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友の章
左耳の跡
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「今度、ブラッシングさせてね。」と名残惜しく頭を撫でる。中身は立派なおっさんでも扱いは完全に犬。
ちょっとグッタリしているのが哀愁を誘う狼姿のカナンだった。
結局のところ、
セリが狼姿を受け入れ、気に入っているのが分かった。この先問題なくメンバーの交流を重ねていけるだろう。
良かったで終われない男がひとり。ロードはある種、納得できないでいた。
自分の膝の上に乗せて座らせたセリに、言い聞かせる。
「いいか、セリ。あれは毛皮だ。毛皮なら俺がもっといいやつを狩ってくる!」
「もふっとしたのも、サラッとしたのもどっちも良い。」
セリは眠気に舟を漕いでいるせいで変な返答をした。
ロードは毛皮にセリが大喜びなのを(気に入り過ぎていないか?)と嫉妬めいたものを持った。
「なんなら今、刈ってやろうか?」
その目線の先に居た、狼がギクリとしている。
(狼の顔って感情豊かだなあ)とセリが頭のすみで考えたものの
「眠い。限界。」とロードに訴えた。
お腹も満たされ、もふもふで癒された昼下がりの眠気に身を任せたくなっている。
「そうか戻って昼寝しよう」
ターゲット捕捉から免れた狼は、(やれやれ)とひと息ついてリラックスした。
彼にも眠気がきているらしい。
まったりした空気にロードは部屋に戻って2人きりになるため移動しようと動く。
飲み物を取りに少し離れたとことで、
陽射しに照らされるもふもふの尻尾。釣られるように近づくも流石に、尻尾は触らせない。
ふさりと遠ざけられた。
最後にとばかりに、セリは狼に近づき「おやすみ~」チュッ
としたことにより、即急にロードに引き剥がされて、2人は部屋に戻って行った。
これから「毛皮より俺を!」という訴えが、圧としてセリに降りかかるだろう事は目に見えている。
そして、セリがディナーを食べる場所は、ベッドの上に決定したのだった。
狼姿のカナンを抱きついていたセリを剥がし部屋に戻ってきた。
ロードはセリを見やる。
まあまあ満足のいく、もふ補給だった事で、大人しくロードに抱き上げられ戻ってきた。
そして眠い。(もふもふは離れたけどまあいいや。)と考えている。
安心感に気が抜けていた。信頼の印でもあったがロードの望むものにはまだ足りない。
「毛皮であったかくして寝ような?」
「けど毛皮は動かないよ?」
先程の狼を惜しむセリフに困った番だと接吻して宥めた。
受け止められると直ぐに寝息をたてはじめる。
ロードは、ぺろりとセリの頬を舐めた。
嬉しそうに身を捩る。
まだ、番との関係が深まっていない。
時間をかける必要は理解できても
本能は不満だ。
まただ
もっと俺を求めて欲しい
右耳につけられる俺の瞳の色のピアス。
俺からの求婚を受けている印
左は俺を受け入れた時に着けられる、セリの瞳の色が輝く。
まだそれはない。セリが寝返りを打って左耳が晒される。
俺は、まだ印のつけられていない左耳に甘噛みした。
耳たぶに歯形が少し残る
俺を受け入れた未来が早く来て欲しい。
そう思いながら午後のひと時に微睡んだ。
ちょっとグッタリしているのが哀愁を誘う狼姿のカナンだった。
結局のところ、
セリが狼姿を受け入れ、気に入っているのが分かった。この先問題なくメンバーの交流を重ねていけるだろう。
良かったで終われない男がひとり。ロードはある種、納得できないでいた。
自分の膝の上に乗せて座らせたセリに、言い聞かせる。
「いいか、セリ。あれは毛皮だ。毛皮なら俺がもっといいやつを狩ってくる!」
「もふっとしたのも、サラッとしたのもどっちも良い。」
セリは眠気に舟を漕いでいるせいで変な返答をした。
ロードは毛皮にセリが大喜びなのを(気に入り過ぎていないか?)と嫉妬めいたものを持った。
「なんなら今、刈ってやろうか?」
その目線の先に居た、狼がギクリとしている。
(狼の顔って感情豊かだなあ)とセリが頭のすみで考えたものの
「眠い。限界。」とロードに訴えた。
お腹も満たされ、もふもふで癒された昼下がりの眠気に身を任せたくなっている。
「そうか戻って昼寝しよう」
ターゲット捕捉から免れた狼は、(やれやれ)とひと息ついてリラックスした。
彼にも眠気がきているらしい。
まったりした空気にロードは部屋に戻って2人きりになるため移動しようと動く。
飲み物を取りに少し離れたとことで、
陽射しに照らされるもふもふの尻尾。釣られるように近づくも流石に、尻尾は触らせない。
ふさりと遠ざけられた。
最後にとばかりに、セリは狼に近づき「おやすみ~」チュッ
としたことにより、即急にロードに引き剥がされて、2人は部屋に戻って行った。
これから「毛皮より俺を!」という訴えが、圧としてセリに降りかかるだろう事は目に見えている。
そして、セリがディナーを食べる場所は、ベッドの上に決定したのだった。
狼姿のカナンを抱きついていたセリを剥がし部屋に戻ってきた。
ロードはセリを見やる。
まあまあ満足のいく、もふ補給だった事で、大人しくロードに抱き上げられ戻ってきた。
そして眠い。(もふもふは離れたけどまあいいや。)と考えている。
安心感に気が抜けていた。信頼の印でもあったがロードの望むものにはまだ足りない。
「毛皮であったかくして寝ような?」
「けど毛皮は動かないよ?」
先程の狼を惜しむセリフに困った番だと接吻して宥めた。
受け止められると直ぐに寝息をたてはじめる。
ロードは、ぺろりとセリの頬を舐めた。
嬉しそうに身を捩る。
まだ、番との関係が深まっていない。
時間をかける必要は理解できても
本能は不満だ。
まただ
もっと俺を求めて欲しい
右耳につけられる俺の瞳の色のピアス。
俺からの求婚を受けている印
左は俺を受け入れた時に着けられる、セリの瞳の色が輝く。
まだそれはない。セリが寝返りを打って左耳が晒される。
俺は、まだ印のつけられていない左耳に甘噛みした。
耳たぶに歯形が少し残る
俺を受け入れた未来が早く来て欲しい。
そう思いながら午後のひと時に微睡んだ。
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