【完結済み】俺たちと番の女のハネムーン[R-18]

BBやっこ

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友の章

未明の相手

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セリの目が覚めると、少し肌寒いと感じた。まだ日が登っていないからか。

部屋にある暖炉の火を入れようか。火の魔石はほんのり光りを纏っている。
温かいものを飲んでもう一眠りしたいと思った。

昨日、ベッドに入った時間は早かったが、寝れたわけじゃない。
なんなら、夕食もベッドの上だった。いや、ロードの上というのが正しい。

自分で思い出してしまった状況に赤面してしまう。
ナニがあったかは想像に任せる。
と、まあ。寝たけど変な時間に、少し寝たから目が覚めた原因だと思う。

(もうちょっと寝たい気分といったところ。)

スヤっと寝ているロードに触らないように、ベッドから降りる。
(喉が渇いた)

垂れ下がっている薄布を手で避け、暖炉の方へ歩く。
ベッドに保温がかかっていたのかもしれない。ちょっと寒い
肩をさすりながら暖炉の前に違和感を覚えた。



暗闇で
もぞっとシルエットが動く


セリは油断なく、身構えた。

(昨日、整理した毛皮はなかったはず。あったら頬擦りしてたと思う。)
寝ぼけている頭を振って、防御に使えそうなものを手に持って近づく。


わふ?とでも言いそうなキョトンとした瞳がこっちを向いた。
濃い茶色の狼が、その紅瞳をこちらに向ける。‥が眠たげに閉じられた。

(可愛い)と仕草だったけど、体躯は大きいので警戒はまだとかない。
敵対の態度ではない。

というかのんびり部屋でくつろいでいる感じさえする。

(従魔だろうか?誰の…)
ベッドにいるロードは起きていない。危険はないようだけど。

当初の目的通り、そろりと遠回りに暖炉の火を大きくする。
寒かったのか、狼ものそりと身動ぎした。


寝ぼけているような、うとうとする雰囲気に絆される。
(可愛い。)

見た目からは出ないだろう言葉だ。大きく
モフっとしてて、私への興味は薄いらしくマイペースな性格のようで。
(撫でられるかな?)

そもそもロードが反応しない。つまり、危険はないよね?
様子を見ながら、お湯を沸かした。湯たんぽを使うためだ。

ホットミルクも飲もう。
(飲むかな?)と寝ている狼の分も火にかけた。

収納バッグから色々出した。


冷気を纏っている毛皮が上下にゆっくり動く。
毛並みが綺麗。外からきたのか?それにしては土の汚れもい。

部屋に居たみたいに?
どこかの部屋から来たのか、先住してたとか。敵対がないならいいや。

森で寝てたらたまにあったことだ。防御ができれば良い。相手を害する気はない。
まだ、眠りの時間だ。

平皿に飲める程度の温度で注いで出した。
「良ければどうぞ?」


足を温めながら、立ってホットミルクを飲む。
ふぅと温かさに和んでいると


狼もミルクを舐めて飲み始めた。
寝に戻ろうとマグカップをしまう。朝起きて片付ければ良いや。


「おやすみなさい」
狼も眠りに入ったようだった。



目が覚めたとき、すでにロードが起きていた。
セリの背と腹に動くロードの手が、妖しい動きだ。

「あ、狼。」思い出してベッドから降りて暖炉へ。
ミルクを出した、皿がない。


(夢だったのかなあ。)
ちゅっチュッと止めるの方法を模索中の接吻の雨に
対抗策を考えるセリだった。

嫌じゃないのが困りようだ。




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