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本編
6-馬車
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同乗者がいるとは聞いていた。
知っている女冒険者で、トラブルのことも知っていた。
運の悪い、変なのに目をつけられたもんだなと同情はするが
どうにもならない。
一介の商業ギルドの職員じゃな。
護衛についてくれたこともある気の良く、腕も良い冒険者だ。
孤児院出身らしい。
とは聞いたがここの孤児院は優秀な子が卒業している
商業ギルドに登録して商人として働く子もいる
お貴族様っていうのは、なあ。
大抵、手段を選ばないもんだよな。
そのセリが来る予定で待っていた。予定では
高ランクの冒険者2人が護衛でバッチリだ。
よく行く道のりでもあって、気楽な道行き。
知り合いの飛び入り参加なら協力しても良いと思える。
俺は逃げる方に応援したいからな。
やってやれる事は、素知らぬ顔で同乗させるくらいだが。
上質な生地のコートで顔を隠す、冒険者の1人に
両抱きされた人。
どこかの貴人だろうか?
そうだろう。
姿を知っている俺でも予想で言っている。
まず間違いないだろうが、謎の人物って感じだな。
訳ありの貴人を運ぶって筋書きか?
特に何も言うことなく
馬車内に勧めるのが良いと判断した。
(若いなあ)
と心の中の感想だった。
当の横抱きされたセリは眠りの中だ。
原因は疲労。
温かさと安全だという意識に身を委ねていた。
自分の状況が他者から見てどう思われているか
気づいていないとも言う。
そのローブの豪華さに
お忍びの貴人が出かけるのか?との見立てをする人々が多い。
わがままを言う貴族や豪商の娘、又は怪我をした女性なのでは
と考える人もいた。
事実は、抱えている方の冒険者のわがままだと言うのは誰も気づかないだろう。
そうカナンは思って相棒を呆れて見ている。
「ヤリ過ぎんなって言わなかったけか?」
「…無茶はさせてない」
「そりゃ、今寝てるもんな?」
寝ているが、ここにいるので問題ないと誤魔化すロードに皮肉を言う。
「俺が運ぶ」
「起きたら何て言うかなあ~。ロード、キライ!って言われて立ち直れるか?」
真面目なような巫山戯ている口調で聴くカナンに、眉間にシワが寄るロード
その様子にカナンが笑ってしまったのは、子供の頃のロードの癖だったから。
最近見ることが滅法ない、豊かな表情のひとつだった。
(これを見れば、凍った顔何て言う奴いないだろうな。)
そう思うくらいに王都での生活や依頼はストレスだった。
疲れがあった
「ハアァァッ、王都に帰んのかあ。」森に囲まれた馬車を降りて進んでいる地点。
キャンプ地で複数の馬車が合流して、ある程度固まって進むのだ。
ゆっくり向かっているが、カナンは後ろの警護だ。
ロードはというと、まだ寝惚けているセリに肩を貸していた。
セリは護衛に入れていない。
弓矢が使えると聴くので手助けしてもらうことも考えたが
ロードが離れたくないのが理由だった。
知っている女冒険者で、トラブルのことも知っていた。
運の悪い、変なのに目をつけられたもんだなと同情はするが
どうにもならない。
一介の商業ギルドの職員じゃな。
護衛についてくれたこともある気の良く、腕も良い冒険者だ。
孤児院出身らしい。
とは聞いたがここの孤児院は優秀な子が卒業している
商業ギルドに登録して商人として働く子もいる
お貴族様っていうのは、なあ。
大抵、手段を選ばないもんだよな。
そのセリが来る予定で待っていた。予定では
高ランクの冒険者2人が護衛でバッチリだ。
よく行く道のりでもあって、気楽な道行き。
知り合いの飛び入り参加なら協力しても良いと思える。
俺は逃げる方に応援したいからな。
やってやれる事は、素知らぬ顔で同乗させるくらいだが。
上質な生地のコートで顔を隠す、冒険者の1人に
両抱きされた人。
どこかの貴人だろうか?
そうだろう。
姿を知っている俺でも予想で言っている。
まず間違いないだろうが、謎の人物って感じだな。
訳ありの貴人を運ぶって筋書きか?
特に何も言うことなく
馬車内に勧めるのが良いと判断した。
(若いなあ)
と心の中の感想だった。
当の横抱きされたセリは眠りの中だ。
原因は疲労。
温かさと安全だという意識に身を委ねていた。
自分の状況が他者から見てどう思われているか
気づいていないとも言う。
そのローブの豪華さに
お忍びの貴人が出かけるのか?との見立てをする人々が多い。
わがままを言う貴族や豪商の娘、又は怪我をした女性なのでは
と考える人もいた。
事実は、抱えている方の冒険者のわがままだと言うのは誰も気づかないだろう。
そうカナンは思って相棒を呆れて見ている。
「ヤリ過ぎんなって言わなかったけか?」
「…無茶はさせてない」
「そりゃ、今寝てるもんな?」
寝ているが、ここにいるので問題ないと誤魔化すロードに皮肉を言う。
「俺が運ぶ」
「起きたら何て言うかなあ~。ロード、キライ!って言われて立ち直れるか?」
真面目なような巫山戯ている口調で聴くカナンに、眉間にシワが寄るロード
その様子にカナンが笑ってしまったのは、子供の頃のロードの癖だったから。
最近見ることが滅法ない、豊かな表情のひとつだった。
(これを見れば、凍った顔何て言う奴いないだろうな。)
そう思うくらいに王都での生活や依頼はストレスだった。
疲れがあった
「ハアァァッ、王都に帰んのかあ。」森に囲まれた馬車を降りて進んでいる地点。
キャンプ地で複数の馬車が合流して、ある程度固まって進むのだ。
ゆっくり向かっているが、カナンは後ろの警護だ。
ロードはというと、まだ寝惚けているセリに肩を貸していた。
セリは護衛に入れていない。
弓矢が使えると聴くので手助けしてもらうことも考えたが
ロードが離れたくないのが理由だった。
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