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第六話
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それから、俺は桜とよく会う様になった。
会う様になってから、桜の色々な面を見ることができた。逆さまになるのが好きだったり、イタズラすることが好きだったり。神様なんだし、もう少し威厳のある感じかと思っていたけど、普段は俺達と変わらない、いや、見た目通りと言うべきか。かなり子供っぽい性格だった。そんな色々な面を見れるのが楽しく思えた。
「どうしたんだ?何だか楽しそうだな」
そんな感情が顔に出ていたのか、裕貴にそう言われる。
「うん。まぁ、ちょっとね」
桜と会った日から、俺の日常は変わってしまったけれど、今の日常も悪くはない。
そんなことを考えていると、朝のHRの時間が来たようだ。
「はい、皆さん、おはようございます。今日は皆さんに転入生を紹介したいと思います。」
転入生?この島に引っ越して来た子がいるってこと?珍しい…というか、ほぼ初めてなのではないだろうか。この島は本当に小さな島で、悪く言えば何もない所なのだ。そんな所にわざわざ引っ越して来るなんて。まぁ、都会の方は都会の方で人が多くて色々なモノがある分大変そうだし、そういうのが嫌になった人なのだろうか。と、想像をしていたが、先生に呼ばれて入って来た人物は、そんな想像とは全く違う。というか、予想すらもしていなかった。
入って来た人物は、俺の良く知る…いや、最近出会って良く遊んでいると言った方が正しいだろう。この島に住むとされる神様、逆島 桜がこの学校に転校してきたのだった。
「初めまして、逆島 桜です。今日からこの学校に通うことになりました。よろしくお願いします。」
「ね、ねぇ、逆上さん、どういうこと?」
状況を整理しようと、確実に何か知っているであろう隣の席にいる逆上さんに聞いてみる。
「それが…どうやら竹沢君の話を聞いて学校に興味を持たれた様で…いえ…正確には、前々からの興味が爆発したというか…私や母もお止めしたのですが…」
「押し切られたと」
まぁ、桜の事だ。説得はかなり難しいだろう。気まぐれでこの島を助けて住み着いているが、本性はかなり自由な神様だ。
「席は…あ、竹沢君の後ろが空いてますね、親戚の逆上さんとも近いですし、色々と都合がいいでしょう、あそこでいいですか?」
「はい、大丈夫です」
というか、普通に喋れたんだな。1週間くらい経ったけど、あんな風に喋る桜は初めて見た。
桜の席となった俺の後ろの机に、桜が歩いて来て座る。何というか、いつもの和服にケモミミという珍しい姿もしっくりくるが、逆島高校の制服に身を包み、耳や尻尾を隠した姿、これはこれでよく似合っている。いや、元が良いのだから何を着ても似合うのだろう。
「ふふ、どうじゃ?よく似合っておるじゃろう?」
と、俺の心の中を見透かす様に、自信満々といった様子で俺に話しかけてくる。
「確かにそうだけど…大丈夫なの?一応神様なんでしょ?」
「一応は余計じゃが…まぁ良いではないか。今この島に住む者達の営みを間近で観察するのも良いかと思っての。それに、お主が学校に行っている間、お主に会えぬというのも寂しいしの」
何だか、こうも直接好意を見せられると、流石に意識してくる。
「そう言ってもらえるのは嬉しいけどさ」
何だかストーカーじみてきてないかな?って思うのは失礼にあたるのだろうか。いや、ならないな、神様として扱われるのは悪くは無いが窮屈で退屈だと本人が言っていたのだから、これくらいの軽口は大丈夫だろう。
「ふーむ、何か言いたげじゃな、まぁ良い。これから授業とやらが始まるのじゃろう?」
授業の方は、割といつも通り進んでいった。驚いたことと言えば、桜は勉強もできたという点だろうか。いや、別に驚くことでもないのか、神様なら何ができてもおかしくは無い。万能では無いだろうが、人間にできることならある程度できるのだろう。
そして、今は転入生が珍しいのもあって、桜の席の周りには人が集まっている。と言っても、元々そんなに人数は多くないので、十数人と言った所だ。いやこれでもうちの高校じゃかなりの人数集まってるんだけどね。
「どこから来たの?」「普段は何してるの?」「好きなものは?」等々、質問攻めにあっているようだが、桜は平然と質問一つ一つにちゃんと答えている。すごいな、俺がこんな風に質問攻めにされたら、途方にくれて何も答えられないだろう。
と、まぁ、こんな風にのんきに俺は無関係だとたかをくくっていたわけなんだけど、とんでもない爆弾を投下されることとなる。
「逆島さんの好きなタイプは?」
「うーん、強いて言うなら、竹沢君みたいな人?」
「!?」
桜の周りに集まっていた人達の視線が、一気に俺に向けられる。
(何でそんなこと言うの!?)と、思いながら、恐る恐る桜の方にチラリと視線を向けると、ニヤニヤと笑いながらこっちを見ている桜の姿が目に映る。きっと、彼女にとっては単なるイタズラなのだろう。助けを求めて逆上さんの方を見るが、首を横に振られ、親友である裕貴は「モテる男は辛いねぇ、明」と、こちらもニヤニヤしながら言ってくる。
桜の爆弾により、しばらく俺は噂の種となるのだった。
会う様になってから、桜の色々な面を見ることができた。逆さまになるのが好きだったり、イタズラすることが好きだったり。神様なんだし、もう少し威厳のある感じかと思っていたけど、普段は俺達と変わらない、いや、見た目通りと言うべきか。かなり子供っぽい性格だった。そんな色々な面を見れるのが楽しく思えた。
「どうしたんだ?何だか楽しそうだな」
そんな感情が顔に出ていたのか、裕貴にそう言われる。
「うん。まぁ、ちょっとね」
桜と会った日から、俺の日常は変わってしまったけれど、今の日常も悪くはない。
そんなことを考えていると、朝のHRの時間が来たようだ。
「はい、皆さん、おはようございます。今日は皆さんに転入生を紹介したいと思います。」
転入生?この島に引っ越して来た子がいるってこと?珍しい…というか、ほぼ初めてなのではないだろうか。この島は本当に小さな島で、悪く言えば何もない所なのだ。そんな所にわざわざ引っ越して来るなんて。まぁ、都会の方は都会の方で人が多くて色々なモノがある分大変そうだし、そういうのが嫌になった人なのだろうか。と、想像をしていたが、先生に呼ばれて入って来た人物は、そんな想像とは全く違う。というか、予想すらもしていなかった。
入って来た人物は、俺の良く知る…いや、最近出会って良く遊んでいると言った方が正しいだろう。この島に住むとされる神様、逆島 桜がこの学校に転校してきたのだった。
「初めまして、逆島 桜です。今日からこの学校に通うことになりました。よろしくお願いします。」
「ね、ねぇ、逆上さん、どういうこと?」
状況を整理しようと、確実に何か知っているであろう隣の席にいる逆上さんに聞いてみる。
「それが…どうやら竹沢君の話を聞いて学校に興味を持たれた様で…いえ…正確には、前々からの興味が爆発したというか…私や母もお止めしたのですが…」
「押し切られたと」
まぁ、桜の事だ。説得はかなり難しいだろう。気まぐれでこの島を助けて住み着いているが、本性はかなり自由な神様だ。
「席は…あ、竹沢君の後ろが空いてますね、親戚の逆上さんとも近いですし、色々と都合がいいでしょう、あそこでいいですか?」
「はい、大丈夫です」
というか、普通に喋れたんだな。1週間くらい経ったけど、あんな風に喋る桜は初めて見た。
桜の席となった俺の後ろの机に、桜が歩いて来て座る。何というか、いつもの和服にケモミミという珍しい姿もしっくりくるが、逆島高校の制服に身を包み、耳や尻尾を隠した姿、これはこれでよく似合っている。いや、元が良いのだから何を着ても似合うのだろう。
「ふふ、どうじゃ?よく似合っておるじゃろう?」
と、俺の心の中を見透かす様に、自信満々といった様子で俺に話しかけてくる。
「確かにそうだけど…大丈夫なの?一応神様なんでしょ?」
「一応は余計じゃが…まぁ良いではないか。今この島に住む者達の営みを間近で観察するのも良いかと思っての。それに、お主が学校に行っている間、お主に会えぬというのも寂しいしの」
何だか、こうも直接好意を見せられると、流石に意識してくる。
「そう言ってもらえるのは嬉しいけどさ」
何だかストーカーじみてきてないかな?って思うのは失礼にあたるのだろうか。いや、ならないな、神様として扱われるのは悪くは無いが窮屈で退屈だと本人が言っていたのだから、これくらいの軽口は大丈夫だろう。
「ふーむ、何か言いたげじゃな、まぁ良い。これから授業とやらが始まるのじゃろう?」
授業の方は、割といつも通り進んでいった。驚いたことと言えば、桜は勉強もできたという点だろうか。いや、別に驚くことでもないのか、神様なら何ができてもおかしくは無い。万能では無いだろうが、人間にできることならある程度できるのだろう。
そして、今は転入生が珍しいのもあって、桜の席の周りには人が集まっている。と言っても、元々そんなに人数は多くないので、十数人と言った所だ。いやこれでもうちの高校じゃかなりの人数集まってるんだけどね。
「どこから来たの?」「普段は何してるの?」「好きなものは?」等々、質問攻めにあっているようだが、桜は平然と質問一つ一つにちゃんと答えている。すごいな、俺がこんな風に質問攻めにされたら、途方にくれて何も答えられないだろう。
と、まぁ、こんな風にのんきに俺は無関係だとたかをくくっていたわけなんだけど、とんでもない爆弾を投下されることとなる。
「逆島さんの好きなタイプは?」
「うーん、強いて言うなら、竹沢君みたいな人?」
「!?」
桜の周りに集まっていた人達の視線が、一気に俺に向けられる。
(何でそんなこと言うの!?)と、思いながら、恐る恐る桜の方にチラリと視線を向けると、ニヤニヤと笑いながらこっちを見ている桜の姿が目に映る。きっと、彼女にとっては単なるイタズラなのだろう。助けを求めて逆上さんの方を見るが、首を横に振られ、親友である裕貴は「モテる男は辛いねぇ、明」と、こちらもニヤニヤしながら言ってくる。
桜の爆弾により、しばらく俺は噂の種となるのだった。
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