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友の章
バッグの整理
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ロードの部屋で、5つの収納バッグが並べられた。
保存食のバッグはシュルトが回収しているため。悲惨なものはないだろう。
目立った成果、レアな魔物もない。この場合、価値が高いもので珍しいものはあるかもという事。
出した物を見ると、植物の採取は少ないようだ。扱いがテキトーなロードよりカナンが預かるらしい。
昔からブレーキかつ仲裁役で大抵、カナンが一緒にいる。
竜人のロードに追いついたり止めるのは力と体力が求められる。
(気力も必要だと体験者として付け加えたい。)
グスタフが植物に詳しく、全体の管理はシュルト。2人のおかげで塩漬けされた品は減少した。
キースが調合に使う分を持って、薬の補給にもなると『竜の翼』で流れが決まっているらしい。
つまり、それ以外がこの収納バッグの中に入っている。
「気になった果物、見分けがつくキノコ。皮の部分ではなくて、牙や角?」
売れる方、素材として使えるものはチームで管理ができている。少し水分が抜けた気もしなくない。
「それは、氷狼の牙、こっちの角…なんのだ?風属性だな。」
「額にある角?兎の魔物かな。」
思い出せたものはタグ付けした。品質が悪くないのは高性能の収納バッグだからか。
「これ、どこのだかわかる?」
「氷のダンジョン、北だな。」
何気に2人の共同作業だ。
セリも冒険者だ。魔物の素材に興味津々。調合に使えるものをつい探してしまう。
「依頼は何だったの?」
「採取をひとつ受けて。暇つぶしだな。」
ダンジョンの話やトラブルの事を聴きながら手を動かした。
『竜の翼』は“ダンジョン専門”と言われることで、指名依頼の拒否をしている。
「うちのメンバーは個人での活動でも目立ってるからな。」
グスタフは本を出すほどの研究結果と、支持を得ている。
研究で食べていくくらいできそうだが、フィールドワーク、冒険者も外さない。
シュルトは王都で服飾の店に関わっているそうだ。奥さんが職人さんで、要望に応えて冒険者活動をしている節があるとか。本人は商人の自負もあるが、冒険者として移動するのが安全。
魔物から盗賊、やっかみの商人も退けられる。
キースは教会に顔を出すらしいが、神職にはつかず研究の方面で結果を出した。教会所属させようとする派閥から
の勧誘をかわしつづけている。立場的に大変らしいけど。
「その点、俺とカナンは暇だな。」
子供の頃から一緒で、冒険者になってからも2人で活動していた。他にパーティに入ったことはないそうだ。
「狼獣人も竜人も、嫌煙されるからな。」
番の問題でよく聞くヤバい種族、一位と二位の結果?
「力がを頼られることもあったんじゃ?」
獣人のパワープレーは頼りになる。暴走気味なのは大変だけど。
「たまにチーム組んだ奴はいたんだが、生活が合わなくてな。」
相性もあるからなかなと思ったら
「煩くって、臭い。」
理由がシンプルだった。
「それは・・鼻が良いから大変だね?」よくある文句だけど直接言いづらい。
そして、心当たりがあった。水魔法と風魔法の混合、“エアウォッシュ”で対策していたセリだった。
生活魔法と言っているが、制御が難しい魔法だ。
それを気軽にできるセリは重宝がられた。
調合の時にも使える能力で、鍛えられている。
「ダンジョン行きたい?」体力さがあるから、ついて行くかは場所によるけど。
「セリがいるからな」
膝にのせられ、ちゅっとこめかみに接吻される。
「しばらくのんびりしようぜ」
その答えに頷くセリ。
「のんびりかあ。ハーブの調合したいかな。」
休みにしていることを呟く。
「ハーブティとかバスソルト類って使う?」
「甘いのとキツい臭いじゃなければ使うな。風呂に使ってるのあるぞ。」
そう言われ結局、風呂になだれ込むことになったのだった。
まだバッグ2つあるのに。
保存食のバッグはシュルトが回収しているため。悲惨なものはないだろう。
目立った成果、レアな魔物もない。この場合、価値が高いもので珍しいものはあるかもという事。
出した物を見ると、植物の採取は少ないようだ。扱いがテキトーなロードよりカナンが預かるらしい。
昔からブレーキかつ仲裁役で大抵、カナンが一緒にいる。
竜人のロードに追いついたり止めるのは力と体力が求められる。
(気力も必要だと体験者として付け加えたい。)
グスタフが植物に詳しく、全体の管理はシュルト。2人のおかげで塩漬けされた品は減少した。
キースが調合に使う分を持って、薬の補給にもなると『竜の翼』で流れが決まっているらしい。
つまり、それ以外がこの収納バッグの中に入っている。
「気になった果物、見分けがつくキノコ。皮の部分ではなくて、牙や角?」
売れる方、素材として使えるものはチームで管理ができている。少し水分が抜けた気もしなくない。
「それは、氷狼の牙、こっちの角…なんのだ?風属性だな。」
「額にある角?兎の魔物かな。」
思い出せたものはタグ付けした。品質が悪くないのは高性能の収納バッグだからか。
「これ、どこのだかわかる?」
「氷のダンジョン、北だな。」
何気に2人の共同作業だ。
セリも冒険者だ。魔物の素材に興味津々。調合に使えるものをつい探してしまう。
「依頼は何だったの?」
「採取をひとつ受けて。暇つぶしだな。」
ダンジョンの話やトラブルの事を聴きながら手を動かした。
『竜の翼』は“ダンジョン専門”と言われることで、指名依頼の拒否をしている。
「うちのメンバーは個人での活動でも目立ってるからな。」
グスタフは本を出すほどの研究結果と、支持を得ている。
研究で食べていくくらいできそうだが、フィールドワーク、冒険者も外さない。
シュルトは王都で服飾の店に関わっているそうだ。奥さんが職人さんで、要望に応えて冒険者活動をしている節があるとか。本人は商人の自負もあるが、冒険者として移動するのが安全。
魔物から盗賊、やっかみの商人も退けられる。
キースは教会に顔を出すらしいが、神職にはつかず研究の方面で結果を出した。教会所属させようとする派閥から
の勧誘をかわしつづけている。立場的に大変らしいけど。
「その点、俺とカナンは暇だな。」
子供の頃から一緒で、冒険者になってからも2人で活動していた。他にパーティに入ったことはないそうだ。
「狼獣人も竜人も、嫌煙されるからな。」
番の問題でよく聞くヤバい種族、一位と二位の結果?
「力がを頼られることもあったんじゃ?」
獣人のパワープレーは頼りになる。暴走気味なのは大変だけど。
「たまにチーム組んだ奴はいたんだが、生活が合わなくてな。」
相性もあるからなかなと思ったら
「煩くって、臭い。」
理由がシンプルだった。
「それは・・鼻が良いから大変だね?」よくある文句だけど直接言いづらい。
そして、心当たりがあった。水魔法と風魔法の混合、“エアウォッシュ”で対策していたセリだった。
生活魔法と言っているが、制御が難しい魔法だ。
それを気軽にできるセリは重宝がられた。
調合の時にも使える能力で、鍛えられている。
「ダンジョン行きたい?」体力さがあるから、ついて行くかは場所によるけど。
「セリがいるからな」
膝にのせられ、ちゅっとこめかみに接吻される。
「しばらくのんびりしようぜ」
その答えに頷くセリ。
「のんびりかあ。ハーブの調合したいかな。」
休みにしていることを呟く。
「ハーブティとかバスソルト類って使う?」
「甘いのとキツい臭いじゃなければ使うな。風呂に使ってるのあるぞ。」
そう言われ結局、風呂になだれ込むことになったのだった。
まだバッグ2つあるのに。
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