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14.骨のあるやつは嫌いじゃないで
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「それで俺を訪ねてきたってことか。アホちゃうかほんと...」
白のタンクトップに金髪の男。今川リョウは腕を組み直す。
「いくら能力が欲しいからって普通元敵に教えてもらおうなんて思うやつ、おらんやろ」
「ここにいる。それに今は仲間だろ」
ミツハは真っ直ぐ真剣な目つきになる。
今川リョウ。少し前に、ミツハとリオスの2人が入隊をするため基本入隊訓練の一貫として担当した任務の撃破対象だ。雷属性の能力者で、最終的にはリオスに肩と太腿を打ち抜かれ無力化された。命に別状はないため、収容されていたのだが...
「はぁーまったく。更生する意思を示せばここから出られると思って頑張ってきたんやけどなぁ。独房から出た瞬間こんなお守りをやらされることになるとは」
今川は両手を上げ、首を振った。
上げた右腕には、松葉杖がぶら下がっていた。
肩はある程度回復しているらしいが、太腿の傷は深く、歩くためにはまだ松葉杖が必要のようだ
「そもそもそんな簡単に教えられるもんやないで。能力が発現するのはふとしたきっかけであることが多い。俺がこの能力を手に入れたのだって感電したときにたまたまやからな。」
「...どんな時でも傷だらけなんだな、あんたって」
ミツハは思わず哀れみの目を向ける
「誰のせいやねん!!」
「能力が努力だけで簡単に発現出来るとは限らないのは知ってる。でも、これ以上遅れを取りたくない。能力を使えるイメージトレーニングだけでもいい。何かきっかけが欲しい。...頼む」
ミツハの意思を汲み取ったのか、はたまた根負けしたか
今川は多少口角を上げて、
「...ったくしゃーないなあ。骨のあるやつは嫌いじゃないで、少しくらいなら付き合ったるわ」
「どうもエナジーの扱いにロックをかけちまっとるなあお前は」
訓練室で今川は口を開く。
「エナジーを能力に変換するには多少の疲れが出る。血と同じで生命力を使っとるから当然やな。」
「お前はそれを本能的にブロックしとるんや。思い切りがないと能力なんて出せへんで」
今川は左手をかざし、シミュレーション用のデコイに電撃を浴びせる。大した威力ではないが、エナジーをうまくコントロールしている証拠だ。
「それ、もっかいやってみい」
ミツハは右手にエナジーを集中させる。実際に能力が発動したことはないので、イメージのみだが
「うーん、やっぱ途中でストップがかかってもーとるなあ。こういうやつは何度も窮地にたった方がやりやすいんじゃ...」
「どうもエナジーのコントロールっていうのがピンとこない。力を込めるだけじゃダメなのか?」
「そりゃあなあ、何度もやってるうちに慣れてくるもんやし...そや、お前あいつの能力近くで見とるんやろ?何か感じたこととかなかったんか」
あいつとはリオスのことだろう。確か手のひらにオレンジ色の球体を発生させて放っていた。その時何か...
【確か腕を曲げて...力は込めずゆるく構えて...】
「こう...か?」
フワッとミツハの周りの空気に変化があった。
「おう...おうそれや!まだ何も出てへんけど、エナジーを1箇所にまとめるイメージはそれであってるで!」
ほんの少しではあるが、自分でも変化を掴むことが出来た。ミツハは少しだけ、右手を握りしめる。
そこで、アナウンスが流れた。通信担当の無機質な声が聞こえてくる
「隊員ランク4、伊波ミツハ。適正任務が発生した。至急任務受付までくるように」
「何やお前、適正の任務がきたらアナウンスするようにしてたんか」
がむしゃらに任務をこなしていたミツハは、自分の実力にあった任務が来た時連絡を受けつけるように要請していた。霧隠れの時のようなイレギュラーはあったが。
「ああ、ちょっと行ってくる。...ありがとうな、助かった」
そう言うとミツハは部屋を出ていった。
少しむずがゆい思いの今川だったが、
「ほんま不憫なやつやなあ...あんまあせんなよ」
ポツリと言い残し、同じ扉を出ていく。
白のタンクトップに金髪の男。今川リョウは腕を組み直す。
「いくら能力が欲しいからって普通元敵に教えてもらおうなんて思うやつ、おらんやろ」
「ここにいる。それに今は仲間だろ」
ミツハは真っ直ぐ真剣な目つきになる。
今川リョウ。少し前に、ミツハとリオスの2人が入隊をするため基本入隊訓練の一貫として担当した任務の撃破対象だ。雷属性の能力者で、最終的にはリオスに肩と太腿を打ち抜かれ無力化された。命に別状はないため、収容されていたのだが...
「はぁーまったく。更生する意思を示せばここから出られると思って頑張ってきたんやけどなぁ。独房から出た瞬間こんなお守りをやらされることになるとは」
今川は両手を上げ、首を振った。
上げた右腕には、松葉杖がぶら下がっていた。
肩はある程度回復しているらしいが、太腿の傷は深く、歩くためにはまだ松葉杖が必要のようだ
「そもそもそんな簡単に教えられるもんやないで。能力が発現するのはふとしたきっかけであることが多い。俺がこの能力を手に入れたのだって感電したときにたまたまやからな。」
「...どんな時でも傷だらけなんだな、あんたって」
ミツハは思わず哀れみの目を向ける
「誰のせいやねん!!」
「能力が努力だけで簡単に発現出来るとは限らないのは知ってる。でも、これ以上遅れを取りたくない。能力を使えるイメージトレーニングだけでもいい。何かきっかけが欲しい。...頼む」
ミツハの意思を汲み取ったのか、はたまた根負けしたか
今川は多少口角を上げて、
「...ったくしゃーないなあ。骨のあるやつは嫌いじゃないで、少しくらいなら付き合ったるわ」
「どうもエナジーの扱いにロックをかけちまっとるなあお前は」
訓練室で今川は口を開く。
「エナジーを能力に変換するには多少の疲れが出る。血と同じで生命力を使っとるから当然やな。」
「お前はそれを本能的にブロックしとるんや。思い切りがないと能力なんて出せへんで」
今川は左手をかざし、シミュレーション用のデコイに電撃を浴びせる。大した威力ではないが、エナジーをうまくコントロールしている証拠だ。
「それ、もっかいやってみい」
ミツハは右手にエナジーを集中させる。実際に能力が発動したことはないので、イメージのみだが
「うーん、やっぱ途中でストップがかかってもーとるなあ。こういうやつは何度も窮地にたった方がやりやすいんじゃ...」
「どうもエナジーのコントロールっていうのがピンとこない。力を込めるだけじゃダメなのか?」
「そりゃあなあ、何度もやってるうちに慣れてくるもんやし...そや、お前あいつの能力近くで見とるんやろ?何か感じたこととかなかったんか」
あいつとはリオスのことだろう。確か手のひらにオレンジ色の球体を発生させて放っていた。その時何か...
【確か腕を曲げて...力は込めずゆるく構えて...】
「こう...か?」
フワッとミツハの周りの空気に変化があった。
「おう...おうそれや!まだ何も出てへんけど、エナジーを1箇所にまとめるイメージはそれであってるで!」
ほんの少しではあるが、自分でも変化を掴むことが出来た。ミツハは少しだけ、右手を握りしめる。
そこで、アナウンスが流れた。通信担当の無機質な声が聞こえてくる
「隊員ランク4、伊波ミツハ。適正任務が発生した。至急任務受付までくるように」
「何やお前、適正の任務がきたらアナウンスするようにしてたんか」
がむしゃらに任務をこなしていたミツハは、自分の実力にあった任務が来た時連絡を受けつけるように要請していた。霧隠れの時のようなイレギュラーはあったが。
「ああ、ちょっと行ってくる。...ありがとうな、助かった」
そう言うとミツハは部屋を出ていった。
少しむずがゆい思いの今川だったが、
「ほんま不憫なやつやなあ...あんまあせんなよ」
ポツリと言い残し、同じ扉を出ていく。
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