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第二部 剣神と呼ばれた男
46 ピスタ村 魔物大発生
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ラピス遺跡までの旅路は比較的順調に進んだ。
比較的といったのは、普通のパーティなら壊滅しそうなBランク以上の魔物に何度か遭遇したが、このパーティの前では全く敵ではなかったからだ。
自分で言うのもなんだが、少し強すぎる。
そんなこんなで、王都を出発してから四日後。
予定よりずいぶん早く、俺たちはラピス遺跡のすぐ近くにあるピスタ村に辿り着こうとしていた。
村まであと数キロと迫った時、俺とレオノーラは同時に立ち上がった。
「この気配は……」
「うん、魔物がいるな。それも大量に!」
俺の物理感知と、レオノーラの魔力感知が大量の魔物の気配を捉えたのだ。
僅かに遅れて、ティナとユナも気付く。
「急ぐぞ!」
俺たちは馬車を降りて、身一つで駆け出した。
ものの数十秒で辿り着いたその場所には、目を疑うような光景が広がっていた。
「この魔物たちは!」
「ワイバーンですね!」
体長3メートル近くにも及ぶ怪鳥――Aランク魔物ワイバーンの群れがそこには存在していた。
数は100体を超えているだろうか。
これだけでも相当な脅威だが、それだけでは終わらなかった。
ワイバーンの群れの先にあるピスタ村から、ワイバーンを超える強力な気配を感じる。
どうやら急ぐ必要があるみたいだ。
しかしワイバーンも放っておけない。
俺はすぐさま、二手に分かれるべきだと判断した。
「レオノーラとティナはワイバーンの群れの討伐にあたれ! 俺とユナは先にピスタ村に向かう!」
「ああ!」「はい!」「うん!」
大規模魔術が得意な二人を残すという意図を三人とも理解してくれたようだ。
了承の言葉をもらった後、俺とユナはワイバーンの群れの中を駆けて行った。
俺の速度とユナの防御力をもってすれば、被害を受けることなく突破するのは容易い。
そうして辿り着いたピスタ村は、悲惨な状態だった。
家屋は潰され、人々が必死になって逃げまどっている。
そんな中、一際目立つ巨大な魔物が存在していた。
体長10メートルを超える巨躯を持つ、茶色の鱗に覆われた最強の竜種――アースドラゴン。
Sランク上位の、国の騎士団が総出で立ち向かい、半数が犠牲になってようやく討伐できるレベルの敵だ。
「どうしてそんな魔物がこんなところに……」
ラピス遺跡にはAランク以上の魔物がいるとは聞いていたが、最深部に生息しており、外に出てくることはないはずだ。
ということはあの魔物は外部から現れたと考えるのが自然だろう。
何はともあれ、いつまでも思考していられる余裕はなかった。
一時的に動きを止めていたアースドラゴンが再び動き出したからだ。
逃げ遅れた人々が集まる場所に向かい、雄叫びを上げながら進行していく。
「グォォォオオオオオオオオオオオオ!」
大地が震え、鼓膜が破れそうになるほどの巨大な雄叫び。
この環境で声は通らないと判断した俺は、アイコンタクトでユナに指示を出す。
――俺がアースドラゴンを倒す。ユナは人々を守ってくれ。
こくりと、ユナが頷く。
それを確認した俺は剣を構え、高速でアースドラゴンに迫る。
「――――喰らえ」
背後から放たれた鋭い斬撃。
だが、アースドラゴンはその巨体に見合わない素早い動きで斬撃を回避する。
しかしその程度は織り込み済み。
俺はアースドラゴンの懐に潜り込むと、胴体目掛けて剣を振り上げる。
「はぁあああ!」
「グルァァアアア!」
切り裂かれた胴体から勢いよく血飛沫が上がる。
アースドラゴンは完全に俺をターゲットに定めたのか、二つの金色の目で見下ろしてくる。
相手がどんな行動を起こすのか注意しながらも、俺は連撃を加えていく。
そんな俺たちの戦いぶりを見た村人たちは、各々に驚愕の声を上げていく。
「な、何が起きてるんだ? あの少年がアースドラゴンと戦っているのか?」
「最上級魔術でも傷一つ付かないような相手だぞ!? あんな訳の分からない武器で勝てるはずない!」
「でも、ちょっとずつ押していってるような……」
動揺と驚愕に支配された村人たちのもとにユナが合流する。
「安心して! もう大丈夫だよ! ルークならあの程度の魔物、簡単に倒して見せるから!」
「あ、貴女も彼の仲間なのですか? ――危ない、ワイバーンが後ろに!」
「平気だよ。気付いてるから――えいっ!」
「ギャウッ!?」
ドンッ、という鈍重な音と共に、ワイバーンの断末魔が聞こえる。
ユナは問題なく他のワイバーンを倒してくれているようだ。
「なら、こっちも頑張らなくちゃな」
この一分足らずの攻防で理解した。
アースドラゴンは確かに強力だが、俺の敵ではない。
力も、反射速度も、勘も、全てにおいて俺を下回っている。
「グルゥ、グラァァアアアアアアア」
「――む」
アースドラゴンは真正面から立ち向かっても俺に勝ち目がないと悟ったのか、自身のみが持つ翼を羽ばたかせ空高く舞う。
そして巨大な口を開け、莫大な魔力を溜めだす。
空中から一方的に攻撃を仕掛けてくるつもりなのだろう。
けれど甘い。
空中にいる敵と戦ったことは、一度や二度ではない。
俺は大地を蹴り飛び上がった後、さらに空を蹴り、空中を加速しながら駆けあがっていく。
そして俺はアースドラゴンに向け、剣を振り下ろした。
「クラディウス・アーツ流、一の型――天地」
シュンと、いとも容易くアースドラゴンの体が真っ二つになる。
同時にアースドラゴンの口に溜まっていた莫大な魔力が行き場をなくし、盛大な爆発を生み出した。
その爆風を背に受けるようにして、俺は無事に着地する。
アースドラゴンの討伐完了を確認した俺は、残りのワイバーンも全て倒しティナたちと合流した。
比較的といったのは、普通のパーティなら壊滅しそうなBランク以上の魔物に何度か遭遇したが、このパーティの前では全く敵ではなかったからだ。
自分で言うのもなんだが、少し強すぎる。
そんなこんなで、王都を出発してから四日後。
予定よりずいぶん早く、俺たちはラピス遺跡のすぐ近くにあるピスタ村に辿り着こうとしていた。
村まであと数キロと迫った時、俺とレオノーラは同時に立ち上がった。
「この気配は……」
「うん、魔物がいるな。それも大量に!」
俺の物理感知と、レオノーラの魔力感知が大量の魔物の気配を捉えたのだ。
僅かに遅れて、ティナとユナも気付く。
「急ぐぞ!」
俺たちは馬車を降りて、身一つで駆け出した。
ものの数十秒で辿り着いたその場所には、目を疑うような光景が広がっていた。
「この魔物たちは!」
「ワイバーンですね!」
体長3メートル近くにも及ぶ怪鳥――Aランク魔物ワイバーンの群れがそこには存在していた。
数は100体を超えているだろうか。
これだけでも相当な脅威だが、それだけでは終わらなかった。
ワイバーンの群れの先にあるピスタ村から、ワイバーンを超える強力な気配を感じる。
どうやら急ぐ必要があるみたいだ。
しかしワイバーンも放っておけない。
俺はすぐさま、二手に分かれるべきだと判断した。
「レオノーラとティナはワイバーンの群れの討伐にあたれ! 俺とユナは先にピスタ村に向かう!」
「ああ!」「はい!」「うん!」
大規模魔術が得意な二人を残すという意図を三人とも理解してくれたようだ。
了承の言葉をもらった後、俺とユナはワイバーンの群れの中を駆けて行った。
俺の速度とユナの防御力をもってすれば、被害を受けることなく突破するのは容易い。
そうして辿り着いたピスタ村は、悲惨な状態だった。
家屋は潰され、人々が必死になって逃げまどっている。
そんな中、一際目立つ巨大な魔物が存在していた。
体長10メートルを超える巨躯を持つ、茶色の鱗に覆われた最強の竜種――アースドラゴン。
Sランク上位の、国の騎士団が総出で立ち向かい、半数が犠牲になってようやく討伐できるレベルの敵だ。
「どうしてそんな魔物がこんなところに……」
ラピス遺跡にはAランク以上の魔物がいるとは聞いていたが、最深部に生息しており、外に出てくることはないはずだ。
ということはあの魔物は外部から現れたと考えるのが自然だろう。
何はともあれ、いつまでも思考していられる余裕はなかった。
一時的に動きを止めていたアースドラゴンが再び動き出したからだ。
逃げ遅れた人々が集まる場所に向かい、雄叫びを上げながら進行していく。
「グォォォオオオオオオオオオオオオ!」
大地が震え、鼓膜が破れそうになるほどの巨大な雄叫び。
この環境で声は通らないと判断した俺は、アイコンタクトでユナに指示を出す。
――俺がアースドラゴンを倒す。ユナは人々を守ってくれ。
こくりと、ユナが頷く。
それを確認した俺は剣を構え、高速でアースドラゴンに迫る。
「――――喰らえ」
背後から放たれた鋭い斬撃。
だが、アースドラゴンはその巨体に見合わない素早い動きで斬撃を回避する。
しかしその程度は織り込み済み。
俺はアースドラゴンの懐に潜り込むと、胴体目掛けて剣を振り上げる。
「はぁあああ!」
「グルァァアアア!」
切り裂かれた胴体から勢いよく血飛沫が上がる。
アースドラゴンは完全に俺をターゲットに定めたのか、二つの金色の目で見下ろしてくる。
相手がどんな行動を起こすのか注意しながらも、俺は連撃を加えていく。
そんな俺たちの戦いぶりを見た村人たちは、各々に驚愕の声を上げていく。
「な、何が起きてるんだ? あの少年がアースドラゴンと戦っているのか?」
「最上級魔術でも傷一つ付かないような相手だぞ!? あんな訳の分からない武器で勝てるはずない!」
「でも、ちょっとずつ押していってるような……」
動揺と驚愕に支配された村人たちのもとにユナが合流する。
「安心して! もう大丈夫だよ! ルークならあの程度の魔物、簡単に倒して見せるから!」
「あ、貴女も彼の仲間なのですか? ――危ない、ワイバーンが後ろに!」
「平気だよ。気付いてるから――えいっ!」
「ギャウッ!?」
ドンッ、という鈍重な音と共に、ワイバーンの断末魔が聞こえる。
ユナは問題なく他のワイバーンを倒してくれているようだ。
「なら、こっちも頑張らなくちゃな」
この一分足らずの攻防で理解した。
アースドラゴンは確かに強力だが、俺の敵ではない。
力も、反射速度も、勘も、全てにおいて俺を下回っている。
「グルゥ、グラァァアアアアアアア」
「――む」
アースドラゴンは真正面から立ち向かっても俺に勝ち目がないと悟ったのか、自身のみが持つ翼を羽ばたかせ空高く舞う。
そして巨大な口を開け、莫大な魔力を溜めだす。
空中から一方的に攻撃を仕掛けてくるつもりなのだろう。
けれど甘い。
空中にいる敵と戦ったことは、一度や二度ではない。
俺は大地を蹴り飛び上がった後、さらに空を蹴り、空中を加速しながら駆けあがっていく。
そして俺はアースドラゴンに向け、剣を振り下ろした。
「クラディウス・アーツ流、一の型――天地」
シュンと、いとも容易くアースドラゴンの体が真っ二つになる。
同時にアースドラゴンの口に溜まっていた莫大な魔力が行き場をなくし、盛大な爆発を生み出した。
その爆風を背に受けるようにして、俺は無事に着地する。
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