上 下
1 / 2

異世界で意見を求められた。

しおりを挟む
目の前には、女である。
女王とは言わず、王位を持つ者として王。そんな側人の説明が耳に届く。


「其方にとって、王とはなんだ?」


はい、ここで私の紹介。地球人で今コーヒー淹れようとしていたところ。
「それ、今ですか?」

手に持った、空のカップが虚しい。
それを察したのか、王様は家臣らしき人に命じて飲み物を用意してくれた。

声を出さず、視線の合図だけだったのでカッコいい。

「で、だ。私は外の意見を取り入れるため異世界召喚をした。ここまでは良いな?」

説明があったものの、疑問が沸く。
「なぜ異世界から?」

王政とも限らないし、実際“王とは?”何んてわからないよ。

「民に聞いても、王に向かって本音は言えぬ。ならば誰でも良かろう。
話が出来て、手が空いている者を喚んだ。」


たしかに会話はできる。一息入れようとコーヒーを淹れる前だった。

「紅茶、美味しいです。」

ちょうどよかったのはわかったが、突然王様とお茶する事になった気持ちをどうすれば良いのか?
(出掛けられる格好で良かった。)


キリっと背筋伸びた、美しい女王様。
ピンチでもないし、還れるらしいのでお茶の間お話しする事にした。

自分での呑気だとは思うけど、流されるのも良いと思うんだよね。
しおりを挟む

処理中です...