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番外小話
同窓会 後編
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部長は入ってきてすぐのところにあるソファに座ってスマホをいじっていた。
「ぶちょお~」
私の声に顔を上げると微かに笑みを浮かべる。私の後ろで二人が写真より実物の方が断然カッコいいよねって囁いているのが聞こえた。ふふふ、だよねだよね、だけど部長は私の彼氏さんですからね、誰にもあげませんよーだ♪ ほら、そこのおばちゃん! うっとり見詰めるのは禁止ですよ!!
「驚きましたよ、まさかここまで来ちゃうなんて」
「週末に何も予定を入れてなかったからな、ドライブも兼ねて走ってきた」
「ドライブって言うには距離があり過ぎ」
本当に車で走るの好きだよね。週末には何処って決めずにドライブっていうのが多くて疲れないのかなってたまに心配になるんだけど、その心配はしなくても良いのかもしれないな。
「で? 後ろの二人のことは紹介してくれないのか?」
そう言いながら私の後ろに視線を向けた。来てくれたのが嬉しくてうっかり二人のことを忘れるところだったよ、危ない危ない。
「え? ああ、高校の時のクラスメイトです。高橋薫ちゃんと望月小百合ちゃん。薫ちゃん、小百合ちゃん、えっとこの人が……」
「「まなみんの彼氏さんですよね!!」」
見事な二人のダブルアタックに部長もちょっとたじろいだ。
「あ~~……」
私だってどうやって助けたら良いのか分からないからそんな顔して助けを求めないでほしい。とにかく根ほり葉ほりあれこれ尋ねられると思うけど頑張って耐えてほしいかな。ガンバレ部長、ファイト♪
いつものノリって言うか高校の時からの反論を許さない口調の小百合ちゃんは、なんと部長をうまく丸め込んでホテルのロビーラウンジでお茶を飲むお誘いを成功させた。凄い、さすがだ、小百合ちゃん。
それから暫くして二人からあれこれと質問を受けていた部長がチラリとこちらに視線を向けてきた。あ、これは悪い予感がするかも。今の顔は“後で覚えておけよ”顔だった気がする。一応こういう時は“無邪気な笑顔”を向けておこう。“後で”をかわせるかどうかは分からないけれど。
+++
「まったく参った。まさかあんな風に質問攻めにされるとは思ってなかったぞ」
「あはは、写真を見せた時から色々と聞きたくて仕方がなかったみたい」
「そうなのか? 物好きだな、こんなおっさんに」
二人と別れて車が止めてある場所へ向かいながら部長は苦笑いしていた。
「だが、お蔭で学生時代のお前のことが少しだけ分かったような気がするな」
「そう?」
「ああ。あの雰囲気からして三人寄ればかしましいってやつだ」
「なんかそれ酷い」
「違うのか?」
「賑やかだったのは否定しないけど……」
「だろ?」
そう言えば三人でよくカフェでケーキ食べながら騒いでたっけ。確かにあれは傍から見れば十分にかしましいかもしれない。今夜はちょっとだけ昔に戻った気分が味わえて凄く楽しかったな~。これからも出来るだけ出席するようにしよう。
「だけど八年間も会っていないと誰か分からない子って出てきますよね。変に派手になっちゃってる子とか凄くかっこよくなっちゃった子とか」
「かっこよくか、八年も空白があれば男も変わるからな」
「ですよね、ちょっとビックリです。記憶の中では泥だらけのイガグリ頭君なのに実際に会ったら素敵な青年ですからねえ……」
「ほお……」
「あ、ところで私、荷物を実家に置いたままなんですけど」
「心配するな。ちゃんと受け取ってきた」
「え?! 実家に行ったの?」
「連絡先にお母さんの携帯電話を聞いていたからな、こっちに着いて連絡したんだ」
車の後部シートには私が持ってきた小ぶりの旅行用バッグが置かれている。
「父にも会いました?」
「いや。大学に忘れた資料を取りに行かれたとかで不在だったよ」
もしかして事前に察知して逃げちゃったのかもしれないと思う。うちのお父さん、学者肌でインドア派ではあるけれどそういう嗅覚だけは凄いんだよね。前の日に一度会って欲しいなって話したら物凄く微妙な空気を醸し出していたし、きっと逃げちゃったに違いない、うん、間違いない。
「その代わり、お爺さん達には会えた。特製のワインをいただいたぞ」
「うちは葡萄畑はしてないけれど知り合いに有名なワイナリーを経営している人がいて、毎年いただくんです。それを部長に渡すってことはお爺ちゃん、部長のことが気に入ったみたい。何か言われた?」
「いや、孫娘をよろしくお願いしますとだけ」
「で?」
「でって?」
「何て答えたの?」
「んー? 大事にしますとだけ」
駐車場から車を出すと部長は何故か高速インターへの道のりとは別方向へと車を進めた。
「ねえ、インターはあっちだけど」
「今から東京まで戻るのはさすがにな」
到着したのはさっきのホテルよりも少しグレードが上のホテル。ここは私も名前だけは聞いたことがあるんだ。
「あ、ここね、地元ではバケットが美味しいって有名なの。デパ地下でも独立したテナント出して売ってるんですよ。私は個人的にフレンチトーストがおすすめ」
「らしいな」
あら、既にご存知。ってことはもしかして?
「もしかしてリサーチしにわざわざ?」
「それはついでだ。少し高級感のある商品開発に役立つようなら見っけもんだから、愛海を迎えに行くついでにここのホテルに行って来いって長野に押し付けられたんだ」
長野部長は若い頃あちらこちらでスイーツやら何やらを食べ歩いて、商品開発に役立ちそうなお店を発掘していたそうだ。今でもラブラブな奥さんとお出掛けしては美味しいお店を発見しているらしい。
「ってことは今夜は部長とここでお泊り?」
「そうだ。何か不満でも?」
「ないですよ。あ、夕飯は?」
「会場に着く前に食べてきた」
「そうなんだ……」
「なんだ、腹が減っているのか?」
「そういう訳じゃないけど、ここのアップルパイも美味しいですよ~って言いたかっただけ」
「?」
「そのパイに使われているリンゴ、うちのお爺ちゃん達が使ったリンゴなの。お爺ちゃん達が作ったリンゴで作ったアップルパイ、せっかくだから部長にも食べてほしいなあって」
「なるほど」
今夜は無理そうだから明日にでも食べてみるかと言われて頷いた。うちのお爺ちゃん達が丹精込めて作ったリンゴはそこそこ評判が良くて、それを耳にしたここのチーフが是非にって取引をしてくれるようになったんだ。お蔭で一度はやめようと思っていたお爺ちゃんの農家魂に火がついちゃって未だに現役でリンゴ畑で動き回っている。多分、八十歳超えても働いてそうな勢いなのだ。やる気って本当に凄い。
チェックインしてツインのお部屋に落ち着くとホッとしてパンプスを脱いだ。立食で立ちっぱなしだったから足が浮腫んでいる。ベッドにいくお行儀が悪いのは承知で枕を足元に置いてそこに足を乗せると寝ころんだ。はあ、極楽極楽。そんな私を部長が覗き込んできた。
「で、イガグリ頭がどうしたって?」
「イガグリ?」
何のことを言われているのか分からなくてポカンとして部長の顔を見上げる。
「さっき言ってたろ、イガグリ頭がいつの間にか男前になっていたって」
「ああ。野球少年の宮島君がね」
「宮島って言うのか」
「えっと……そうです、イガグリ頭の……」
「で?」
「でって、それだけですよ。別にだからどうって話じゃなくて、話はしましたけど何か言われた訳じゃないし。ああ、付き合っている人がいるって話をしたら幸せそうだねとは言われましたけどね」
「そうか」
そんなにあからさまにホッとした顔しなくても良いのに。そんなことを考えながら岡田さんと長澤君のことで薫ちゃん達が言っていたことを思い出した。焼けぼっくいに火がつく、かあ……。気が付かないうちにそれを口に出していたらしくて部長がぎょっとした顔をした。
「あ、私の話じゃないですからね!」
「当然だ」
ちょっとだけ不機嫌そうな声でそう言うと私のことを引っ張り起こした。
「風呂に入れ」
「え?」
「気が付いていないと思うが煙草のにおいがかなり服についているから、シャンプーしないと髪の毛も同じ状態だぞ」
「うわあ、これ、明日も着て帰ろうと思ってたのにぃ」
「クリーニングのサービスに頼んでおくか?」
「本当に? ああいうのって老舗ホテルでしかしてないと思ってた」
「チェックアウトの時間を遅めにしてもらったから、今夜中に出しておけば明日には間に合う筈だ」
「出す~~!!」
「だったら脱げ」
だからっていきなり脱がせ始めるのもどうかと思うの。せめて代わりに着るものを出してからとかバスローブを持ってくるとか……こら、人の話を聞けー!! 部長は問答無用で服を脱がすとバスルームへと私を連行した。やけに強引なのは何故?
「もしかしてそんなに煙草のにおい、酷いです?」
「誰が吸ったか分からんような煙草のにおいをさせているのが気に入らないだけだ。クリーニングは電話して頼んどいてやるから、お前はさっさと入って綺麗にしてこい」
「あ、もしかしてそれってヤキモチ?」
「うるさい。さっさとしないと風呂無しでベッドに連行するぞ?」
「お風呂、入ってきます!!」
慌てて部長から離れてシャワーの方へと向かった。バスルームのドアを閉めながら部長が笑っていたのは気のせい?
で、なんでチェックアウトの時間を遅くしてもらったか?なんて尋ねるのは野暮ってもんで。次の日の朝はベッドでアップルパイ付の遅めの朝食、なんていうちょっとした贅沢を二人で一緒に味わってしまったのでした。一応、バケットの味見もしたんだから長野部長に申し訳は立つだろうってことだけど、なんだかニヤニヤした訳知り顔で同窓会は楽しかった?なんて聞かれたらきっと気まずいだろうなあ……。
「ぶちょお~」
私の声に顔を上げると微かに笑みを浮かべる。私の後ろで二人が写真より実物の方が断然カッコいいよねって囁いているのが聞こえた。ふふふ、だよねだよね、だけど部長は私の彼氏さんですからね、誰にもあげませんよーだ♪ ほら、そこのおばちゃん! うっとり見詰めるのは禁止ですよ!!
「驚きましたよ、まさかここまで来ちゃうなんて」
「週末に何も予定を入れてなかったからな、ドライブも兼ねて走ってきた」
「ドライブって言うには距離があり過ぎ」
本当に車で走るの好きだよね。週末には何処って決めずにドライブっていうのが多くて疲れないのかなってたまに心配になるんだけど、その心配はしなくても良いのかもしれないな。
「で? 後ろの二人のことは紹介してくれないのか?」
そう言いながら私の後ろに視線を向けた。来てくれたのが嬉しくてうっかり二人のことを忘れるところだったよ、危ない危ない。
「え? ああ、高校の時のクラスメイトです。高橋薫ちゃんと望月小百合ちゃん。薫ちゃん、小百合ちゃん、えっとこの人が……」
「「まなみんの彼氏さんですよね!!」」
見事な二人のダブルアタックに部長もちょっとたじろいだ。
「あ~~……」
私だってどうやって助けたら良いのか分からないからそんな顔して助けを求めないでほしい。とにかく根ほり葉ほりあれこれ尋ねられると思うけど頑張って耐えてほしいかな。ガンバレ部長、ファイト♪
いつものノリって言うか高校の時からの反論を許さない口調の小百合ちゃんは、なんと部長をうまく丸め込んでホテルのロビーラウンジでお茶を飲むお誘いを成功させた。凄い、さすがだ、小百合ちゃん。
それから暫くして二人からあれこれと質問を受けていた部長がチラリとこちらに視線を向けてきた。あ、これは悪い予感がするかも。今の顔は“後で覚えておけよ”顔だった気がする。一応こういう時は“無邪気な笑顔”を向けておこう。“後で”をかわせるかどうかは分からないけれど。
+++
「まったく参った。まさかあんな風に質問攻めにされるとは思ってなかったぞ」
「あはは、写真を見せた時から色々と聞きたくて仕方がなかったみたい」
「そうなのか? 物好きだな、こんなおっさんに」
二人と別れて車が止めてある場所へ向かいながら部長は苦笑いしていた。
「だが、お蔭で学生時代のお前のことが少しだけ分かったような気がするな」
「そう?」
「ああ。あの雰囲気からして三人寄ればかしましいってやつだ」
「なんかそれ酷い」
「違うのか?」
「賑やかだったのは否定しないけど……」
「だろ?」
そう言えば三人でよくカフェでケーキ食べながら騒いでたっけ。確かにあれは傍から見れば十分にかしましいかもしれない。今夜はちょっとだけ昔に戻った気分が味わえて凄く楽しかったな~。これからも出来るだけ出席するようにしよう。
「だけど八年間も会っていないと誰か分からない子って出てきますよね。変に派手になっちゃってる子とか凄くかっこよくなっちゃった子とか」
「かっこよくか、八年も空白があれば男も変わるからな」
「ですよね、ちょっとビックリです。記憶の中では泥だらけのイガグリ頭君なのに実際に会ったら素敵な青年ですからねえ……」
「ほお……」
「あ、ところで私、荷物を実家に置いたままなんですけど」
「心配するな。ちゃんと受け取ってきた」
「え?! 実家に行ったの?」
「連絡先にお母さんの携帯電話を聞いていたからな、こっちに着いて連絡したんだ」
車の後部シートには私が持ってきた小ぶりの旅行用バッグが置かれている。
「父にも会いました?」
「いや。大学に忘れた資料を取りに行かれたとかで不在だったよ」
もしかして事前に察知して逃げちゃったのかもしれないと思う。うちのお父さん、学者肌でインドア派ではあるけれどそういう嗅覚だけは凄いんだよね。前の日に一度会って欲しいなって話したら物凄く微妙な空気を醸し出していたし、きっと逃げちゃったに違いない、うん、間違いない。
「その代わり、お爺さん達には会えた。特製のワインをいただいたぞ」
「うちは葡萄畑はしてないけれど知り合いに有名なワイナリーを経営している人がいて、毎年いただくんです。それを部長に渡すってことはお爺ちゃん、部長のことが気に入ったみたい。何か言われた?」
「いや、孫娘をよろしくお願いしますとだけ」
「で?」
「でって?」
「何て答えたの?」
「んー? 大事にしますとだけ」
駐車場から車を出すと部長は何故か高速インターへの道のりとは別方向へと車を進めた。
「ねえ、インターはあっちだけど」
「今から東京まで戻るのはさすがにな」
到着したのはさっきのホテルよりも少しグレードが上のホテル。ここは私も名前だけは聞いたことがあるんだ。
「あ、ここね、地元ではバケットが美味しいって有名なの。デパ地下でも独立したテナント出して売ってるんですよ。私は個人的にフレンチトーストがおすすめ」
「らしいな」
あら、既にご存知。ってことはもしかして?
「もしかしてリサーチしにわざわざ?」
「それはついでだ。少し高級感のある商品開発に役立つようなら見っけもんだから、愛海を迎えに行くついでにここのホテルに行って来いって長野に押し付けられたんだ」
長野部長は若い頃あちらこちらでスイーツやら何やらを食べ歩いて、商品開発に役立ちそうなお店を発掘していたそうだ。今でもラブラブな奥さんとお出掛けしては美味しいお店を発見しているらしい。
「ってことは今夜は部長とここでお泊り?」
「そうだ。何か不満でも?」
「ないですよ。あ、夕飯は?」
「会場に着く前に食べてきた」
「そうなんだ……」
「なんだ、腹が減っているのか?」
「そういう訳じゃないけど、ここのアップルパイも美味しいですよ~って言いたかっただけ」
「?」
「そのパイに使われているリンゴ、うちのお爺ちゃん達が使ったリンゴなの。お爺ちゃん達が作ったリンゴで作ったアップルパイ、せっかくだから部長にも食べてほしいなあって」
「なるほど」
今夜は無理そうだから明日にでも食べてみるかと言われて頷いた。うちのお爺ちゃん達が丹精込めて作ったリンゴはそこそこ評判が良くて、それを耳にしたここのチーフが是非にって取引をしてくれるようになったんだ。お蔭で一度はやめようと思っていたお爺ちゃんの農家魂に火がついちゃって未だに現役でリンゴ畑で動き回っている。多分、八十歳超えても働いてそうな勢いなのだ。やる気って本当に凄い。
チェックインしてツインのお部屋に落ち着くとホッとしてパンプスを脱いだ。立食で立ちっぱなしだったから足が浮腫んでいる。ベッドにいくお行儀が悪いのは承知で枕を足元に置いてそこに足を乗せると寝ころんだ。はあ、極楽極楽。そんな私を部長が覗き込んできた。
「で、イガグリ頭がどうしたって?」
「イガグリ?」
何のことを言われているのか分からなくてポカンとして部長の顔を見上げる。
「さっき言ってたろ、イガグリ頭がいつの間にか男前になっていたって」
「ああ。野球少年の宮島君がね」
「宮島って言うのか」
「えっと……そうです、イガグリ頭の……」
「で?」
「でって、それだけですよ。別にだからどうって話じゃなくて、話はしましたけど何か言われた訳じゃないし。ああ、付き合っている人がいるって話をしたら幸せそうだねとは言われましたけどね」
「そうか」
そんなにあからさまにホッとした顔しなくても良いのに。そんなことを考えながら岡田さんと長澤君のことで薫ちゃん達が言っていたことを思い出した。焼けぼっくいに火がつく、かあ……。気が付かないうちにそれを口に出していたらしくて部長がぎょっとした顔をした。
「あ、私の話じゃないですからね!」
「当然だ」
ちょっとだけ不機嫌そうな声でそう言うと私のことを引っ張り起こした。
「風呂に入れ」
「え?」
「気が付いていないと思うが煙草のにおいがかなり服についているから、シャンプーしないと髪の毛も同じ状態だぞ」
「うわあ、これ、明日も着て帰ろうと思ってたのにぃ」
「クリーニングのサービスに頼んでおくか?」
「本当に? ああいうのって老舗ホテルでしかしてないと思ってた」
「チェックアウトの時間を遅めにしてもらったから、今夜中に出しておけば明日には間に合う筈だ」
「出す~~!!」
「だったら脱げ」
だからっていきなり脱がせ始めるのもどうかと思うの。せめて代わりに着るものを出してからとかバスローブを持ってくるとか……こら、人の話を聞けー!! 部長は問答無用で服を脱がすとバスルームへと私を連行した。やけに強引なのは何故?
「もしかしてそんなに煙草のにおい、酷いです?」
「誰が吸ったか分からんような煙草のにおいをさせているのが気に入らないだけだ。クリーニングは電話して頼んどいてやるから、お前はさっさと入って綺麗にしてこい」
「あ、もしかしてそれってヤキモチ?」
「うるさい。さっさとしないと風呂無しでベッドに連行するぞ?」
「お風呂、入ってきます!!」
慌てて部長から離れてシャワーの方へと向かった。バスルームのドアを閉めながら部長が笑っていたのは気のせい?
で、なんでチェックアウトの時間を遅くしてもらったか?なんて尋ねるのは野暮ってもんで。次の日の朝はベッドでアップルパイ付の遅めの朝食、なんていうちょっとした贅沢を二人で一緒に味わってしまったのでした。一応、バケットの味見もしたんだから長野部長に申し訳は立つだろうってことだけど、なんだかニヤニヤした訳知り顔で同窓会は楽しかった?なんて聞かれたらきっと気まずいだろうなあ……。
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