逆さの神様

KeiKou色

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第三話

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 一体、この子は何者で、どうして俺にこだわるんだろう。
 自分で言うのもなんだけど、俺は全体的に普通な人間だ。
 勉強ができるわけでもなければ、運動が得意なわけでもない。
 顔も、俗にいうブサイクでは無いにしろ、イケメンというわけでもない。
 そんなことを考えていると「何を呆けておる、ほれ、ついたぞ」と、俺を悩ませている元凶の声が聞こえる。
 顔をあげると、何度も来たことのある見慣れた神社。
逆ノ島神社があった。
「それで、こんな所に来てどうしんだよ」
「ん?いや、ちょうどお主が近くを通ったのが見えてな、家に招こうと思っただけよ。ほら、人間でも友達とか好きな異性を家に呼んだりするじゃろ?」
 家?この神社が?ますます分からない。
「家って…ここ神社でしょ?…この神社の子なの?」
 でも、この神社には1年くらい前に来たけど、こんな子はいなかった。
 その子は少なくとも小学生…いや、中学生くらいだろうか。
 そんな子がいるなら、1年前も、その前に来た時もいるはずだ。
 でも、俺はこの子を見た記憶が無い。
 いや、正確には何となく見た事があるような気はするが、神社では見たことが無い。
「信じておらぬ顔じゃな」
「まぁ良い、どのみち信じる様になる」
 そんな風に喋っていると、神社の奥の方から慌てた様子の声が聞こえる。
(この声は……)
「どこにいらっしゃったんですか!?探したんですよ!?」
「あ、逆上さん」
「あ、え、竹沢君!?」
 彼女は逆上  栗美さかがみ  くるみ
 僕の同級生で、この神社の巫女もやっている。
 探していたってことは、この子は本当にこの神社の子なのだろうか。
「おぉ、栗美。なに、こやつが近くを通ったのでな、こっちに連れて来ただけよ」
「は、はぁ……なんにせよ、無事で良かったです。どこかで迷子になっているのかと…」
「わしを子供扱いするでない。迷子になどなったことはないわ」
「その…会話の途中で申し訳無いんだけど…逆上さんとその子とどんな関係なの?」
と、一番の疑問を投げかける。
「えっと……」
 何故か困った顔を浮かべている逆上さんをよそに、コスプレ少女が口を開く。
「簡単なことよ、わしはこの神社、いや、この島に住む神。逆島ノ神と、言えばわかるかの?」
 神?何を言っているんだろう。
 そういう設定なんだろうか。
「えっと……逆上さん、これはどういう…」
ある意味救いを求めて、逆上さんの方を見る。
「その方、桜様の言う通りです。桜様はこの逆ノ島に住まう神様その人です」
「えぇぇぇぇぇっ!?」
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