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番外小話
同窓会 前編
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愛海が海藤部長と神戸に行った後のお話です
++++++++++
小学校の同窓会のお知らせのハガキが届いたのはお正月あけてから直ぐのこと。急な話だけど去年の成人式に来れなかった人も含めて改めて皆で会いませんか?というものだった。幹事は地元の大学に進学していた子達でその中には私が仲良くしていた子の名前もあった。
そんな訳で事前に幹事になったその子からも電話もかかってきたことだし年末年始は風邪気味で帰省出来なかったので、ちょっと日にちはズレたけど一日だけ有給を取って週末に実家に帰ることにした。
早速その話をすると部長は御両親に宜しくなと言ってくれて、あれやこれやとお土産を用意して私に持たせてくれた。その気遣いは嬉しかったんだけれど、それから数日は会えないからって(週末の二日だけなのに!)出掛ける前日の夜にはしっかりと愛されちゃって、持たせてくれたお土産やら荷物が多いのに腰が痛いって一体どういうこと?な感じで新幹線の中で部長に文句を言いたかったのは私だけの秘密。
そんな苦労して持って帰ったお土産も、実家に戻ると半分はその日のうちに弟の篤志一人のお腹におさまっちゃいました。何とかバナナがたいそうお気に入りなようで次に来る時にも買ってくれって早々にリクエストをするほどの気に入りよう。まったく色気より食い気に走っているのでお姉ちゃんは色々と心配ですよ……可愛い彼女がいるらしいって話はお母さんから聞いていなかったら小一時間ほどお説教をするところだよ。
+++++
「きたきた、まなみーん!!」
実家に戻った次の日、待ち合わせの場所に到着すると同じ小学校出身で高校三年間を同じクラスで過ごした一番仲良しの薫ちゃんと小百合ちゃんがこちらに手を振ってきた。私は地元の高校を卒業してから東京の短大に進学して今に至るものだから、こちらに帰ってきてまともに皆と会うのは実に三年ぶり。なんだか物凄く時間が経った気がするなあ。きっと自分の置かれている環境が激変したせいもあるのかなって思う。
「久しぶりぃ、卒業式後の謝恩会以来だねえ」
そんな私を何故か二人はニヤニヤしながら見詰めてくる。
「なに?」
「聞いたぞ聞いたぞ? 彼氏ができたんだって?」
「そうそう、同じ職場の人だって聞いたよ」
一体どこからそんな話が伝わるんだろう。私、まだ部長のことはお母さんにしか言ってないんだけどなぁ。ってことは旧ママ友連絡網で回ってるってこと? まさかね……。
「うん。職場の上司なの」
「ってことは年上?」
「うん」
「顔は? 写メ撮ってある? 芸能人で例えるとどんな感じの人? 背は高い? 声は渋い? 溺愛系? 俺様系? 犬タイプ? 猫タイプ?」
「小百合ちゃん一度に質問多すぎ、久し振りに会えたのに。まなみんが喋る暇も無いじゃない」
薫ちゃんに途中で止められてエヘヘと笑う小百合ちゃん。この雰囲気、なんだか高校生に戻ったみたいで嬉しいな。二人ともまだ学生さんだもんね、私は自分が行きたいと思った会社に就職して早く社会人になったけど、目の前の二人を見ているともう少し学生生活を楽しんでみたかったなって少しだけ思う。
「皆との集合時間まではまだ時間があるから、いつものカフェでお茶しながらゆっくり聞かせろ?」
「相変わらずなんだから、小百合ちゃん。記者魂丸出しだよ?」
「そりゃ元新聞部ですから!」
私の言葉にエッヘンと胸をはる。私達は高校の時によく立ち寄っていたカフェに向かった。そこは学校と私達の住んでいた町内との中間地点にあるカフェで、ご夫婦でひっそりと営んでいる住宅地の一角にある小さなカフェだった。何年かぶりに訪れたお店は全く変わっていなくて懐かしいと同時に嬉しくなる。よくここで三人で色々な話をしてたっけ。お店に入ると三人でよく居座っていた一番奥にある掘り炬燵のあるお座敷席に落ち着く。オーダーを取りに来たのはマスターの奥さんで、直ぐにいつもの三人組だって気がついてくれてそこでも暫く思い出話に花が咲いた。
「ここ、全然変わってなくて安心した」
「うん。だけど去年はマスターが入院していてずっと閉店状態だったんだよ。再開したのは今年に入ってからなの」
「そうなの?」
「うん」
薫ちゃんの言葉に思わずマスターが立っているカウンターを振り返る。記憶の中にある通りの穏やかな笑みを浮かべてカウンター席にいるお客さんと話しているところを見ると、とても最近まで入院していたようには見えない。
「で?」
注文したカフェラテがテーブルに置かれたと同時に小百合ちゃんの質問が再開された。おお、忘れてくれてなかったのね。そして何故か手が差し出されている。ん? この手は何かな? わんこみたいにお手をしろとか? 首を傾げながら差し出された小百合ちゃんの手の上に自分の手を乗せてみた。
「お手じゃないってば。写真よ写真。付き合っているんだから一枚ぐらいあるでしょ? 彼氏の写真なんだから一枚ぐらいスマホに入ってるんでしょ? だから」
さっさと見せるべしと言いながら手を差し出してくる。えっと写真なんてあったかな……スマホで撮ったのは……あ、そうだ、お正月に神戸で初詣に行った時に部長のお父さんが撮ってくれた写真があった筈。
「ちょっと待って」
カバンの中からスマホを出して画像ホルダーを開けて写真を探す。商品開発の参考にと立ち寄ったカフェで撮ったケーキの写真の合間に、部長と二人で写してもらった写真が残っていた。
「この人」
写真を出して二人の方にスマホを差し出した。小百合ちゃんがスマホを手にすると横にいた薫ちゃんが一緒に覗き込む。そして二人して同時に「おお」と呟いた。えっと、その二人の「おお」っていうのがどういう意味なのかちょっと気になる。
「凄く年上?」
「うん」
「もしかしてダブルスコアとか?」
「んー、そうかも」
「「おお~~」」
そして二人して写真を再び覗き込む。そんなに変わった写真じゃないしそこまでまじまじと見詰めるほどのこともないんじゃないかなあ……と思う。まあ高校生の時は誰ともちゃんと付き合うことなく終わっちゃったから興味津々なのは理解できるんだけど。
「これがまなみんの彼氏なのか。ってことは、初エッチの相手でもあるわけなんだ?」
いきなりの言葉に飲んでいたカフェラテを噴き出しそうになった。もう何てことを言うのかな、小百合ちゃん!
「なんでそんなこと……」
「だってまなみん、もう何も知らない乙女の顔じゃないんだもん」
「乙女の顔って……」
確かに部長が初めての人だけどそんなに分かっちゃうもの?
「まあとにかくだ、まなみんも大人の仲間入りをしたわけなんだね、おめでとう♪」
……素直にありがとうって言いたくない気分だよ。
「年上らしいって話を聞いて正直ちょっと心配してたんだよね、変なおっさんだったらどうしようとか、変にちゃらいおっさんもどきだったらどうしようとか」
「そうそう。薫ちゃんなんて私のまなみんがーとかあれやこれやと騒いで君はまなみんのお母さんかってな感じだったから」
「少しは安心できた?」
「うん、お母さんは安心しました。少なくとも見た感じは何とかってドラマに出ている俳優さんに似たイケメンだってことが判明したから」
見た目だけで安心するの?って笑ったら、まなみんの幸せオーラが凄いのもあるからそれだけで十分なんだって。長野部長にもたまに言われるんだよね、愛海ちゃんの幸せオーラは半端無いねって。そんなに分かっちゃうものなのかなあ。
「それに、一緒に写真に写っている彼氏さんの顔もいかにも“こいつは俺のものだ”って感じでまなみんの肩に手を回しているし」
「だよねー、もう独占欲丸出しだよ。これは溺愛系の超過保護彼氏と見た」
この写真を撮った時に部長のお姉さんにも年明け早々ご馳走様って冷やかされたんだよね。私は溺愛系ではないと思うんだけどなあ……どちらかと言うと俺様彼氏だと思うんだけど。違うのかな。
「これでヤツの勝ち目が無いことはハッキリした」
「うんうん、確かに勝ち目は無いね、後で諦めろんって言ってあげよう」
「何の話?」
いきなり“ヤツ”なんてのが出てきて話についていけない。ヤツって誰?
「小学校で六年間同じクラスだった宮島君って覚えてる?」
「野球部の?」
「そう。あいつがね、今回まなみんが出席するって話を聞いて俄然張り切っちゃってるのよ」
「なんで?」
「なんでって、そりゃ宮島は小学校の時からずーっとまなみんのことが好きだったからに決まってるじゃない」
「へ?」
なんですと?
「あら、小百合ちゃん。まなみんが固まった」
「まったく気がついてなかったのか……宮島君も不憫な奴よのお……」
「初恋をこの年まで大切に温めていた純愛青年なのに」
よよよと泣く仕草を大袈裟にされても困るよ、お二人さん。
宮島圭人君。小学校六年間同じクラスの同級生だった男の子。中学・高校は地元の公立に進学したから別々だったけれど、確か薫ちゃんとは同じ大学に進学した筈で、小学校からずっと野球少年だったその情熱は今も消えることなく大学でも野球部に入っているとか、少年野球のコーチをしているとかお母さんから聞いた記憶がある。野球好きでとても陽気なクラスのムードメーカー的な印象と、いつも賑やかに皆と騒いでいたっていう記憶が強烈でとても誰かに片思いしていたなんてのは申し訳ないけど想像がつかない。ましてやその相手が自分だなんて。しかも小学校の時からずっと今まで?
「えっと、それって困る……」
「きちんとお断りしてとどめをさしておやり?」
「う、うん、頑張るよ」
そう言ってから何を頑張るんだろうって心の中で自分に突っ込みを入れる。せっかく楽しみにしていた同窓会なんだけど一気にブルーになってしまった。ドタキャンなんて駄目だよね?
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小学校の同窓会のお知らせのハガキが届いたのはお正月あけてから直ぐのこと。急な話だけど去年の成人式に来れなかった人も含めて改めて皆で会いませんか?というものだった。幹事は地元の大学に進学していた子達でその中には私が仲良くしていた子の名前もあった。
そんな訳で事前に幹事になったその子からも電話もかかってきたことだし年末年始は風邪気味で帰省出来なかったので、ちょっと日にちはズレたけど一日だけ有給を取って週末に実家に帰ることにした。
早速その話をすると部長は御両親に宜しくなと言ってくれて、あれやこれやとお土産を用意して私に持たせてくれた。その気遣いは嬉しかったんだけれど、それから数日は会えないからって(週末の二日だけなのに!)出掛ける前日の夜にはしっかりと愛されちゃって、持たせてくれたお土産やら荷物が多いのに腰が痛いって一体どういうこと?な感じで新幹線の中で部長に文句を言いたかったのは私だけの秘密。
そんな苦労して持って帰ったお土産も、実家に戻ると半分はその日のうちに弟の篤志一人のお腹におさまっちゃいました。何とかバナナがたいそうお気に入りなようで次に来る時にも買ってくれって早々にリクエストをするほどの気に入りよう。まったく色気より食い気に走っているのでお姉ちゃんは色々と心配ですよ……可愛い彼女がいるらしいって話はお母さんから聞いていなかったら小一時間ほどお説教をするところだよ。
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「きたきた、まなみーん!!」
実家に戻った次の日、待ち合わせの場所に到着すると同じ小学校出身で高校三年間を同じクラスで過ごした一番仲良しの薫ちゃんと小百合ちゃんがこちらに手を振ってきた。私は地元の高校を卒業してから東京の短大に進学して今に至るものだから、こちらに帰ってきてまともに皆と会うのは実に三年ぶり。なんだか物凄く時間が経った気がするなあ。きっと自分の置かれている環境が激変したせいもあるのかなって思う。
「久しぶりぃ、卒業式後の謝恩会以来だねえ」
そんな私を何故か二人はニヤニヤしながら見詰めてくる。
「なに?」
「聞いたぞ聞いたぞ? 彼氏ができたんだって?」
「そうそう、同じ職場の人だって聞いたよ」
一体どこからそんな話が伝わるんだろう。私、まだ部長のことはお母さんにしか言ってないんだけどなぁ。ってことは旧ママ友連絡網で回ってるってこと? まさかね……。
「うん。職場の上司なの」
「ってことは年上?」
「うん」
「顔は? 写メ撮ってある? 芸能人で例えるとどんな感じの人? 背は高い? 声は渋い? 溺愛系? 俺様系? 犬タイプ? 猫タイプ?」
「小百合ちゃん一度に質問多すぎ、久し振りに会えたのに。まなみんが喋る暇も無いじゃない」
薫ちゃんに途中で止められてエヘヘと笑う小百合ちゃん。この雰囲気、なんだか高校生に戻ったみたいで嬉しいな。二人ともまだ学生さんだもんね、私は自分が行きたいと思った会社に就職して早く社会人になったけど、目の前の二人を見ているともう少し学生生活を楽しんでみたかったなって少しだけ思う。
「皆との集合時間まではまだ時間があるから、いつものカフェでお茶しながらゆっくり聞かせろ?」
「相変わらずなんだから、小百合ちゃん。記者魂丸出しだよ?」
「そりゃ元新聞部ですから!」
私の言葉にエッヘンと胸をはる。私達は高校の時によく立ち寄っていたカフェに向かった。そこは学校と私達の住んでいた町内との中間地点にあるカフェで、ご夫婦でひっそりと営んでいる住宅地の一角にある小さなカフェだった。何年かぶりに訪れたお店は全く変わっていなくて懐かしいと同時に嬉しくなる。よくここで三人で色々な話をしてたっけ。お店に入ると三人でよく居座っていた一番奥にある掘り炬燵のあるお座敷席に落ち着く。オーダーを取りに来たのはマスターの奥さんで、直ぐにいつもの三人組だって気がついてくれてそこでも暫く思い出話に花が咲いた。
「ここ、全然変わってなくて安心した」
「うん。だけど去年はマスターが入院していてずっと閉店状態だったんだよ。再開したのは今年に入ってからなの」
「そうなの?」
「うん」
薫ちゃんの言葉に思わずマスターが立っているカウンターを振り返る。記憶の中にある通りの穏やかな笑みを浮かべてカウンター席にいるお客さんと話しているところを見ると、とても最近まで入院していたようには見えない。
「で?」
注文したカフェラテがテーブルに置かれたと同時に小百合ちゃんの質問が再開された。おお、忘れてくれてなかったのね。そして何故か手が差し出されている。ん? この手は何かな? わんこみたいにお手をしろとか? 首を傾げながら差し出された小百合ちゃんの手の上に自分の手を乗せてみた。
「お手じゃないってば。写真よ写真。付き合っているんだから一枚ぐらいあるでしょ? 彼氏の写真なんだから一枚ぐらいスマホに入ってるんでしょ? だから」
さっさと見せるべしと言いながら手を差し出してくる。えっと写真なんてあったかな……スマホで撮ったのは……あ、そうだ、お正月に神戸で初詣に行った時に部長のお父さんが撮ってくれた写真があった筈。
「ちょっと待って」
カバンの中からスマホを出して画像ホルダーを開けて写真を探す。商品開発の参考にと立ち寄ったカフェで撮ったケーキの写真の合間に、部長と二人で写してもらった写真が残っていた。
「この人」
写真を出して二人の方にスマホを差し出した。小百合ちゃんがスマホを手にすると横にいた薫ちゃんが一緒に覗き込む。そして二人して同時に「おお」と呟いた。えっと、その二人の「おお」っていうのがどういう意味なのかちょっと気になる。
「凄く年上?」
「うん」
「もしかしてダブルスコアとか?」
「んー、そうかも」
「「おお~~」」
そして二人して写真を再び覗き込む。そんなに変わった写真じゃないしそこまでまじまじと見詰めるほどのこともないんじゃないかなあ……と思う。まあ高校生の時は誰ともちゃんと付き合うことなく終わっちゃったから興味津々なのは理解できるんだけど。
「これがまなみんの彼氏なのか。ってことは、初エッチの相手でもあるわけなんだ?」
いきなりの言葉に飲んでいたカフェラテを噴き出しそうになった。もう何てことを言うのかな、小百合ちゃん!
「なんでそんなこと……」
「だってまなみん、もう何も知らない乙女の顔じゃないんだもん」
「乙女の顔って……」
確かに部長が初めての人だけどそんなに分かっちゃうもの?
「まあとにかくだ、まなみんも大人の仲間入りをしたわけなんだね、おめでとう♪」
……素直にありがとうって言いたくない気分だよ。
「年上らしいって話を聞いて正直ちょっと心配してたんだよね、変なおっさんだったらどうしようとか、変にちゃらいおっさんもどきだったらどうしようとか」
「そうそう。薫ちゃんなんて私のまなみんがーとかあれやこれやと騒いで君はまなみんのお母さんかってな感じだったから」
「少しは安心できた?」
「うん、お母さんは安心しました。少なくとも見た感じは何とかってドラマに出ている俳優さんに似たイケメンだってことが判明したから」
見た目だけで安心するの?って笑ったら、まなみんの幸せオーラが凄いのもあるからそれだけで十分なんだって。長野部長にもたまに言われるんだよね、愛海ちゃんの幸せオーラは半端無いねって。そんなに分かっちゃうものなのかなあ。
「それに、一緒に写真に写っている彼氏さんの顔もいかにも“こいつは俺のものだ”って感じでまなみんの肩に手を回しているし」
「だよねー、もう独占欲丸出しだよ。これは溺愛系の超過保護彼氏と見た」
この写真を撮った時に部長のお姉さんにも年明け早々ご馳走様って冷やかされたんだよね。私は溺愛系ではないと思うんだけどなあ……どちらかと言うと俺様彼氏だと思うんだけど。違うのかな。
「これでヤツの勝ち目が無いことはハッキリした」
「うんうん、確かに勝ち目は無いね、後で諦めろんって言ってあげよう」
「何の話?」
いきなり“ヤツ”なんてのが出てきて話についていけない。ヤツって誰?
「小学校で六年間同じクラスだった宮島君って覚えてる?」
「野球部の?」
「そう。あいつがね、今回まなみんが出席するって話を聞いて俄然張り切っちゃってるのよ」
「なんで?」
「なんでって、そりゃ宮島は小学校の時からずーっとまなみんのことが好きだったからに決まってるじゃない」
「へ?」
なんですと?
「あら、小百合ちゃん。まなみんが固まった」
「まったく気がついてなかったのか……宮島君も不憫な奴よのお……」
「初恋をこの年まで大切に温めていた純愛青年なのに」
よよよと泣く仕草を大袈裟にされても困るよ、お二人さん。
宮島圭人君。小学校六年間同じクラスの同級生だった男の子。中学・高校は地元の公立に進学したから別々だったけれど、確か薫ちゃんとは同じ大学に進学した筈で、小学校からずっと野球少年だったその情熱は今も消えることなく大学でも野球部に入っているとか、少年野球のコーチをしているとかお母さんから聞いた記憶がある。野球好きでとても陽気なクラスのムードメーカー的な印象と、いつも賑やかに皆と騒いでいたっていう記憶が強烈でとても誰かに片思いしていたなんてのは申し訳ないけど想像がつかない。ましてやその相手が自分だなんて。しかも小学校の時からずっと今まで?
「えっと、それって困る……」
「きちんとお断りしてとどめをさしておやり?」
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