【完結済み】ハニーBeeは香り高い味がする<BLジャンル>

BBやっこ

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騎士様

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飲み物を部屋に運んだ後、またまた集団に遭遇。

ガチャガチャと金属が鳴る。それは武装した集団が鳴らしていた音。
だけどその姿は無骨なものではなく、
強さと優雅ささえ同居していた。

「“華の騎士”様」

と誰かの言葉が耳に入る。確かに可憐ではなく、強さを持った
見目麗しい華やかさだ。

細身ながらもしっかりとした筋肉を持ち、隙なく移動する
それを偶然居合わせた人達も見ているので、まぎれると思ったんだけど

「すまないが君、飲み物を頼めるか?」

丁寧な申し出で指名される。台を持っていたせいかな。
近づかれると、甘い香りがする。百合かな?

「はい僕で良ければ。」にこやかに返して食堂に再び、戻ることにした。



部屋をノックすれば、先程とは違う人が出てくれた。

「ありがとう」と言われ、持って来た飲み物を配るのを手伝う。
さっきの部屋では置いてきただけだけど
こうも声をかけてもらえると、サービス精神が出た。

スススっと飲み物を全員に配り終わったので、早々に下がる。
なんか警備の話っぽいので長居はダメだろう。

扉の近くの人が
「助かったよありがとう。」と声をかけてきた。

「新人?所属は?」と少々の世間話もした。少々チャラさが禁じ得ない。
適当に相槌をうってながし、今度こそ部屋の扉を閉め…

「賢い子なら歓迎するよ」とウインク付きのお誘いに
愛想笑いで、お仕事終了である。

今日は早上がりで、明日は休みだ。
どうしてかって?食堂の料理長が「お前いつ休んでるんだ?」って聞くから

「休みなんてあるの?」って聞き返したんですよー。
休日は、職場の上司と決めるらしいんだけど、上の人いないし~。

僕、誰の下って決まってないんだよね。
様子見と放置の合間かな。仕事を適当に探して聞きながらやってる。

そもそも、所属という考えがあるようだ。
『うちにくるか?』と聞かれたのが“勧誘”だろう。

その中から、どう決めれば良いか、ここは…

監督に教えを乞う!


日の明るいうちに帰宅した。
久々の実家の食堂。
顔馴染みの同期な料理人に声をかけ、少々手伝いながら

城での話をした。
ここの先輩も配置された面々で、参考にはならなかったので
食事の時に、監督達を捕まえよう。

お酒があれば、しっかり聞き出せるだろうと目論んだ。


夕食時…
「いーか?職業は斡旋される。
生まれてから数日で決まる奴、そこから移るやつ。

お前は、推薦された珍しいパターンな。」

思惑通り、監督達の食事をご一緒させてもらい
お酒を注ぎながら話を聞く。話好きで助かる!と喜んで聞いていた。


監督の方は、周りも聞き耳を立てているのに気付いていながら

魔窟と囁かれる城で生き残っているビーは注目されているが
本人はどこ吹く風。誘いに乗らずマイペースに過ごしているらしい。

呑気な性格だなと思っている。この図太さが生き残るコツかとも。

「城で働いく上部や専門職だ。上部は決まりごと決めたり
パーティの催事を彩るお役目とかだ。」

城の大まかな役職を説明してもらった印象は
行政、催事、それと警備は?

「騎士様も上部?」と聞いた。


監督は
まだあどけない可愛い顔での質問に、可愛がられる理由がわかる。観察眼もまあまあで
自然と身についているのが末恐ろしい。

ビーの容姿なら花形の役者なんかの芸術面も考えられた。
だが、コイツの性格上、もっと現実的なものが好きそうだと、

そちらを推さず城へ上げたのは
ビーが何を選択するか興味があったからかも知れない。
予想外のことをする気がした。

「ああ、華の騎士団な。見れたか?」

ちょっと毛色の違う騎士団の話を聞かせたのだった。
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