53 / 70
旅の支度
夜の
しおりを挟む
シュミレーション通り、このままベッドに潜り込めば、スタートだ。
しかし焦らない。我慢のきくかぎりギリギリで理性で待ったをかける
ベッドの上で戯れる。この時間も愛おしい。
セリが湯冷めさせないように、部屋は暖かい。
はらりと肩が覗けるゆるい服に、
うつ伏せで本を広げるセリの背中。
まだ寝るには早い時間だ。ついっと指でなぞって誘う。
その誘いの意味がわかったのか、
セリが本を閉じた。
ころりと転がって俺を見る
しょうがないなーって顔でセリが受け入れてくれるまで、じっくり待つ。
俺は、待てる。
ころりと俺もベッドに体を預けると、距離を詰め
ロマンチックな夜が…
カシカシッ
扉を引っ掻く音に邪魔される。
ロードは何の音か、心当たりがあった。
「くぅ~ん」悲しそうな鳴き声
セリにも誰がいるか思い当たった。
部屋まで来る、困り事が発生したらしい。
ロードがセリに上掛けを着せ、扉を開けた。
ヒュッと寒い風が入ったが、部屋を冷やすまでではない。
大きな狼がトットッと入ってきて、暖炉の前に座った。
「どうしたんだ?」
これから、セリと過ごすところだったので、ちょっと未練がましく言うロード。
セリの方は湯を沸かして
泥がついている狼の足を拭きにかかる。
大人しくなされるがままだった。少しの威嚇もない。
当たり前と言えば当たり前で、
この狼はカナンだ。
だから拠点の
防御の魔導具にも引っ掛からず
2メートル近い大きな狼は、大人しく座って
「キューン」とないた。
このタイミングでの訪に、悪かったと思っているらしい。
セリが毛を触ると、冷え切っている。
これは、しっかり温めた方が良いと思う。
湯を少し温め直して
風呂に入れた。
「丸洗いねー。」
楽しそうにセリが狼の全身を洗う。
ロードは風呂の入り口で面白くないが、セリが楽しそうなので任せていた。
「痛むとこはねえか?」「ワフッ」
「俺が動かなくていいんだな?」「ワフッ」
怪我の有無と、ロードへのオーダーはないと確認した。
「態とここに来たんじゃないだろうな?」「ウゥ!」
最後だけ“そんな訳ない!”と聞こえた。
洗ったところ、カナンが怪我をしている様子はない。
「なんか変なものにでも会ったか?」
夜出かけているのは知っている。
「クゥーン」と悲しげな声は、何かはあったらしい。詳細はわからないが。
魔力の質と量が高まると狼の姿で過ごす訳だが。
意思疎通は十分できる。
不便なのは、寒くても魔導具が使えない。
それでこの部屋に来ることもあったらしい。
今回セリがいてロードとの仲を邪魔をした形だが、風邪をひくのも違う。
その当人がセリに嬉しそうに尻尾を振って、体を拭かれているのが気に障るが。
調子に乗って胸に鼻をつっこんでいる。
「おい。セリを返せ。」(その胸は俺のだ。)
「くぅーん」
「キャラじゃねえだろ。」
(狼と喋ってるみたいで可愛い。)
セリが2人の様子にご機嫌だが、ロードは下降気味だ。
原因はこの狼。
セリが毛皮を撫でて、白湯を出して落ち着いたのだが…
「一緒に寝る?」
「わふっ!」
「オイ」
いつもの暖炉前より、狼はベッドに潜り込む方を選んだ。
欲望に忠実である。
セリの足に擦り寄っていた。
しかし焦らない。我慢のきくかぎりギリギリで理性で待ったをかける
ベッドの上で戯れる。この時間も愛おしい。
セリが湯冷めさせないように、部屋は暖かい。
はらりと肩が覗けるゆるい服に、
うつ伏せで本を広げるセリの背中。
まだ寝るには早い時間だ。ついっと指でなぞって誘う。
その誘いの意味がわかったのか、
セリが本を閉じた。
ころりと転がって俺を見る
しょうがないなーって顔でセリが受け入れてくれるまで、じっくり待つ。
俺は、待てる。
ころりと俺もベッドに体を預けると、距離を詰め
ロマンチックな夜が…
カシカシッ
扉を引っ掻く音に邪魔される。
ロードは何の音か、心当たりがあった。
「くぅ~ん」悲しそうな鳴き声
セリにも誰がいるか思い当たった。
部屋まで来る、困り事が発生したらしい。
ロードがセリに上掛けを着せ、扉を開けた。
ヒュッと寒い風が入ったが、部屋を冷やすまでではない。
大きな狼がトットッと入ってきて、暖炉の前に座った。
「どうしたんだ?」
これから、セリと過ごすところだったので、ちょっと未練がましく言うロード。
セリの方は湯を沸かして
泥がついている狼の足を拭きにかかる。
大人しくなされるがままだった。少しの威嚇もない。
当たり前と言えば当たり前で、
この狼はカナンだ。
だから拠点の
防御の魔導具にも引っ掛からず
2メートル近い大きな狼は、大人しく座って
「キューン」とないた。
このタイミングでの訪に、悪かったと思っているらしい。
セリが毛を触ると、冷え切っている。
これは、しっかり温めた方が良いと思う。
湯を少し温め直して
風呂に入れた。
「丸洗いねー。」
楽しそうにセリが狼の全身を洗う。
ロードは風呂の入り口で面白くないが、セリが楽しそうなので任せていた。
「痛むとこはねえか?」「ワフッ」
「俺が動かなくていいんだな?」「ワフッ」
怪我の有無と、ロードへのオーダーはないと確認した。
「態とここに来たんじゃないだろうな?」「ウゥ!」
最後だけ“そんな訳ない!”と聞こえた。
洗ったところ、カナンが怪我をしている様子はない。
「なんか変なものにでも会ったか?」
夜出かけているのは知っている。
「クゥーン」と悲しげな声は、何かはあったらしい。詳細はわからないが。
魔力の質と量が高まると狼の姿で過ごす訳だが。
意思疎通は十分できる。
不便なのは、寒くても魔導具が使えない。
それでこの部屋に来ることもあったらしい。
今回セリがいてロードとの仲を邪魔をした形だが、風邪をひくのも違う。
その当人がセリに嬉しそうに尻尾を振って、体を拭かれているのが気に障るが。
調子に乗って胸に鼻をつっこんでいる。
「おい。セリを返せ。」(その胸は俺のだ。)
「くぅーん」
「キャラじゃねえだろ。」
(狼と喋ってるみたいで可愛い。)
セリが2人の様子にご機嫌だが、ロードは下降気味だ。
原因はこの狼。
セリが毛皮を撫でて、白湯を出して落ち着いたのだが…
「一緒に寝る?」
「わふっ!」
「オイ」
いつもの暖炉前より、狼はベッドに潜り込む方を選んだ。
欲望に忠実である。
セリの足に擦り寄っていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる