麗しの超人お姫様はへっぽこ竜を溺愛する〜今さら無理とか言わせません。育てた責任とってもらうわ〜

ナカナカ田

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11 引き続きリザのお兄さま視点

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竜の姿で出来損ないリザルドラのいる谷へ行くと、森の周辺を含め大騒ぎになって面倒くさいので、オレは人型をとっていた。

そして、いつも通り1人ですることもないヤツをいじめる為、からかってやろうと声をかけると、返ってきたのは棒切れでの攻撃だった。なかなか素早いもので、最初の数撃は当たってしまった。

だが、なんといってもその攻撃は軽かった。いくらか当たっても、そもそも頑丈なオレからすれば、防御なんぞしなくても痛くも痒くもない。
数撃もすると、攻撃の流れも読めてきて難なく躱せるようになった。

しかし、内心少し驚いていた。
攻撃してくるチビはどうも人間だ。
竜族のエリートであるオレに、初見とはいえ数撃当ててくるとは。700年生きているが、めったにないことだった。
ーーそんなことができる人物は、人間の世界では勇者や剣聖と呼ばれているレベルであるーー

(これは少しからかってやろう)
どうも、このチビはグズリザルドラに対するオレの態度で怒っているようだ。
それなら、ちょっとソコをつついてやればいい。

「おっ。なんだ、チビ。もう終わりか?やっぱり出来損ないの周りには、出来損ないしかいないんだな~」

そう言ってやると、一旦落ち着いたかに思えたチビが、またものすごい勢いで迫ってきた。

小さな体で器用に棒切れを振り回してくるが、チビの動きにもオレは随分慣れてきた。もう攻撃が当たることはないだろう。

(よけて遊ぶのもそろそろ飽きてきたな)

そう思い、オレはこの遊びを終わらせるべく攻撃に転じることにした。

(さっきは蹴りだったからな。…次は殴ってみるか)

「そらよっと」

軽い気持ちで殴りかかれば、

「!」

なんと避けられた。
これには驚いた。

「なんだ。竜族といっても大したことないな」

フッとバカにしたようにチビに言われたものだから、ついカッとなって気づけばチビの足をつかんで投げ飛ばしていた。

ドカーン!とそれなりにいい音がした。

「なんてことするんだ!兄さん!」

かつてないほど怒った声でグズリザルドラ
が叫んだ。

「フィアは人間だって言ったじゃないか!しかも女の子だって!」

チビの方にかけ寄りながら、半ベソをかいている。
竜の姿では不便だと思ったのか、人型になりチビを抱き起こしている。

「フィア、フィア、大丈夫?ボクの声が聞こえる?あぁぁ、血が出てる!」

リザルドラの腕の中でチビがグッタリとしていた。

「フィ、フィアは大丈夫なのかい⁉︎」

「う、動かないぜ」

それまで、遠まきに見ていた鳥とヤギもやってきた。

3人ーー3匹ともいうーーに睨まれ、多少の居心地の悪さと罪悪感を感じる。

(確かに大人げなかったな)

グッタリした様子のチビを見て、冷静に思う。

ツカツカと近づいて行けば、

「なっ、何する気⁉︎フィアはもう動けないよっ!」

チビをかばうようにリザルドラがチビを隠す。

「悪かったって。思ったより楽しめたから、ついやっちまったんだ。治してやるから、そのチビ見せろよ」

そう言うと、驚いた顔でリザルドラがオレを見た。

そして少し考える素振りをしてすぐ、

「わかった。お願いする。くれぐれも、丁寧に扱ってね」

真剣な顔で念を押してきた。

(治癒魔法ってあんま得意じゃないんだけどなー…ま。なんとかなるだろ)

そう思いながら、オレはチビに治癒魔法をかけた。

しばらくすると、グッタリした様子なのが普通に寝ている風になり、やがて目をあけた。

「オラ、これでいいんだろ」

内心ホッとしながら、オレはチビから離れる。

「フィア!フィア!よかった!大丈夫?痛いところはない?」

その隣で過保護な母親よろしくリザルドラがチビを抱き抱えている。

気づけばオレのイライラは、すっかりどこかへ消え失せていた。
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