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女騎士

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一夜だけの関係というのは、その後に出会ってしまっても無視するのが筋だと思う。

「やあ。また会えたね。」

何が“やあ”なものか。
そう顔に出たって構うものか!

祭りの後の休暇を終え、突然に近衛に異動になった初日。

護衛対象への御目通りが叶った。何でこんな突然だったのかも分かった。
昨日やってしまった男です!


艶然と笑顔を向ける胡散臭いほどの男は、見目は一級品。

会った時のラフな格好とは断絶違う皇帝の格好でも、
笑顔は同じだった。

「騎士として優秀だと聞いている。期待してるぞ?」

ああ、厄介なのに捕まったのだ。
近衛を飾りと宣う男の護衛か。


私はこの男に捕まらない。
逃げ切ってやろう。さっさと諦めるがいい。

そう思いながら、「よろしくお願いします。」と皇帝に挨拶をした。

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