3 / 30
0章 プロローグ
女神とスキル②
しおりを挟む
『さて、トキトウさん。少し真面目な話に入らせて頂いても?』
「あ、はい。大丈夫です。すみません。」
(え?全然ふざけてるつもりは無かったんだけど…いきなり異世界転生モノーとかまずかったかな…)
『ここは【狭間の楽園】と呼ばれる場所です。
我らが住む天界から繋がっており、世界と世界を繋ぎ、管理するための場所となっております。』
「はぁ…。狭間の楽園ですか。」
『はい。そうです。
…貴方に分かりやすく言えば二つの世界を管理するための管理事務所みたいな物です。』
「分かりやすい例えです。ありがとうございます。」
(管理事務所ね。俺の仕事まで知ってそうだな、これは。)
『本来であればここには管理者となる我々以外に立ち入る事はありません。今回のこのケースは大変イレギュラーな事態であると言えます。』
「はぁ。そうなんですか。なんか…申し訳ありません。」
『いえ…別に怒ってる訳ではありません。ただ、どのようにしてこの場所にいらっしゃったのですか?それだけ教えて頂きたいです。』
「はい。といっても私はただ道端に空いていた穴をマンホールか何かなのかなと思って覗き込んだだけでして…
次の瞬間にはその穴に吸い込まれて、気付けばここに来ておりました。
もっとも、多少酔っていたこともありただ足を踏み外しただけなのかもしれませんが…」
改めて言葉にしてみると我ながら滑稽なことを言っているなとは思う。
ただ、事実ではあるのでそのまま伝えざるを得ない。
そんなに酔ってなかったとは思うけど…
『穴ですか?道端に?
その穴に吸い込まれたらここにいたと?』
「はい…。」
(え…やっぱりなんか怒ってます?俺なにかやらかしましたか?)
『事実ですか?』
「ま、紛うことなき事実で御座います。」
『…ありがとうございます。』
そういうとルミエールはくるりと後ろを振り返った。
『クロノエル!…クロノエル!!
……クー!ロー!ノー!エーーーール!!!』
後ろ向きのため表情は伺えないが、明らかにブチギレ…もとい、お怒りの声で叫んでいる。
(あぁ…昔、夏休みの最終日に宿題を引っ張り出してきた時の般若のような母の顔を思い出すなぁ…。)
『はい!はい!クロノエルで御座います!
姉様!何かまたお怒りを買いましたでしょうか…』
奥の方からこれもまた美少女が声をあげながら、4枚の羽を羽ばたかせてこちらに飛んできている。
顔は既に半べそ状態。
あぁ…なんとなく既視感がある。
きっとこれからたっぷりとお叱りを受けるんだろうな…
ありし夏の日の、小さな俺のように…
「あ、はい。大丈夫です。すみません。」
(え?全然ふざけてるつもりは無かったんだけど…いきなり異世界転生モノーとかまずかったかな…)
『ここは【狭間の楽園】と呼ばれる場所です。
我らが住む天界から繋がっており、世界と世界を繋ぎ、管理するための場所となっております。』
「はぁ…。狭間の楽園ですか。」
『はい。そうです。
…貴方に分かりやすく言えば二つの世界を管理するための管理事務所みたいな物です。』
「分かりやすい例えです。ありがとうございます。」
(管理事務所ね。俺の仕事まで知ってそうだな、これは。)
『本来であればここには管理者となる我々以外に立ち入る事はありません。今回のこのケースは大変イレギュラーな事態であると言えます。』
「はぁ。そうなんですか。なんか…申し訳ありません。」
『いえ…別に怒ってる訳ではありません。ただ、どのようにしてこの場所にいらっしゃったのですか?それだけ教えて頂きたいです。』
「はい。といっても私はただ道端に空いていた穴をマンホールか何かなのかなと思って覗き込んだだけでして…
次の瞬間にはその穴に吸い込まれて、気付けばここに来ておりました。
もっとも、多少酔っていたこともありただ足を踏み外しただけなのかもしれませんが…」
改めて言葉にしてみると我ながら滑稽なことを言っているなとは思う。
ただ、事実ではあるのでそのまま伝えざるを得ない。
そんなに酔ってなかったとは思うけど…
『穴ですか?道端に?
その穴に吸い込まれたらここにいたと?』
「はい…。」
(え…やっぱりなんか怒ってます?俺なにかやらかしましたか?)
『事実ですか?』
「ま、紛うことなき事実で御座います。」
『…ありがとうございます。』
そういうとルミエールはくるりと後ろを振り返った。
『クロノエル!…クロノエル!!
……クー!ロー!ノー!エーーーール!!!』
後ろ向きのため表情は伺えないが、明らかにブチギレ…もとい、お怒りの声で叫んでいる。
(あぁ…昔、夏休みの最終日に宿題を引っ張り出してきた時の般若のような母の顔を思い出すなぁ…。)
『はい!はい!クロノエルで御座います!
姉様!何かまたお怒りを買いましたでしょうか…』
奥の方からこれもまた美少女が声をあげながら、4枚の羽を羽ばたかせてこちらに飛んできている。
顔は既に半べそ状態。
あぁ…なんとなく既視感がある。
きっとこれからたっぷりとお叱りを受けるんだろうな…
ありし夏の日の、小さな俺のように…
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる