ありきたりの異世界転生〜ラーニングスキルで異世界領主が世界を救う！？〜

0章 プロローグ

女神とスキル⑥

『こちらに非があるにも関わらずお心遣いのあるお言葉、ありがたく思います。
まずは神に説明をして参りますので、沙汰の方はおってご案内致します。』



そういうともう一度ルミエールは俺に向かって頭を下げた。



『さて…』


くるりとルミエールが俺に懐に目を向ける。


そこには未だ泣き止まない天使がいた。



『クロノエル。分かっていますね。』


ビクッ！と懐の中の天使は体を震わせた。


『…貴女は処刑となるでしょう。』


しょけい？…処刑？？


『…はい。お姉様。最後までご迷惑ばかりをお掛けして申し訳ありませんでした。

クロノエルはお姉様の妹でいれて、とてもっ…とてもっ…幸せでしたぁぁぁー。』


そう言うと再び泣き始めてしまった。


「ちょっ…ちょっと待ってください！」


見るにみかね、聞くに耐えず、思わず俺は声をあげてしまった。


処刑っていわゆるアレだよね、首スパーンみたいな。
火炙りーみたいな。


ダメダメダメ！


ミスじゃん！ただのケアレスミス！


プラスとマイナス間違えて、ちょっと状況見落として、そのまま放置しちゃっただけ…
（あれ？割とミスってるか。
って、今はそんな事言ってる場合じゃない！）


そんなミス一つで処刑なんてダメダメ！


今どきそんな精神論満載のブラック企業流行らないんですって！！


まして中高生くらいの子にそんな思いはさせられない！
（この子も天使様だから年齢は分からんけど…）


思わず声をあげた俺にルミエールは問いかけた。


『何故庇うのですか？
クロノエルのせいで貴方は死人よりも酷い目にあってしまっているのですよ？』


「いえ！もう気にしてません！気にしても意味ないので！
この子が処刑されても俺は生き返りませんよね？
…あ、そもそも別に死んでないのか。

あーもう、なんでもいいや！ともかく処刑はなんとかなりませんか！！」


必死に声を荒げる俺に、さらにおいおいと泣いているクロノエル。


そんな二人を見てルミエールは言葉を紡いだ。