【完結済み】俺たちと番の女のハネムーン[R-18]

旅の支度

お忍びデート

王都に街へ行く時には、シュルトの店に寄るよう本人に言われていた。
拠点に呼んであった馬車にロードのエスコート付きでセリは乗り込んだ。

膝に乗せられるのを
「デートだから向かい合っていたい」と遠回しに拒否した。セリの勝利だったが、
ロードはデートの言葉に浮かれているので負けているとも言い難い。


「では！変身タイムです。」
目的の店、セリはお店の子に中へ連れてかれた。ロードが止めなかったので折り込み済みの予定か。

「ではではっパパッと変身させていただきますね！」

寸法は知られているようだ。一応の街着から、
シャツ、ジャケットはグリーン基調のチェック柄
編み上げブーツはヒールが高めだ。

シンプルなシャツから、フリルのついた光沢にあるシャツに。
本屋とカフェに行くには良さそうな大人しい格好だ。

若い格好な気がする？久しぶりのスカートはペンシルスカートで色っぽくなる。
(変装の意味合いもあるなら良いか。)
できれば、冒険者のセリだと記憶に残らない方が助かる。

動きやすさ、武器の仕込みまで考えてもらったコーディネートのようだし、
王都の流行もわからないので、されるがまま。

腕輪や装飾品はそのまま利用、飾りを足されて
良いとこのお嬢さん風に仕上がった。


セリが鏡で自分の姿を見る。
(この格好で冒険者ギルドは浮くだろうなあ。)と考えてしまう。
依頼主のように行けば良いかな？

絶対絡まれるね。

軽く施された化粧しお洒落な格好に、気分まで彩られ
待っているロードのところへ。

「お待たせ…」

ロードもラフな格好から着替えたようで、シンプルシャツとパンツスタイルだけど、高級な素材に。
顔と身体と布地かな…

((素材が良いと、こんなにも映えるのか！))

体格の良さと街に馴染む品格のようなものも香らせる。

極上の男だろうね。
王都のお嬢さん方が、よく目をつけなかっくらいに！

そんな事を考えて誰かといるイメージを描いてしまった。ちょっと不満になったので
ちゅっとロードの頬ほおに接吻キスすると言う調子にのった行動をした。


ふわりと笑って応えてくれたのでオッケーだろう。


そして、2人で店を後にしたのだった。

「え、あれロードさん？」「偽物だわ。あれは」
と言われていたくらいには、ロードにありえない笑顔だった。



高級な街に合う服装なもののロードは、冒険者の雰囲気は払拭できない。
結果、お嬢様と休日の護衛？関係性はわからないかも。
両方が冒険者とは思わなかった。


しかしロードの方は有名で、ヒソヒソと噂される事もある。
翠色の髪、黄色の瞳と如才ない動き。
分かるものにはわかった。

それでも貴族の女性などは、誰も粗野な冒険者とは思うまい。
堂々とした紳士的な男だ。

女性からの見惚れる、ため息も出た。
高級な街並みの中、貴族御用達の本屋とカフェ。

それだけでもデートできたとセリは満足だ。
ロードはセリと一緒で邪魔されなければ問題ない。

カフェで一休み、席を引いてもらっ向かい合うロード。
セリの席から、ちらりと覗く健康的な胸板が見えた。
(シャツが素敵だけど…)

セリの方が赤面して視線を逸らす。

“胸元ちらり”は、巨乳なお姉さまにしかくらわない攻撃だと思っていたが
違うらしい。

眼福？
考えている顔を見ているロードの方は、セリのいつもと違う格好を堪能していた。


今の服を脱がすまでのシュミレーションまで、バッチリだ。

しかし、最初のデートくらい、ベッドインは夜までお預け。
それくらいはできる。

(大丈夫だ。俺は、待てる。)


ぐらっと何回かきても、夜まで待てができたロードだった。