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0章 プロローグ
女神とスキル③
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『クロノエル!今回の渡しの儀の担当は貴女で間違いありませんか?』
『は、はい!お姉様!私めの担当でございます!
な、なにか不備がございましたでしょうか。』
『どのゲートを繋ぎましたか?』
『今回はミッドナイト・ゲートで御座います。』
『…座標を確認してきなさい。』
『はい?』
(あ…絶対にしてはいけない返事の仕方だ。)
『すぐに!座標を!確認してきなさい!クロノエル!!』
『はいーーー!かしこまりましたぁぁぁーーー!』
(ほら怒られた。)
まるで母と子のような、新入社員と部長のようなやり取りを前に、冷静に観察している自分がいた。
ミッドナイトゲート?
厨二病をくすぐるようなワードだが、烈火の如くお怒りの美少女に話を振れるわけもなく、上官を前にした二等兵さながらのように、俺は直立不動で立ち尽くしていた。
すると、先ほど呼ばれた時と同じように…いや、それ以上に真っ青な顔をした、クロノエルと呼ばれた天使が戻ってきた。
『…ゴニョゴニョ』
『なんですか?』
『…ボソボソボソ』
『はっきりと報告なさい!クロノエル!!』
『はひ!座標の正負を間違えておりましたぁぁぁ。』
(正負?プラスマイナスって事か??
あぁー、分かるわぁ。某人気のクリエイトゲームで俺もたまに間違えるわー。
+500/-500に家建てたのに、-500/+500の地点を家がない、家がないと彷徨って…
実際にはとんでもない距離の真反対のところを探してるってやつね。)
『あれほど座標点の確定の際には確認しろと言いましたね?』
『…はい。』
『ゲートが開いた際にも、場所の間違いがないか…開き始めのゲートの存在を確認しろと言いましたね?』
『……はひ。』
『万が一の事を考慮し、ゲートが開いている間は常にモニタリングをしろと言いましたね?』
『………ぃ。』
(蚊の鳴くような声ってこの子の今の返事みたいな事言うんだろうな。)
『…貴女は取り返しのつかない事をしました。
少なくとも今回は私がいくら頭を下げても、到底庇い切れる物ではありませんよ…まったく…』
もはや4枚羽の天使はこれ以上ないくらい体を小さくして、青ざめた顔をしている。
『…という訳で、トキトウさん。』
急にルミエールがこちらに顔を向けてきた。
「はい。」
(なにが『というわけで』ですか?とは恐ろしくてツッコミ出来ないな…)
『やはり貴方はこちらの不手際でここに来てしまったようです。』
「はぁ…」
『誠に伝えにくいのですが…あちらの世界に戻ることは難しいと言わざるを得ない状況です。』
(あー、【あちらの世界】が俺がいた世界なのか。
て事はこの天使たちは地球の天使とか神様ではないのか。)
「なるほど。そうすると、私は死んだという扱いになりますか?」
『いえ…非常に伝えにくいのですが…存在そのものがないという形になります。』
『は、はい!お姉様!私めの担当でございます!
な、なにか不備がございましたでしょうか。』
『どのゲートを繋ぎましたか?』
『今回はミッドナイト・ゲートで御座います。』
『…座標を確認してきなさい。』
『はい?』
(あ…絶対にしてはいけない返事の仕方だ。)
『すぐに!座標を!確認してきなさい!クロノエル!!』
『はいーーー!かしこまりましたぁぁぁーーー!』
(ほら怒られた。)
まるで母と子のような、新入社員と部長のようなやり取りを前に、冷静に観察している自分がいた。
ミッドナイトゲート?
厨二病をくすぐるようなワードだが、烈火の如くお怒りの美少女に話を振れるわけもなく、上官を前にした二等兵さながらのように、俺は直立不動で立ち尽くしていた。
すると、先ほど呼ばれた時と同じように…いや、それ以上に真っ青な顔をした、クロノエルと呼ばれた天使が戻ってきた。
『…ゴニョゴニョ』
『なんですか?』
『…ボソボソボソ』
『はっきりと報告なさい!クロノエル!!』
『はひ!座標の正負を間違えておりましたぁぁぁ。』
(正負?プラスマイナスって事か??
あぁー、分かるわぁ。某人気のクリエイトゲームで俺もたまに間違えるわー。
+500/-500に家建てたのに、-500/+500の地点を家がない、家がないと彷徨って…
実際にはとんでもない距離の真反対のところを探してるってやつね。)
『あれほど座標点の確定の際には確認しろと言いましたね?』
『…はい。』
『ゲートが開いた際にも、場所の間違いがないか…開き始めのゲートの存在を確認しろと言いましたね?』
『……はひ。』
『万が一の事を考慮し、ゲートが開いている間は常にモニタリングをしろと言いましたね?』
『………ぃ。』
(蚊の鳴くような声ってこの子の今の返事みたいな事言うんだろうな。)
『…貴女は取り返しのつかない事をしました。
少なくとも今回は私がいくら頭を下げても、到底庇い切れる物ではありませんよ…まったく…』
もはや4枚羽の天使はこれ以上ないくらい体を小さくして、青ざめた顔をしている。
『…という訳で、トキトウさん。』
急にルミエールがこちらに顔を向けてきた。
「はい。」
(なにが『というわけで』ですか?とは恐ろしくてツッコミ出来ないな…)
『やはり貴方はこちらの不手際でここに来てしまったようです。』
「はぁ…」
『誠に伝えにくいのですが…あちらの世界に戻ることは難しいと言わざるを得ない状況です。』
(あー、【あちらの世界】が俺がいた世界なのか。
て事はこの天使たちは地球の天使とか神様ではないのか。)
「なるほど。そうすると、私は死んだという扱いになりますか?」
『いえ…非常に伝えにくいのですが…存在そのものがないという形になります。』
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