29 / 37
第四章 海藤ベイビーがやってきたの巻
第二十八話 合わなくなった服のsize
しおりを挟む
「あ……」
つわりがおさまりつつあったある日、着替えていてスカートのホックを止めようとして首をかしげた。このスカート、前に着た時はそんなことなかったのに、今日はウエストがきつい。お腹を引っ込めないと留められない、これはちょっと無理かも。
「お腹、大きくなってきたのかな……それともカニカマの食べすぎ?」
「愛海、そろそろ出掛ける時間……何してる?」
部屋に戻ってきた部長が、スカートのウエストを見下ろしていた私を見て、首をかしげている。
「ぶちょー……スカートがきつい……」
「そりゃお前、中にお一人様いるんだから、きつくならないとおかしいだろ」
「昨日まで何ともなかったんですよー? 急に大きくなったってこと?」
「俺に聞くな俺に」
横に来てお腹を確かめるように撫でてきて、ふむとさらに首をかしげた。
「まだ膨らみはそれほどじゃないな」
「……ウエストがなくなったかも」
「おー……」
「おー、じゃないです、確かめなくてもいいのっ」
ウエストを両手で確かめるように撫でるので軽くにらむ。分かっていてもショックなんだからね?
「あれだな、いよいよ妊婦さんらしくなっていくってことだろ?」
とっても嬉しそうにニマニマと笑みを浮かべているのが何気に腹が立んだよね。旦那様としては、妻が明らかに妊娠しているという状態になるのが、誇らしいらしいってのは分かるんだけどね。
そのままスカートをはくわけにもいかず、用意してあったウエストがゴムになった、ゆるいスカートを出してはいてみた。こっちはピッタリだ。おお、分からなかったけど体型が明らかに変わりつつあるのね。ちょっと感動しちゃう。赤ちゃん、確実にお腹の中で育っているんだなあ。そろそろ服は総替えになるかも。スカートに合わせて、上のブラウスもゆったりと着られるチュニックタイプのものに着替えた。
「いよいよ、マタニティ用の服が活躍する時が来たのか」
「みたいです。ってことは、そろそろ胎動も感じられるようになるかも」
「なるほど」
楽しみだなあとお腹をなでなでしている部長。お腹をポコポコ蹴るようになるのは、さらに先なんだけどね。職場では出産経験のある女性社員さん達は、すぐに私の変化に気がついたみたい。
「つわりも治まってきたんだったら、毎日どんどん大きくなっていくわよ」
「あら、私は出産直前に急に膨らんだ感じ」
「私は一日一日で凄く大きくなってた」
「つま先が見えなくなった時のショックって凄いわよね」
などなど、それぞれで違うんだね。部長と私の赤ちゃんはどんな感じで成長していくのかな。できたら小さく産まれてきて大きく育って欲しいんだけど。
「お腹が大きくなってきたら、ますます海藤部長の手がつけられなくなりそうよねえ。愛海ちゃん、ちゃんと手綱を握っておかなくちゃダメよ? あれは絶対に大暴走するタイプだわ」
「今でも充分に振り回されているんですよお、これ以上だなんて無理ぃ……」
「職場が別々の部署で良かったわよね。あんな過保護な旦那様になるとは思わなかったわ」
女性陣は、部長の豹変ぶりを愉快そうに観察しているらしく、別の部屋にいてそのことを直接見ていない私に、何があったのか色々と話してくれる。たまに長野部長にしつこく尋ねすぎて、“落ち着いて仕事ができん、お前も育児休暇とれ”と叱られているらしい。ほんと、すみません、長野部長。
「チュニックとレギンスも可愛いけど、ジーンズも買ってみた?」
「はい。ウエストに腹巻きみたいなのがついていて、もうちょっとお腹が大きくなったら、はこうかなって思ってます」
「足のむくみはどう?」
「んー……座ってばかりの作業を続けているとむくみが酷くなるんで、書類のお届けとかをやらせてもらってますよ。あっちこっちウロウロするなって部長がうるさいんですけどね。座ってばかりだと良くないからって、係長に説得してもらいました」
ここでまさかの係長の大活躍。部長より少し年上だけど、のんびり屋さんで自称スイーツをこよなく愛する中年サラリーマン。企画開発の現場から離れたくなくて、昇進の打診を蹴り続けてかなり経つらしく、本人は定年までここに居座るんだと断言している。
そして超美人の奥様と夫婦円満で、お子さん三人を育てているだけあって、妊婦さんについてと育児に関しての薀蓄は説得力がハンパない。このことに限らず、多分、部長と長野部長が太刀打ちできない、唯一の相手ではないかと思うんだよね。だから困った時はいつも、何とか部長を説得してくださいって係長にお願いしているの。そんなわけで、いろんな部署にお届け物をするのは私の仕事になった。もちろん重たいものは厳禁って条件つきなんだけど。
そのお陰か、社内でいろんな女性社員さん達とお話しする機会ができて、子育てのことなどいろいろと聞けて、すごく助かってるんだ。そしてお掃除のオバチャンにはあいかわらず飴ちゃんをもらってる。その日によってレモン味だったりソーダ味だったり。ただ最近ふと気になるんだよね、あのお掃除のオバチャン、何処かで見たことあるんだよなあって。何処でだろ?
+++++
朝のやり取りがあってから、部長はリビングでテレビを見ている時とかくつろいでいる時、私を膝に乗せてお腹を撫でることが多くなった。
「あのぅ……撫でたからって、早く大きくなるわけじゃないですよ?」
「そんなこと分かってるさ。ただ何となく撫でていたいだけだ。嫌か?」
「ううん、すごく気持ちいい。きっと赤ちゃんも同じこと思ってると思う」
「そうか」
ちょっと足がむくんでいたので、部長の膝から降りてソファの上で足を伸ばす。
「ひじ掛けのところにもたれて足を俺の膝の上に乗せてろ。少しはましだろう?」
「うん」
足の方が少しだけ高くなって楽になった。そうしたら部長はふくらはぎを撫で始める。
「そこはお腹じゃないですよお」
「分かってるよ」
そう返事すると、テレビを見ながら撫で続ける部長。その手が膝の裏から太腿へと移動していって、何だか別の意図を感じるんだけど。テレビ画面を見ていた部長が、いつの間にかこちらをジッと見つめている。
「愛し合うの、ダメか?」
そう言えば、つわりが始まってから愛し合ってないよね。先生は体調が落ち着いているなら、激しくしないってのを条件にOKは出してくれていたけれど。それに部長と一緒に健診に行った時、妊婦さんとその配偶者さんのための本っていうのも、もらっているんだ。その中には、どういうふうに愛し合うのが妊婦さんの負担にならないかってのが書かれてたの、しかも図解入りで。一緒に読むのはちょっと恥ずかしかったかな。
「ううん。私も部長と愛し合いたい」
「ベッドに行こうか」
「うん」
部長がテレビを消すと、私はソファから立ち上がって、二人で手をつなぎながら寝室へと向かった。
「なんだか照れちゃうね」
「久し振りだもんな」
「うん」
ベッドの上にあがると、キスをしながら二人で服を脱がし合う。体型が少し変わったせいもあって、なんだか恥ずかしいよって言ったら、私を部長は前よりも綺麗だぞって言ってくれた。そうなのかな? 部長がそう思ってくれているなら嬉しいな。
「ここ、色が濃くなってきた」
「そんなこと言わないのぉ」
「本当のことだぞ? それに凄く柔らかい」
指で触れていた胸の先端をゆっくりと口に含むと、優しく吸ってきた。
「や……んっ」
「前より感じやすくなってるな」
「そんなこと嬉しそうに言わないでぇ」
でもそれは本当のことなの。吸われて舌で少し弄られているだけなのに、あっというまにあそこが濡れてくるのが分かった。
「早く来てぇ……」
「もう我慢できないのか?」
「だって部長と早くつながりたいんだもん……」
そう言って両足を部長の腰に回して、ゆっくりと熱い塊に体をすりよせた。いつもはこんなことないのにね、久し振りだからか妊娠しているせいなのか、早く一つになりたくてしかたがない。部長は素早く避妊具をつけると、私の顔をじっと見つめながら挿ってきた。きっと痛くないかって心配してくれたんだと思う。あまり深く突いちゃダメだって本にも書いてあったし、そういうのちゃんと覚えてくれているんだよね。
「大丈夫か?」
「うん、すっごく幸せ」
赤ちゃんがビックリしないようにって気をつけながら、ゆっくりと私達は愛し合った。もしかして部長、物足りないかな?なんて少しだけ心配になっちゃったけど、私を何度かいかせた後に、耳元で私の名前を呼びながら熱いものをほとばしらせるのをゴム越しに感じたから、それなりに満足はしてもらえたみたい。
「こんな風に可愛くおねだりしてくれるなら、ずっと妊娠させておくのもいいな」
さりげなく怖いこと言ってるよぅ。
「あのね」
「ん?」
しばらくして余韻に浸りながら呟く。
「今は妊娠中で激しくできないから、本当は部長が満足できないんじゃないかって心配だったの」
「そんなことないぞ」
「でも、妊娠する前はほら……」
結構激しかったから……と呟いたら部長が苦笑いした。
「あれは、俺が単にがっついてただけだ。別に激しくするのが好みってわけじゃないから安心しろ」
「そーなの?」
「ああ。逆に俺は、愛海が満足しないんじゃないかと心配だが?」
「そんなことないよ……私は別に部長とこうやってくっついていられれば満足だしぃ」
ぎゅって抱きついた。
「だけど今日はえらく積極的だったじゃないか」
「あれは……」
「あれは?」
「そういう時もあるのっ」
「へえ」
見上げれば部長は嬉しそうにニヤニヤ笑ってる。
「意地悪っ」
「別に意地悪で言ったわけじゃない。俺の正直な気持ちを言ったまでだ」
「きっとホルモンのせいっ」
「じゃあ、そういうことにしておく」
「そういうことにしておくじゃなくて、そういうことなのっ」
「はいはい」
「むー……感じわるーい」
ベシッと部長の胸元を叩いて抗議してみたけど、まったく効果がないみたい。それどころか再びその気になっちゃったみたいで、体中にキスをして痕をいっぱいつけてきた、特に胸のあたりに。
「あまりきつくけないでー。次の健診までに消えなかったらどうするんですかー?」
「いいじゃないか、パパとママは仲良しだってことが証明されて」
「そんなの先生には関係ないー」
再び愛し合えるのは嬉しいけど、キスマークについてはちょっと話し合わなきゃダメみたい。次の健診はいつだったかなって頭の中のカレンダーをめくっていたら、上の空でけしからんとか言われちゃったよ。一体誰のせいだと思ってるのよー?!
つわりがおさまりつつあったある日、着替えていてスカートのホックを止めようとして首をかしげた。このスカート、前に着た時はそんなことなかったのに、今日はウエストがきつい。お腹を引っ込めないと留められない、これはちょっと無理かも。
「お腹、大きくなってきたのかな……それともカニカマの食べすぎ?」
「愛海、そろそろ出掛ける時間……何してる?」
部屋に戻ってきた部長が、スカートのウエストを見下ろしていた私を見て、首をかしげている。
「ぶちょー……スカートがきつい……」
「そりゃお前、中にお一人様いるんだから、きつくならないとおかしいだろ」
「昨日まで何ともなかったんですよー? 急に大きくなったってこと?」
「俺に聞くな俺に」
横に来てお腹を確かめるように撫でてきて、ふむとさらに首をかしげた。
「まだ膨らみはそれほどじゃないな」
「……ウエストがなくなったかも」
「おー……」
「おー、じゃないです、確かめなくてもいいのっ」
ウエストを両手で確かめるように撫でるので軽くにらむ。分かっていてもショックなんだからね?
「あれだな、いよいよ妊婦さんらしくなっていくってことだろ?」
とっても嬉しそうにニマニマと笑みを浮かべているのが何気に腹が立んだよね。旦那様としては、妻が明らかに妊娠しているという状態になるのが、誇らしいらしいってのは分かるんだけどね。
そのままスカートをはくわけにもいかず、用意してあったウエストがゴムになった、ゆるいスカートを出してはいてみた。こっちはピッタリだ。おお、分からなかったけど体型が明らかに変わりつつあるのね。ちょっと感動しちゃう。赤ちゃん、確実にお腹の中で育っているんだなあ。そろそろ服は総替えになるかも。スカートに合わせて、上のブラウスもゆったりと着られるチュニックタイプのものに着替えた。
「いよいよ、マタニティ用の服が活躍する時が来たのか」
「みたいです。ってことは、そろそろ胎動も感じられるようになるかも」
「なるほど」
楽しみだなあとお腹をなでなでしている部長。お腹をポコポコ蹴るようになるのは、さらに先なんだけどね。職場では出産経験のある女性社員さん達は、すぐに私の変化に気がついたみたい。
「つわりも治まってきたんだったら、毎日どんどん大きくなっていくわよ」
「あら、私は出産直前に急に膨らんだ感じ」
「私は一日一日で凄く大きくなってた」
「つま先が見えなくなった時のショックって凄いわよね」
などなど、それぞれで違うんだね。部長と私の赤ちゃんはどんな感じで成長していくのかな。できたら小さく産まれてきて大きく育って欲しいんだけど。
「お腹が大きくなってきたら、ますます海藤部長の手がつけられなくなりそうよねえ。愛海ちゃん、ちゃんと手綱を握っておかなくちゃダメよ? あれは絶対に大暴走するタイプだわ」
「今でも充分に振り回されているんですよお、これ以上だなんて無理ぃ……」
「職場が別々の部署で良かったわよね。あんな過保護な旦那様になるとは思わなかったわ」
女性陣は、部長の豹変ぶりを愉快そうに観察しているらしく、別の部屋にいてそのことを直接見ていない私に、何があったのか色々と話してくれる。たまに長野部長にしつこく尋ねすぎて、“落ち着いて仕事ができん、お前も育児休暇とれ”と叱られているらしい。ほんと、すみません、長野部長。
「チュニックとレギンスも可愛いけど、ジーンズも買ってみた?」
「はい。ウエストに腹巻きみたいなのがついていて、もうちょっとお腹が大きくなったら、はこうかなって思ってます」
「足のむくみはどう?」
「んー……座ってばかりの作業を続けているとむくみが酷くなるんで、書類のお届けとかをやらせてもらってますよ。あっちこっちウロウロするなって部長がうるさいんですけどね。座ってばかりだと良くないからって、係長に説得してもらいました」
ここでまさかの係長の大活躍。部長より少し年上だけど、のんびり屋さんで自称スイーツをこよなく愛する中年サラリーマン。企画開発の現場から離れたくなくて、昇進の打診を蹴り続けてかなり経つらしく、本人は定年までここに居座るんだと断言している。
そして超美人の奥様と夫婦円満で、お子さん三人を育てているだけあって、妊婦さんについてと育児に関しての薀蓄は説得力がハンパない。このことに限らず、多分、部長と長野部長が太刀打ちできない、唯一の相手ではないかと思うんだよね。だから困った時はいつも、何とか部長を説得してくださいって係長にお願いしているの。そんなわけで、いろんな部署にお届け物をするのは私の仕事になった。もちろん重たいものは厳禁って条件つきなんだけど。
そのお陰か、社内でいろんな女性社員さん達とお話しする機会ができて、子育てのことなどいろいろと聞けて、すごく助かってるんだ。そしてお掃除のオバチャンにはあいかわらず飴ちゃんをもらってる。その日によってレモン味だったりソーダ味だったり。ただ最近ふと気になるんだよね、あのお掃除のオバチャン、何処かで見たことあるんだよなあって。何処でだろ?
+++++
朝のやり取りがあってから、部長はリビングでテレビを見ている時とかくつろいでいる時、私を膝に乗せてお腹を撫でることが多くなった。
「あのぅ……撫でたからって、早く大きくなるわけじゃないですよ?」
「そんなこと分かってるさ。ただ何となく撫でていたいだけだ。嫌か?」
「ううん、すごく気持ちいい。きっと赤ちゃんも同じこと思ってると思う」
「そうか」
ちょっと足がむくんでいたので、部長の膝から降りてソファの上で足を伸ばす。
「ひじ掛けのところにもたれて足を俺の膝の上に乗せてろ。少しはましだろう?」
「うん」
足の方が少しだけ高くなって楽になった。そうしたら部長はふくらはぎを撫で始める。
「そこはお腹じゃないですよお」
「分かってるよ」
そう返事すると、テレビを見ながら撫で続ける部長。その手が膝の裏から太腿へと移動していって、何だか別の意図を感じるんだけど。テレビ画面を見ていた部長が、いつの間にかこちらをジッと見つめている。
「愛し合うの、ダメか?」
そう言えば、つわりが始まってから愛し合ってないよね。先生は体調が落ち着いているなら、激しくしないってのを条件にOKは出してくれていたけれど。それに部長と一緒に健診に行った時、妊婦さんとその配偶者さんのための本っていうのも、もらっているんだ。その中には、どういうふうに愛し合うのが妊婦さんの負担にならないかってのが書かれてたの、しかも図解入りで。一緒に読むのはちょっと恥ずかしかったかな。
「ううん。私も部長と愛し合いたい」
「ベッドに行こうか」
「うん」
部長がテレビを消すと、私はソファから立ち上がって、二人で手をつなぎながら寝室へと向かった。
「なんだか照れちゃうね」
「久し振りだもんな」
「うん」
ベッドの上にあがると、キスをしながら二人で服を脱がし合う。体型が少し変わったせいもあって、なんだか恥ずかしいよって言ったら、私を部長は前よりも綺麗だぞって言ってくれた。そうなのかな? 部長がそう思ってくれているなら嬉しいな。
「ここ、色が濃くなってきた」
「そんなこと言わないのぉ」
「本当のことだぞ? それに凄く柔らかい」
指で触れていた胸の先端をゆっくりと口に含むと、優しく吸ってきた。
「や……んっ」
「前より感じやすくなってるな」
「そんなこと嬉しそうに言わないでぇ」
でもそれは本当のことなの。吸われて舌で少し弄られているだけなのに、あっというまにあそこが濡れてくるのが分かった。
「早く来てぇ……」
「もう我慢できないのか?」
「だって部長と早くつながりたいんだもん……」
そう言って両足を部長の腰に回して、ゆっくりと熱い塊に体をすりよせた。いつもはこんなことないのにね、久し振りだからか妊娠しているせいなのか、早く一つになりたくてしかたがない。部長は素早く避妊具をつけると、私の顔をじっと見つめながら挿ってきた。きっと痛くないかって心配してくれたんだと思う。あまり深く突いちゃダメだって本にも書いてあったし、そういうのちゃんと覚えてくれているんだよね。
「大丈夫か?」
「うん、すっごく幸せ」
赤ちゃんがビックリしないようにって気をつけながら、ゆっくりと私達は愛し合った。もしかして部長、物足りないかな?なんて少しだけ心配になっちゃったけど、私を何度かいかせた後に、耳元で私の名前を呼びながら熱いものをほとばしらせるのをゴム越しに感じたから、それなりに満足はしてもらえたみたい。
「こんな風に可愛くおねだりしてくれるなら、ずっと妊娠させておくのもいいな」
さりげなく怖いこと言ってるよぅ。
「あのね」
「ん?」
しばらくして余韻に浸りながら呟く。
「今は妊娠中で激しくできないから、本当は部長が満足できないんじゃないかって心配だったの」
「そんなことないぞ」
「でも、妊娠する前はほら……」
結構激しかったから……と呟いたら部長が苦笑いした。
「あれは、俺が単にがっついてただけだ。別に激しくするのが好みってわけじゃないから安心しろ」
「そーなの?」
「ああ。逆に俺は、愛海が満足しないんじゃないかと心配だが?」
「そんなことないよ……私は別に部長とこうやってくっついていられれば満足だしぃ」
ぎゅって抱きついた。
「だけど今日はえらく積極的だったじゃないか」
「あれは……」
「あれは?」
「そういう時もあるのっ」
「へえ」
見上げれば部長は嬉しそうにニヤニヤ笑ってる。
「意地悪っ」
「別に意地悪で言ったわけじゃない。俺の正直な気持ちを言ったまでだ」
「きっとホルモンのせいっ」
「じゃあ、そういうことにしておく」
「そういうことにしておくじゃなくて、そういうことなのっ」
「はいはい」
「むー……感じわるーい」
ベシッと部長の胸元を叩いて抗議してみたけど、まったく効果がないみたい。それどころか再びその気になっちゃったみたいで、体中にキスをして痕をいっぱいつけてきた、特に胸のあたりに。
「あまりきつくけないでー。次の健診までに消えなかったらどうするんですかー?」
「いいじゃないか、パパとママは仲良しだってことが証明されて」
「そんなの先生には関係ないー」
再び愛し合えるのは嬉しいけど、キスマークについてはちょっと話し合わなきゃダメみたい。次の健診はいつだったかなって頭の中のカレンダーをめくっていたら、上の空でけしからんとか言われちゃったよ。一体誰のせいだと思ってるのよー?!
2
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる