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本編
7-貿易街へ
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森と平原の領域を抜け
荒野を走る。馬車は順調に走っていた。
日が昇り始めてすでにこれほど暑い
「蒸すなあ。」狼獣人のカナンが少々げっそりとした感じで言ったのは
何も陽射しだけのせいではない。
馬車に乗り込んでいる、相棒のロード
その番であるセリがべったりくっついている様子にー
呆れも入っていた。
予想通りすぎる。
豪華なローブを纏ったセリの表情は見えないが
熱さにやられる心配はしていない。
その理由がべったりくっついるロードにあった。
氷の魔法を使えるロードが、甲斐甲斐しくセリに冷風を送っている!
(オレにもその冷気寄越せ)と見ても
ロードはセリしか見ていないだろう。
(まったく)呆れて後方に視線を移し、遠目で同じ方向に走る後ろの馬車を見る。
尾けられているのか?警戒していたが、セリちゃんの関係者ではなく
商人の顔見知りだと分かった。
護衛をケチりたいのだろうと。
(高ランクが乗った馬車の後なら安全ってか。)
護衛の冒険者がいたが、装備から見て低レベル。
商人の判断だろう。
同じ道行きの馬車を追えば
魔物の被害が少ない上に、おこぼれにありつけるか。
「せこいが
ま、許される範囲だろう。」
セリちゃんを隠すことになったのが予定より長くなり
可哀想なのはフードで暑そうな上に、ロードが付きっきりなことだろうか?
(見た目が暑そうだがアレ、涼しいんだよな。)
「おっとっ!」
砂地から何かが出て、馬車に当たりそうなのを
牽制だけして通る
魔物の舌だろう。
いちいち倒してられない。図体がデカく
歯が通りにくいリザード系の魔物だ。
荒地のこんなところにいるのは珍しい。
地中にいることが多いはずだがと、後ろに遠のく様子を見ていた。
追撃してくることはないと思うが、念のため構えはとかない。
しかし、
「おいおい技量より上の相手だろう」
わらわらと装備の緩さが目立つ一団が出てきて
討伐しようとている。
リザード系は温厚で鈍い相手だが刃が通り難い。
攻撃されたらあの巨体で暴れ回る。
荒野の道無き道とは言え、「こんなところでやりあうってのか!?」
戦いの後、危険が他にも及びそうだが
オレらは止められる位置にいない。
魔物が馬車をその馬鹿でかい
口におさめようと、パカリと開かれる!
それを防げる冒険者がいないと見られたが
ヒュンっ!
ガキイイイン
その口に、氷の塊がはまった。
「ロード?」
馬車内からはなたれた、攻撃と氷で相棒の名を口にするも
この距離であの大きさの氷。いくらロードでも無理がある、
1人では。
弓矢が放たれていた
「良い腕だな」ロードがドヤってるが、
放ったのはセリだ。
確かに、良い腕だ。弓矢もそれなりのものを使っている。
思わず、セリの腕を確認できた。
魔物は暴れながら帰って行ったようだ。
流石に深追いしないだろ。しても自己責任だな。
セリちゃんの追手じゃないが情報は流れるだろうか?
氷の塊の方が注目されるから大丈夫だと思うし、
あの町を出るのは、南は他国への道になる。出国は調べやすい。
場所を分からなくするなら
貿易街か王都だ。
物の出入りの激しい貿易街
人の行き来が激しい王都は
身を隠しやすい。
荒野にそびえる、貿易街に着く。
商人の登録の確認は素早く終わり、貴族街に直行した。
出迎えた屋敷で
執事が近づく。
荷と人を届け、
宿をとりに行こうと話すところで
留め置かれた。
「何のようだ?」ロードの不服な声。
紅茶を嬉しそうに飲んでいるセリに
移って機嫌も良くなるが。
「ほんと何の用だ?」
「ちょいと顔を見たかっただけじゃよ。」
「お爺さん?」セリの知り合いか?オレも顔は知ってる。
杖を持つ、小柄な老人。
貿易街に隠居していると宣う爺さんだ。
商業ギルドのトップだった
今は裏で牛耳っているらしい。
「隠居だからな!」
(隠居がこんな便利なとこに住んでるかよ)とカナンは思った。
北に王都、西には港があり
どこへでも早く着ける
飛竜の発着に借りる予定だった。
難癖つける気か?
「お久しぶりです」
本当に顔を見に来たなんて暢気なタイプじゃない。
セリちゃんと面識はあるようだけど?
「お前さんがセリの番か?」と威圧がかかった。
荒野を走る。馬車は順調に走っていた。
日が昇り始めてすでにこれほど暑い
「蒸すなあ。」狼獣人のカナンが少々げっそりとした感じで言ったのは
何も陽射しだけのせいではない。
馬車に乗り込んでいる、相棒のロード
その番であるセリがべったりくっついている様子にー
呆れも入っていた。
予想通りすぎる。
豪華なローブを纏ったセリの表情は見えないが
熱さにやられる心配はしていない。
その理由がべったりくっついるロードにあった。
氷の魔法を使えるロードが、甲斐甲斐しくセリに冷風を送っている!
(オレにもその冷気寄越せ)と見ても
ロードはセリしか見ていないだろう。
(まったく)呆れて後方に視線を移し、遠目で同じ方向に走る後ろの馬車を見る。
尾けられているのか?警戒していたが、セリちゃんの関係者ではなく
商人の顔見知りだと分かった。
護衛をケチりたいのだろうと。
(高ランクが乗った馬車の後なら安全ってか。)
護衛の冒険者がいたが、装備から見て低レベル。
商人の判断だろう。
同じ道行きの馬車を追えば
魔物の被害が少ない上に、おこぼれにありつけるか。
「せこいが
ま、許される範囲だろう。」
セリちゃんを隠すことになったのが予定より長くなり
可哀想なのはフードで暑そうな上に、ロードが付きっきりなことだろうか?
(見た目が暑そうだがアレ、涼しいんだよな。)
「おっとっ!」
砂地から何かが出て、馬車に当たりそうなのを
牽制だけして通る
魔物の舌だろう。
いちいち倒してられない。図体がデカく
歯が通りにくいリザード系の魔物だ。
荒地のこんなところにいるのは珍しい。
地中にいることが多いはずだがと、後ろに遠のく様子を見ていた。
追撃してくることはないと思うが、念のため構えはとかない。
しかし、
「おいおい技量より上の相手だろう」
わらわらと装備の緩さが目立つ一団が出てきて
討伐しようとている。
リザード系は温厚で鈍い相手だが刃が通り難い。
攻撃されたらあの巨体で暴れ回る。
荒野の道無き道とは言え、「こんなところでやりあうってのか!?」
戦いの後、危険が他にも及びそうだが
オレらは止められる位置にいない。
魔物が馬車をその馬鹿でかい
口におさめようと、パカリと開かれる!
それを防げる冒険者がいないと見られたが
ヒュンっ!
ガキイイイン
その口に、氷の塊がはまった。
「ロード?」
馬車内からはなたれた、攻撃と氷で相棒の名を口にするも
この距離であの大きさの氷。いくらロードでも無理がある、
1人では。
弓矢が放たれていた
「良い腕だな」ロードがドヤってるが、
放ったのはセリだ。
確かに、良い腕だ。弓矢もそれなりのものを使っている。
思わず、セリの腕を確認できた。
魔物は暴れながら帰って行ったようだ。
流石に深追いしないだろ。しても自己責任だな。
セリちゃんの追手じゃないが情報は流れるだろうか?
氷の塊の方が注目されるから大丈夫だと思うし、
あの町を出るのは、南は他国への道になる。出国は調べやすい。
場所を分からなくするなら
貿易街か王都だ。
物の出入りの激しい貿易街
人の行き来が激しい王都は
身を隠しやすい。
荒野にそびえる、貿易街に着く。
商人の登録の確認は素早く終わり、貴族街に直行した。
出迎えた屋敷で
執事が近づく。
荷と人を届け、
宿をとりに行こうと話すところで
留め置かれた。
「何のようだ?」ロードの不服な声。
紅茶を嬉しそうに飲んでいるセリに
移って機嫌も良くなるが。
「ほんと何の用だ?」
「ちょいと顔を見たかっただけじゃよ。」
「お爺さん?」セリの知り合いか?オレも顔は知ってる。
杖を持つ、小柄な老人。
貿易街に隠居していると宣う爺さんだ。
商業ギルドのトップだった
今は裏で牛耳っているらしい。
「隠居だからな!」
(隠居がこんな便利なとこに住んでるかよ)とカナンは思った。
北に王都、西には港があり
どこへでも早く着ける
飛竜の発着に借りる予定だった。
難癖つける気か?
「お久しぶりです」
本当に顔を見に来たなんて暢気なタイプじゃない。
セリちゃんと面識はあるようだけど?
「お前さんがセリの番か?」と威圧がかかった。
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