様は、笑って許してくれるだろうか。


お父様がどう思っているかが心配だ。
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