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第31話:デルオルス連邦陥落
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デルオルス連邦・国境防衛線――。
怒涛の咆哮が夜空を裂いた。
天を這うような巨影――蘇りし災厄、屍竜《ガルザイル》。
その全身からあふれ出る瘴気が、土地を腐らせ、空気を焦がす。
「戦神装甲部隊、展開完了! 全砲、照準をあの屍竜の核に合わせろ!」
司令官の号令と共に、機械と魔導の融合兵装たちが唸りをあげた。
連邦が誇る《戦神装甲部隊》――その砲列が一斉に火を噴く。
咆哮、衝撃、閃光。
何十という魔導砲弾が、ガルザイルの胸部を貫かんと襲いかかる。
だが。
「……まだ生きている?」
副官が呟いた瞬間、竜の体が黒煙を巻き起こしながら揺れ動いた。
「核が……移動しているだと……!? 馬鹿なそんなことが……!」
「だがダメージはある!撃ち続ければ必ず核も砕ける。撃ちまくれ!!」
その叫びより早く、ガルザイルが翼を広げた。
バサァァアア――ン!
腐敗した空気が津波のように押し寄せ、前線は一気に崩壊した。
「逃げていくぞ! 方向は――グラディア帝国領!」
空に向かって飛び去るガルザイル。その翼はもはや骨の残骸と化していたが、それでもなお、瘴気の浮力で飛行を可能にしていた。
「追うぞ!必ず墜とすんだ!あのままでは、グラディアが襲われる!」
ハルヴァインがそう命じると兵は追跡を始めた。
グラディア帝国との国境付近、荒廃した大地を抜けた先。
星明りすら霞む瘴気の霧の中を、連邦の追撃部隊が進軍していた。
戦神装甲を中心に編成された、精鋭千名超。
その先頭には、王自ら騎馬を駆る姿があった。
「……妙だな。屍竜の飛行痕はこの先に続いているのに、反応がない」
ハルヴァインは馬を止め、周囲を見渡す。
気配が重い。音がない。まるで――
「まさか伏兵か?陣形を乱すな、警戒を最大に!」
だが、警告は一瞬遅かった。
林の奥から咆哮が響いた。
割って現れたのは、黒衣に身を包んだ者たち
「黒の軍団……!」
「包囲されている!前後左右、すべての林から敵!」
副官が叫ぶ中、ハルヴァインは剣を抜いた。
「全員、臆するな!これは試練だ。ここを超えねば、国の未来はない!」
戦神装甲の砲撃が火を噴き、爆音が大地を揺らす。
だが、黒の軍団は炎をも恐れず、兵たちの間へと突撃してくる。
「王よ、後方へ!前線は我々が――!」
「……退かぬ。私もまた兵の一人だ。王である前に、戦士としてここに立つ」
ハルヴァインは冷静に剣を振るい敵を薙ぎ払う。
だが、軍団の数は膨大で、次第に味方の戦線が押され始める。
そのとき――
「……後ろ、空が――!」
誰かの叫びと共に、夜空から巨大な影が降りてきた。
それは、腐りかけた翼を広げたまま、雷鳴のような咆哮と共に舞い戻ってきた屍竜・ガルザイルだった。
「くそ……あれも陽動だったか」
ハルヴァインの額から汗が流れる。
「伝令を出せ。グラディアに連絡を。……もはやこれは、国家単位の戦争だ」
彼は剣を構え直し、怒号と共に前進する。
崖上の断崖。
黒い霧に沈む戦場を見下ろしながら、カインは静かに風を感じていた。
下方では、デルオルス連邦の戦神装甲部隊が黒の軍団と激突し、火柱と悲鳴が交錯している。その上空には、復活した屍竜ガルザイルが旋回しながら、瘴気を撒き散らしていた。
隣に立つアリアが、やや感嘆混じりに言う。
「まさか……王が自ら軍を率いてくるとはな。連邦の誇りか、それとも焦りか」
カインは短く息を吐き、ガルザイルの姿を見据えたまま呟く。
「……焦りだろう。ガルザイルという災厄に対して、平静を保てる者など少ない」
その口調は冷静で、むしろどこか哀れみすら含んでいた。
「本来、王とは国を守る者。だが今の彼は……国を離れてまで討ち取ろうとした」
カインは目を細める。屍竜の咆哮が、遠雷のように響いた。
「感情が先に動けば、戦は破れる。討つべき対象を前にして冷静さを欠いた。それが、王であれ誰であれ……同じことだ」
カインは腰の剣に手を添える。
「怒りに任せて剣を振るうだけなら、獣でもできる。
俺たちは、意志を持って戦うべきだ。次の世界のために」
遠くで、戦神装甲が倒れ砲塔が沈む。
カインは静かに背を向ける。
「……まずはデルオルス連邦。落とさせてもらうぞ」
そして彼は、山道を下りていった。
爆ぜる火花、倒れる巨兵。
連邦軍最後の戦神装甲が崩れ落ちると同時に、戦場は静寂に包まれた。
重々しい足音が、破壊の跡を踏みしめながら響く。
その中央を、ただ一人の男が歩いてくる。
カイン――
かつて王国に忠誠を誓い、今や黒の軍団を率いる反逆の象徴。
その姿を見て、残存兵たちは本能的に後退した。
だが一人だけ、背を向けずに立ちはだかる者がいた。
ハルヴァイン。デルオルス連邦の王。
血に塗れた軍装をまとい、破損した槍を杖代わりに構え直す。
彼の双眸は、なおも炎を失っていなかった。
「……貴様が、カインか?」
「その通りだ。王の名を掲げる者が雑兵に討たれては様にならんだろう。その首、この俺が直々に貰い受けよう」
カインはゆっくりと剣を抜く。
ガルザイルの牙から鍛えられた、黒き神罰の刃《レグナ=ファング》。
ハルヴァインが槍を構え直した。
「我が軍を……この国を踏みにじっておいて、生かして帰ると思うなよ」
「御託はいい。誇りを持ったまま死ね」
カインは一歩踏み出し、冷ややかに言い放つ。
言葉が終わると同時に、二つの影が火花の中で交差した。
槍と剣がぶつかり合う激突音が、戦場に残された兵たちの鼓膜を震わせる。
ハルヴァインの一撃は、神速の突き。
長年の戦場で培った武勇が、それに裏付けられていた。
だがカインの動きは、それを上回った。
一瞬の剣閃が、槍の刃を断ち、さらにその隙を斬り裂く。
「――ぐっ……!」
ハルヴァインの胸に、深く斬り込んだ黒き閃光。
彼は膝をつき、血を吐きながら、それでもなおカインを睨んでいた。
「……カイン……なぜ……お前ほどの男が……なぜ王に牙を剥いた……何が……そこまでさせた……?」
その問いに、カインはしばらく黙したまま立ち尽くしていた。
やがてゆっくりと顔を上げ見下ろす。
「……それを問う前に、お前たちは考え直すべきだった。
誰の命を、誰の尊厳を、誰の未来を……奪ってきたのかを」
一歩、また一歩と近づくカインの声には、怒りも悲しみもなかった。
ただ、静かな覚悟と、揺るがぬ意志だけがあった。
「俺は反逆者じゃない。
勝手にこの世界が――俺たちを敵と呼んだだけだ」
ハルヴァインの手が力なく床に落ちた。
そのまま、何も言わず、二度と動くことはなかった。
――デルオルス連邦、陥落。
怒涛の咆哮が夜空を裂いた。
天を這うような巨影――蘇りし災厄、屍竜《ガルザイル》。
その全身からあふれ出る瘴気が、土地を腐らせ、空気を焦がす。
「戦神装甲部隊、展開完了! 全砲、照準をあの屍竜の核に合わせろ!」
司令官の号令と共に、機械と魔導の融合兵装たちが唸りをあげた。
連邦が誇る《戦神装甲部隊》――その砲列が一斉に火を噴く。
咆哮、衝撃、閃光。
何十という魔導砲弾が、ガルザイルの胸部を貫かんと襲いかかる。
だが。
「……まだ生きている?」
副官が呟いた瞬間、竜の体が黒煙を巻き起こしながら揺れ動いた。
「核が……移動しているだと……!? 馬鹿なそんなことが……!」
「だがダメージはある!撃ち続ければ必ず核も砕ける。撃ちまくれ!!」
その叫びより早く、ガルザイルが翼を広げた。
バサァァアア――ン!
腐敗した空気が津波のように押し寄せ、前線は一気に崩壊した。
「逃げていくぞ! 方向は――グラディア帝国領!」
空に向かって飛び去るガルザイル。その翼はもはや骨の残骸と化していたが、それでもなお、瘴気の浮力で飛行を可能にしていた。
「追うぞ!必ず墜とすんだ!あのままでは、グラディアが襲われる!」
ハルヴァインがそう命じると兵は追跡を始めた。
グラディア帝国との国境付近、荒廃した大地を抜けた先。
星明りすら霞む瘴気の霧の中を、連邦の追撃部隊が進軍していた。
戦神装甲を中心に編成された、精鋭千名超。
その先頭には、王自ら騎馬を駆る姿があった。
「……妙だな。屍竜の飛行痕はこの先に続いているのに、反応がない」
ハルヴァインは馬を止め、周囲を見渡す。
気配が重い。音がない。まるで――
「まさか伏兵か?陣形を乱すな、警戒を最大に!」
だが、警告は一瞬遅かった。
林の奥から咆哮が響いた。
割って現れたのは、黒衣に身を包んだ者たち
「黒の軍団……!」
「包囲されている!前後左右、すべての林から敵!」
副官が叫ぶ中、ハルヴァインは剣を抜いた。
「全員、臆するな!これは試練だ。ここを超えねば、国の未来はない!」
戦神装甲の砲撃が火を噴き、爆音が大地を揺らす。
だが、黒の軍団は炎をも恐れず、兵たちの間へと突撃してくる。
「王よ、後方へ!前線は我々が――!」
「……退かぬ。私もまた兵の一人だ。王である前に、戦士としてここに立つ」
ハルヴァインは冷静に剣を振るい敵を薙ぎ払う。
だが、軍団の数は膨大で、次第に味方の戦線が押され始める。
そのとき――
「……後ろ、空が――!」
誰かの叫びと共に、夜空から巨大な影が降りてきた。
それは、腐りかけた翼を広げたまま、雷鳴のような咆哮と共に舞い戻ってきた屍竜・ガルザイルだった。
「くそ……あれも陽動だったか」
ハルヴァインの額から汗が流れる。
「伝令を出せ。グラディアに連絡を。……もはやこれは、国家単位の戦争だ」
彼は剣を構え直し、怒号と共に前進する。
崖上の断崖。
黒い霧に沈む戦場を見下ろしながら、カインは静かに風を感じていた。
下方では、デルオルス連邦の戦神装甲部隊が黒の軍団と激突し、火柱と悲鳴が交錯している。その上空には、復活した屍竜ガルザイルが旋回しながら、瘴気を撒き散らしていた。
隣に立つアリアが、やや感嘆混じりに言う。
「まさか……王が自ら軍を率いてくるとはな。連邦の誇りか、それとも焦りか」
カインは短く息を吐き、ガルザイルの姿を見据えたまま呟く。
「……焦りだろう。ガルザイルという災厄に対して、平静を保てる者など少ない」
その口調は冷静で、むしろどこか哀れみすら含んでいた。
「本来、王とは国を守る者。だが今の彼は……国を離れてまで討ち取ろうとした」
カインは目を細める。屍竜の咆哮が、遠雷のように響いた。
「感情が先に動けば、戦は破れる。討つべき対象を前にして冷静さを欠いた。それが、王であれ誰であれ……同じことだ」
カインは腰の剣に手を添える。
「怒りに任せて剣を振るうだけなら、獣でもできる。
俺たちは、意志を持って戦うべきだ。次の世界のために」
遠くで、戦神装甲が倒れ砲塔が沈む。
カインは静かに背を向ける。
「……まずはデルオルス連邦。落とさせてもらうぞ」
そして彼は、山道を下りていった。
爆ぜる火花、倒れる巨兵。
連邦軍最後の戦神装甲が崩れ落ちると同時に、戦場は静寂に包まれた。
重々しい足音が、破壊の跡を踏みしめながら響く。
その中央を、ただ一人の男が歩いてくる。
カイン――
かつて王国に忠誠を誓い、今や黒の軍団を率いる反逆の象徴。
その姿を見て、残存兵たちは本能的に後退した。
だが一人だけ、背を向けずに立ちはだかる者がいた。
ハルヴァイン。デルオルス連邦の王。
血に塗れた軍装をまとい、破損した槍を杖代わりに構え直す。
彼の双眸は、なおも炎を失っていなかった。
「……貴様が、カインか?」
「その通りだ。王の名を掲げる者が雑兵に討たれては様にならんだろう。その首、この俺が直々に貰い受けよう」
カインはゆっくりと剣を抜く。
ガルザイルの牙から鍛えられた、黒き神罰の刃《レグナ=ファング》。
ハルヴァインが槍を構え直した。
「我が軍を……この国を踏みにじっておいて、生かして帰ると思うなよ」
「御託はいい。誇りを持ったまま死ね」
カインは一歩踏み出し、冷ややかに言い放つ。
言葉が終わると同時に、二つの影が火花の中で交差した。
槍と剣がぶつかり合う激突音が、戦場に残された兵たちの鼓膜を震わせる。
ハルヴァインの一撃は、神速の突き。
長年の戦場で培った武勇が、それに裏付けられていた。
だがカインの動きは、それを上回った。
一瞬の剣閃が、槍の刃を断ち、さらにその隙を斬り裂く。
「――ぐっ……!」
ハルヴァインの胸に、深く斬り込んだ黒き閃光。
彼は膝をつき、血を吐きながら、それでもなおカインを睨んでいた。
「……カイン……なぜ……お前ほどの男が……なぜ王に牙を剥いた……何が……そこまでさせた……?」
その問いに、カインはしばらく黙したまま立ち尽くしていた。
やがてゆっくりと顔を上げ見下ろす。
「……それを問う前に、お前たちは考え直すべきだった。
誰の命を、誰の尊厳を、誰の未来を……奪ってきたのかを」
一歩、また一歩と近づくカインの声には、怒りも悲しみもなかった。
ただ、静かな覚悟と、揺るがぬ意志だけがあった。
「俺は反逆者じゃない。
勝手にこの世界が――俺たちを敵と呼んだだけだ」
ハルヴァインの手が力なく床に落ちた。
そのまま、何も言わず、二度と動くことはなかった。
――デルオルス連邦、陥落。
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