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7-隣立つ王妃
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“王子の婚約者を連れてくる”と噂が流れたパーティの日。
まだ、チャンスはある。
そう思っている令嬢も居た。まだ、自分へと婚約を申し込まれるという妄想めいたものから
まだ間に合うと信じている者まで様々だった。
『ここで王子様と踊れれば、私が婚約者よ!』
『どんな令嬢かしら?私より劣る女なら、その場を退かせましょう。それが優しさだわ。』
『私より、美しい訳ないのだから。』
令嬢達の思惑の先、王家の方々の入場が知らされ
視線が集まった。
王子が連れる、令嬢の姿はなく。噂とは違うようだと思ったのも束の間。
別の扉。そこから令嬢が入場し、深々と礼をする。
それを王子が迎えに行く姿に、令嬢達の中で悲鳴を上げた者もいた。
あれが王子が選んだ婚約者か。
その通りにマーテル侯爵令嬢の紹介がされ、パーティは進む。
『地味な子』
『アレが王妃になるの?』
囁く、令嬢に中から『あんな弱そうな地味女、圧を掛ければ婚約破棄するわ』
喜び勇んで、マーテルに近づいた。
「どうやって王子の目に止まったのかしら?身の程知らずではなくて」
挨拶も、礼もなく令嬢が言い放った。
その嗜虐的な瞳は、怖いものと思っていたけど
思ったより冷静に、対処ができる。
「私は剣ではありません。かの方の盾にもならないでしょう。
ですがあの方の隣に立つのは私です。」
その態度に、否を浴びようと。
私は彼の王子様の隣に立つ。その意思と真っ直ぐな瞳に令嬢は気圧された。
無言、攻める手立てもなく。もう、話しかけられもしないところへ
令嬢は守られていた。
「愛しい、私の婚約者殿。」
護衛の騎士と王子。さりげなく守護していた者も立ち位置を変えた。
第一関門にしては易しい、令嬢を交わす方法は成功したようだ。
まだまだ、言いまかすのもやりあうのも難しいだろう。
侮られ、無礼にあっても立ち向かう勇気は持てた。
彼女の美しさに王子の立場を忘れて思う
「はやく王妃にしたい」
大人しい派手さはないけど、意思のある瞳が美しい。
それを他に見せることが惜しいかな。まあベッドの上でのあの顔は僕のものだよね?
よい子を見つけたよ。あの小動物感が可愛いんだよね。
後に王子はそう、愛しの婚約者の惚気を周囲に吐いたと言う。
それを聞かされるマーテルが赤面するのも
愛おしく側で見ていたのだった。
<End>
まだ、チャンスはある。
そう思っている令嬢も居た。まだ、自分へと婚約を申し込まれるという妄想めいたものから
まだ間に合うと信じている者まで様々だった。
『ここで王子様と踊れれば、私が婚約者よ!』
『どんな令嬢かしら?私より劣る女なら、その場を退かせましょう。それが優しさだわ。』
『私より、美しい訳ないのだから。』
令嬢達の思惑の先、王家の方々の入場が知らされ
視線が集まった。
王子が連れる、令嬢の姿はなく。噂とは違うようだと思ったのも束の間。
別の扉。そこから令嬢が入場し、深々と礼をする。
それを王子が迎えに行く姿に、令嬢達の中で悲鳴を上げた者もいた。
あれが王子が選んだ婚約者か。
その通りにマーテル侯爵令嬢の紹介がされ、パーティは進む。
『地味な子』
『アレが王妃になるの?』
囁く、令嬢に中から『あんな弱そうな地味女、圧を掛ければ婚約破棄するわ』
喜び勇んで、マーテルに近づいた。
「どうやって王子の目に止まったのかしら?身の程知らずではなくて」
挨拶も、礼もなく令嬢が言い放った。
その嗜虐的な瞳は、怖いものと思っていたけど
思ったより冷静に、対処ができる。
「私は剣ではありません。かの方の盾にもならないでしょう。
ですがあの方の隣に立つのは私です。」
その態度に、否を浴びようと。
私は彼の王子様の隣に立つ。その意思と真っ直ぐな瞳に令嬢は気圧された。
無言、攻める手立てもなく。もう、話しかけられもしないところへ
令嬢は守られていた。
「愛しい、私の婚約者殿。」
護衛の騎士と王子。さりげなく守護していた者も立ち位置を変えた。
第一関門にしては易しい、令嬢を交わす方法は成功したようだ。
まだまだ、言いまかすのもやりあうのも難しいだろう。
侮られ、無礼にあっても立ち向かう勇気は持てた。
彼女の美しさに王子の立場を忘れて思う
「はやく王妃にしたい」
大人しい派手さはないけど、意思のある瞳が美しい。
それを他に見せることが惜しいかな。まあベッドの上でのあの顔は僕のものだよね?
よい子を見つけたよ。あの小動物感が可愛いんだよね。
後に王子はそう、愛しの婚約者の惚気を周囲に吐いたと言う。
それを聞かされるマーテルが赤面するのも
愛おしく側で見ていたのだった。
<End>
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