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本編
8-貴族街の屋敷
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「お爺さん」
部屋に来た老人に反応したのはセリだった。
ロードはカナンを見て、知り合いか確認するも否と返される。
2にはこの老人と面識がないと思われた。
小柄で老齢な紳士と言った格好は、金持ちと思われるものの
貴族という雰囲気ではなく商会の会長といった雰囲気。
その目は標的を評価、鑑定するためにあるようで
ジロリと隙なく見られているのを感じた。
値踏みするというより、信用に値するかを見抜くようだ。
変な爺さんだが脅威ではないし、悪意も感じない。
ロードの感覚ではそういう人物だと判断した。
しかし、セリとはどういった関わりがあるのだろう?
「『竜の翼』か。シュルト坊は何しとる?」
メンバーのシュルトの名前、しかも坊とは!?
カナンが驚きを抑えて答える。
「王都の店の手伝いしてるけど、知り合いか?」
「昔な。商業ギルドで長をしていた時期に顔を合わせとる。」
オレらとも少しは関わりがあるらしい。
「何の用だ?」といつも通りの冷たい声でロードが先を促す。
率直な聞き用は、無礼な印象を与えるだろうが
こっちは冒険者だ。仕事も終わったし、さっさと宿を取るに行きたいところ
が本音だ。
カナンはロードの物言いを嗜めない。
セリはきょとんとした顔で、を老人の答えを待った。
「お前さんがセリの番か?」
いつもより硬く、重厚感のある声で問われた声。
娘の連れてきた男を見定める心情で、冒険者の男を睥睨する。
「そうだ。」ロードは睨み返すように告げた。
反抗的で一歩も譲らない姿勢。しかもセリを守る位置にさりげなく寄る。
「ふんっ。面構えはまあまあだ。タイミングも良い。」
一応合格点はもらえたのか、睨み合いはすぐ終わってセリに向き直る。
「元気にしとったか?」
「はい。なんとか脱出の計画も実行に移せました。
ちょっと予定外のこともありましたけど。」
ロードに手を添える。
お熱いこって。
「まあ、タイミングが良いのも運の内、実力のうちだな。
今日はここに泊まっていけ。」
この貴族街の一等地に!?
商人の誘いってのが怖いが。
「セリへの単なる善意だ。金を巻き上げようなんてせんよ」
読心術かよ。
老齢な商人ができるようになるっつー、眉唾もののスキルって言われる。(そんな物があるか!)
「心なんて読めんぞ」
「読んでんじゃねーかよ」
「これくらい、顔に出とる」
ほんと、セリとどういう関係だ?
「セリとどういう関係だ?」
「保護者みたいなものだ。」
「薬屋の個人依頼を受けてた縁なの。」
「セリのハーブティは逸品だ。」
「薬屋のお婆さんの教えが良いんですよ」
一部、個人に売っている商品がある。
セリのブレンドティはおいしく、効果もついていて一定の顧客を持っていた。
老後の暮らしに困らない程度の腕前
と褒めてもらっている。
危険な冒険者の仕事より専門職を勧められたが、
旅に出て、その場所で食いっぱぐれない冒険者業になじんでおきたかった。
いつか逃走する日が来る可能性が高かったからだ。
ロードは、宿のが存分にイチャつけると考えたが
ここのがセリを隠せる。
そう思考がたどり着き、了承した。
「アレは庭に来とる。明日なら王都に飛ぶぞ。」
凄腕の商人
話が早い、情報も速い。
こちらの目的もわかっているようだ。
「年の功じゃよ」
また心を読まれ、いろいろと諦めとりあえず庭へ行った。
飛竜との対面だった。
部屋に来た老人に反応したのはセリだった。
ロードはカナンを見て、知り合いか確認するも否と返される。
2にはこの老人と面識がないと思われた。
小柄で老齢な紳士と言った格好は、金持ちと思われるものの
貴族という雰囲気ではなく商会の会長といった雰囲気。
その目は標的を評価、鑑定するためにあるようで
ジロリと隙なく見られているのを感じた。
値踏みするというより、信用に値するかを見抜くようだ。
変な爺さんだが脅威ではないし、悪意も感じない。
ロードの感覚ではそういう人物だと判断した。
しかし、セリとはどういった関わりがあるのだろう?
「『竜の翼』か。シュルト坊は何しとる?」
メンバーのシュルトの名前、しかも坊とは!?
カナンが驚きを抑えて答える。
「王都の店の手伝いしてるけど、知り合いか?」
「昔な。商業ギルドで長をしていた時期に顔を合わせとる。」
オレらとも少しは関わりがあるらしい。
「何の用だ?」といつも通りの冷たい声でロードが先を促す。
率直な聞き用は、無礼な印象を与えるだろうが
こっちは冒険者だ。仕事も終わったし、さっさと宿を取るに行きたいところ
が本音だ。
カナンはロードの物言いを嗜めない。
セリはきょとんとした顔で、を老人の答えを待った。
「お前さんがセリの番か?」
いつもより硬く、重厚感のある声で問われた声。
娘の連れてきた男を見定める心情で、冒険者の男を睥睨する。
「そうだ。」ロードは睨み返すように告げた。
反抗的で一歩も譲らない姿勢。しかもセリを守る位置にさりげなく寄る。
「ふんっ。面構えはまあまあだ。タイミングも良い。」
一応合格点はもらえたのか、睨み合いはすぐ終わってセリに向き直る。
「元気にしとったか?」
「はい。なんとか脱出の計画も実行に移せました。
ちょっと予定外のこともありましたけど。」
ロードに手を添える。
お熱いこって。
「まあ、タイミングが良いのも運の内、実力のうちだな。
今日はここに泊まっていけ。」
この貴族街の一等地に!?
商人の誘いってのが怖いが。
「セリへの単なる善意だ。金を巻き上げようなんてせんよ」
読心術かよ。
老齢な商人ができるようになるっつー、眉唾もののスキルって言われる。(そんな物があるか!)
「心なんて読めんぞ」
「読んでんじゃねーかよ」
「これくらい、顔に出とる」
ほんと、セリとどういう関係だ?
「セリとどういう関係だ?」
「保護者みたいなものだ。」
「薬屋の個人依頼を受けてた縁なの。」
「セリのハーブティは逸品だ。」
「薬屋のお婆さんの教えが良いんですよ」
一部、個人に売っている商品がある。
セリのブレンドティはおいしく、効果もついていて一定の顧客を持っていた。
老後の暮らしに困らない程度の腕前
と褒めてもらっている。
危険な冒険者の仕事より専門職を勧められたが、
旅に出て、その場所で食いっぱぐれない冒険者業になじんでおきたかった。
いつか逃走する日が来る可能性が高かったからだ。
ロードは、宿のが存分にイチャつけると考えたが
ここのがセリを隠せる。
そう思考がたどり着き、了承した。
「アレは庭に来とる。明日なら王都に飛ぶぞ。」
凄腕の商人
話が早い、情報も速い。
こちらの目的もわかっているようだ。
「年の功じゃよ」
また心を読まれ、いろいろと諦めとりあえず庭へ行った。
飛竜との対面だった。
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