【完結済み】ハニーBeeは香り高い味がする<BLジャンル>

奴隷はムスクの香り

ムスクのいい香り
と、前世の部屋を思い出している場合じゃなかった。



ちょっとおおお
まって、まてっ！お兄さん？

子どもになにやってんすかー！？


「小さいな。」
覆い被さるような態勢で男が言う。

浅黒い肌、筋肉質で圧迫感がすさまじくある。
そんな人に迫られてるんですか？？

スンスンと近づいてニオイを嗅ぐ

そういう、ぷ…趣味プレイがおありで！？
首輪をしているし、ファーストコンタクトでは
地面とキスしてましたから、ヨ！酒も滴るいい男！！

お願い、巻き込まないでえええ～！

「ハチミツ…？」
「フワッツ？」

英語じみた返答をしてしまいましたが
退いてもらおうと、手で押します。

「んぐぐぐ…どーいーて～」
お察しください。ぜんっぜん動きません。


「・・わかった」
言葉が通じるようですね！筋肉さん。

触り心地の良い筋肉でしたよ。ぺちぺちしても不動ですね。赤くもならない鉄壁感！

開放感で首をコキコキと回してチェック。可動域よし。
正座した目の前の人物と会話を試みます。

「僕は、下働きをしているビーと言います。あなたは？」
「奴隷だ。56番」
「・・奴隷ですか。」
異世界ものの定番ですね。初めてみた。って言うかあるんだ奴隷制度。

どういった境遇なんだろうか。
隷属の首輪みたいなのは、なし？一見ただの鉄の首輪。
犯罪、借金が理由とか？

趣味に疑いアリ、と。

まあ、考えてもさっぱり。
この人、立てば結構な身長差、厚みも違えば、筋肉量も段違い。
人種が違うって域。


どこにやればいいんだ？この人。
仕事もそろそろ上がり、帰って良いと言われるが
まだ食堂は戦場。

暢気に、「この人どうしましょう？」

「そっちに片しとけ！」で終わりそう。

この人は皿とともに洗われる運命なのだ。
ってそんな最後は望んでいない。

するりと触れられる。
上目遣いに、彫りが深めな顔に、濃い色の強い瞳。

ぽそりと口から出たのは、
「相手をしようか？」

ナニをですか？
と言いそうなのを飲み込んだ。


…あ、夕飯まだだったわ。
現実逃避に、現実を思い出す。

助けたので放置もまずいかな。また目をつけられるとか。

これは、一人で持て余す案件ですわ。
そんでもって捨てられた犬を思いお越こす相貌カオ。

うん。・・うん。

保護くらい、しても、良いよね？


秘技、上の人に聞こう！
帰りましょっか。一緒に。

「うち、来ます？」とお誘いしました。