逆さの神様

KeiKou色

文字の大きさ
7 / 12

第七話

しおりを挟む
 桜が学校に来るようになってから2週間が経過した。
 基本はいつもと変わらない日々が続いたが、一つ変わったこととすれば、昼ごはんを食べる時に裕貴以外に逆上さんと桜が加わったくらいだろうか。
 2週間も経てば、桜が学校にいることにも慣れてきたのか、もう諦めているのか、逆上さんも普通に桜と接している。
 俺は、あの桜の爆弾発言のせいで色々と大変だったが、それが落ち着いてからはいつも通りだ。ただ、桜の喋り方には未だに慣れてないけど。
「そういえば、夏休みかぁ…」
 おもむろに裕貴がそう呟いた。
「そういえばそうだな」
 夏休みか、毎年裕貴と遊んだりする以外は特に予定は無い。みんなは家族で旅行に行ったりするけど、俺の両親は二人とも忙しくて、年に一回帰ってるか帰って来ないかで、今年も帰って来るかはわからない。
「夏休み、楽しみです」
 桜が本当に楽しみだというような表情でそう言った。
「逆上さんと逆島さんは何か予定とかあるの?」
「私は、特に予定はありませんね」
「私もです」
 桜と逆上さんがそれぞれ答える。逆上さんは神社の巫女さんもやってるし、桜は神様本人だから、この島を離れるわけにもいかないのだろう。
「なら、みんなで遊びに行こう!と言っても、この島からでるわけじゃないけど」
 という、裕貴からの提案に全員賛同した。
「それじゃあ、どこに行くかも決めないとな、やっぱり海とか?」
「いや、俺は山を推すね、最近キャンプの動画見てさ、すげぇ楽しそうだったんだよね」
 キャンプか、そう言えばこの島にもキャンプ場がある。観光客向けだが、島の人達もたまに利用する場所だ。
「いいですね、キャンプ。楽しそうです」
 食いついたのは桜だ。キャンプ、というよりは人間の遊びとか、その辺りに興味があるのだろう。俺の話で、一番楽しそうに聞いていたのは誰かと遊んだりした時の話だったし。
「私も、海よりは山の方が好きです。私、泳げないので…」
「それじゃあ、決まりだな、夏休みのどこかで予定合わせてみんなでキャンプに行こう!」
 と、そんな感じでトントン拍子に話が進んでいき、夏休みにキャンプをすることが決まった。
「いやぁ、楽しみだなぁ」
 みんな楽しみだと思うが、その中でも裕貴は特別楽しみにしているようだ。余程キャンプに憧れを持っていたらしい。その気持ちは、わからなくはないんだけど、少し浮かれすぎな気もする。
「まだ、いつ行くかも決まってないけどね。持っていくものとかも決めないとだし、まぁ、だ夏休みまでは少しあるんだし、日時も含めて追々決めていこう」
 きっと楽しい思い出になる。この場にいた4人、みんながそう確信していた。しかし、このキャンプは別の意味で思い出に残ることになることをこの時の4人は知らない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

エメラインの結婚紋

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...