反能力犯罪組織 アビリティリバティ

びいと

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12.死なせはしないってさ

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「はい、はーい緊急事態緊急事態」
任務受付役の石田ワタルは、間延びした言葉の割に手際よく手元の機械で増援配備を行う。
「ミツハ君ピンチだよこれ。ええと今フリーなのは...」
ピタリと石田の手が止まる
「なーんの因果かねこれは...いや、むしろチャンスかな...?」
1人の能力者が増援に決まった。


対物スナイパーライフルからの襲撃を逃れるため、ミツハと護衛対象の霧隠は車道を外れた森の中に逃げ込む。
「待て待て!お前も1人の兵士じゃないのか!?さっさとあの狙撃手を倒せ!」
「相性が悪すぎるんだ。俺の装備じゃあいつのいるところまで間合いを詰めなきゃならない」
霧隠は緊急事態に気が気ではない様子だった。


「ふざけるな!それならばお前も能力を使えばいいだろうが!」
ピクッとミツハのこめかみが動く。
「俺は...能力を持っていない」
それを聞いて霧隠は余計に怒りのボルテージが上がったようだ
「なんだと!そんなやつを俺の護衛によこしたのかこの組織は!この一大事になんということを...!」


正直返す言葉がない。能力を持っていないことは事実であるし、(言い方ってものがあると思うが)今はここをどう切り抜けるべきか考えるので精一杯だ


「...とにかく、この場を離れるぞ」
今襲撃されたことを考えれば近くまで迫った会合場所に霧隠を連れていくべきではない。ではどこに向かうべきか...車はもう使えない。


その時、霧隠の胸のあたりにどこからか赤いレーザーポイントが突きつけられた。
【...!!】
とっさにミツハは政宗を抜剣のように瞬時になぎ払い弾丸を弾き飛ばした。
今度は対物ライフルではなかったのか衝撃はさほど強くはなかったようだ。だが、それはつまり
「新手か!」
2人はとにかく森の中を駆ける。木々があればこちらの姿は見えなくなるだろうと逃げ込んだが、敵が1人でなければ話は別、逆にどこから狙われるのか分からなくなってしまった。


「くっそ...どうすればいい」
「ゼェ...ゼェ...おぃ...オイ!」
肩で息をしながら霧隠は大声をあげる。
「どう...するつもりだ!あいつら1人ではなかったぞ!このままじゃ逃げ切れん!俺をここで殺す気か!」
「わかってる!死にはさせない!とにかく落ち着いてくれ!」
「落ち着いてられるか!いつ殺されるか分からないんだぞ!」
見れば霧隠は僅かに震えているのが分かる。実戦経験がないのであるから当然だ






「いんや、落ち着いて平気だよおっさん。こいつも言ってるでしょ、死なせはしないってさ」






2人の真後ろから突然声が聞こえた。
武器に手をかけ素早く振り向いたミツハは思わず目を丸くする。


「...リオス?」
「緊急事態だってなぁミツハ。安心しろ、助けに来たぜ」
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