【完結済み】俺たちと番の女のハネムーン[R-18]

BBやっこ

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友の章

遊びの相手

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昼寝をしたせいか、またも星の輝いている刻にセリは目覚めた。
場所は同じく、隣に部屋の主が寝ている。

セリは起き出すことにした。
寝ているロードの顔をじっと見てみると、普段よりあどけなく
可愛い感じさえする。

(絆されてるなあ)と思うも
自分の身体中についた跡にあきれてもいる。

ふぅと少し欲の炎が燻っている身体を紛らわして、ベッドから離れた。

まだ星の明かりで見える暗い外の景色。肌寒い程度の外気に
暖炉に近づく。セリは、お茶を淹れることにした。

お湯を作るのに暖炉の火を使う
屋内に繋がる扉の外に気配がする。

(入ってこれば良いのに)
そう思って見つめていると

器用に扉を開いて入ってきた、狼の姿があった。

(邪魔してもいいかな?)
と言った様子だろうか。

狼姿のカナンだ。今回は遠慮がちに入ってきた。
まだ迷っている風だったので、セリは手招きして呼んだ。

少し冷えた毛の温度に、耳を撫でる。
もふもふと過ごしていると湯が沸いたので

熱々のお茶を淹れる

「飲む?」
コテっと首を傾げるポーズは
狼に飲めるかわからないってところかな。

お茶ではなく、白湯にして出した。体が冷えているようなので、温かいものを出したが
火傷しないよう促す。
大人しくペロペロと飲み出した。

その様子を見ながらセリは、少し口をつけて手を温める。
とろとろと暖炉の火が燃えているのを見つめていた。

うつらと眠いのか、それを耐えている様子の狼の背を撫でた。
気持ちよさそうに…。

したかと思ったら。ブルブルと振って毛を乱した。

「?」

様子を伺うに、ここで寝る気はないのだろうか。
よしよしナデナデとすると気持ちよさそうだが、目は眠そう。

「寝て行ったら?」

寝直すにしてもベッドではしないだろう。
「朝食は食堂で食べたい」とロードに言ってあるから。


狼の返答?を待てば、真面目な雰囲気でその目は
(俺のことどう思ってる?)だろうか。

ぎゅうと抱きつき、首元の毛に顔を埋めた。


(どうなんだ?)と促す雰囲気にポツリと返す。
「遊びの相手かな?」

「ロードが大事にしてくれるのは分かってる。
でもまだ、全部受け止められないし少し窮屈。だから…」

狼の瞳を合わせて、セリは話しかけた。
「たまに構って欲しいな。駄目?」


(しょうがないなあ)という態度になった狼。
その受け入れられた様子に、セリはぎゅうと抱きしめた。

足をまとわりつかせ全身で狼に抱きついた。
もふもふが気持ち良い。

「このまま一緒に寝よっか?」
もふもふに眠気を誘われていると

「浮気か?」
ロードがいた。

「遊びの相手なの。」狼の手を掴んで振ると、やれやれといった態度だった。

それはロードも同じで「寝ようぜ?」とギュッと抱きつかれる。
「そうだね。」飲み頃になったお茶を飲み干し、

「一緒には・・。」
「寝ないぞ」

狼がベッドの上にくる事はないらしい。良い枕になると思うのだけど。

「残念。」と言い抱かれて浮いているセリの足に
スリっと寄って、狼は部屋を出て行った。


そして部屋に
眠りの時間が訪れたのだった。
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