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第1章 ファスティアの冒険者
第47話 果たすべき仕事
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勢いよく扉を蹴り開け、中へと突入した三人――!
だが、室内の男らはエルスたちの侵入に気づいていなかったのか――驚きや戸惑いの色を浮かべる者や、粗末なテーブルや樽の上で酒やカードに興じている者もいる――。
「よう、邪魔して悪いな。お前さんたちのボスに訊きたいことがあってな。取り次いでもらえるかい?」
ニセルは馴染みの店に来たかのように軽く手を挙げ、一歩進み出る。
部屋はそれなりの広さがあり、見たところ、盗賊は七人居るようだ。そのうち一人は酒樽に突っ伏し、未だ鼾をかいている。
「何だテメェらは!? おい、外の野郎どもはどうした!?」
「ふっ、答えはひとつだろう?」
「チッ、使えねぇ!――誰か、ボスと姐御に知らせろ! とにかくコイツらを始末するぞ!」
盗賊の一人が剣を抜くなり――
ほかの男たちも次々と武器を手に、こちらを取り囲む――!
「テメェは見るからにやり手のようだが、残りの二人は何だぁ? ブルブル震えてるガキに、手負いの女じゃねぇか!」
「ぅるッ、うるせェ! 今ならまだ、見逃してもいいぜッ!……どうだッ!?」
「馬鹿かテメェは!――行くぞ野郎ども! 皆殺しだ!」
盗賊たちは一斉に勝鬨を上げ、こちらへ襲いかかってきた――!
「まっ、こうなるか――」
ニセルはマントの下から取り出したクロスボウで、後列にいた男の左胸を正確に射抜く!――そして、左手に忍ばせていた小型の斧を投擲し、別の男の喉元を掻き斬った! どうやら、さきほどアリサに投げつけられた物を回収していたようだ。
さらに、斬りかかってきた盗賊の剣を、長刃の短剣に持ち替えた右手で受け止める――!
「――クソッ! テメェの戦い方……素人じゃねぇな? さては同業者か!?」
「ふっ、さあな? ボスに訊いてみるといいんじゃないか?」
「あぁ?……なっ!? テメェの得物は、ボスと同じ……!」
「ご名答だ――」
男の視線が動いた一瞬の隙を見逃さず――ニセルは左手のダガーで、彼の首筋を刺し貫いた――!
「ぅおおおォーッ!」
エルスは気を吐き、剣を振り下ろす!――が、目の前の盗賊は大振りのナイフで、彼の攻撃を軽く受け流した!
「おやぁ?――どうしたどうしたぁ!? 手が震えてるぜぇ!?」
男はニヤニヤと嗤いながら、エルスの首元へナイフを突き出す!――エルスは辛うじて刺突をかわし、再び剣の間合いをとる――!
「ぅるッせェ――! 大体あんたらは、なんで簡単に人を殺せんだよッ!?」
「うーんー?……なぜって、ボクたちが盗賊だからでちゅよぉ?」
男はナイフをクルクルと回しながら「べぇー」っと舌を出す――。
「うぐッ……、馬鹿にしやがッて!」
「それに――これがボクたちの、お仕事でちゅからねぇー!」
言い終えるや男は身を屈め、素早くナイフの間合いへ入る!
そこから胸の急所を目がけて突き上げられた一撃を、エルスはなんとか避ける!――しかし、かすめた刃が彼の左肩に、浅い傷を残した!
「ぐあッ……! そッ、それなら――ッ」
負けじとエルスは、男の腹に強烈な膝蹴りを叩き込む!
男は堪らず腰を屈め、目玉を剥き出しながら悶える――!
「――それならッ!」
一度距離を取り、エルスは剣を逆手に構える――!
「そんなあんたらを倒すのがッ! 俺の〝仕事〟だァ――!」
エルスは決意の叫びと共に跳躍し、着地と同時に男の背中を貫いた!
男の躰は刃に沿い、そのまま床へと滑り落ちる――。
「……はぁ……はぁ……ッ! 俺はッ! そう決めたッ……!」
男の亡骸を見遣り、エルスは剣の血を振り払う。
そんな彼を見て、ニセルは小さく頷いた――。
「どうした? 女の子が血を流して。オジサンが診てやろうかぁ?」
アリサと対峙した盗賊は下品な嗤いと共に、彼女に剣を振り下ろす!
「いらないっ! なんか気持ち悪いもんっ」
攻撃をいとも容易く剣で弾き、アリサは力任せに男を押し戻す――!
「おおっと!――やるじゃねぇか。なら、もっと傷だらけにしてやるぜぇー!」
「はぁっ! ていっ――!」
再び飛びかかって来た男だったが――アリサの素早い斬撃によって顔面にX印を刻まれ、あっさりと床に転がる末路となった!
「もー。気持ち悪いの、嫌だって言ってるのに」
アリサは不機嫌そうに言いながら、剣に付いた血を汚らわしげに振り払う。
そんなアリサを見て、別の盗賊が驚いたように、彼女の剣を指さした。
「こッ、小娘!……テメェの剣、そいつは〝エレムシュヴェルト〟だなッ!?」
「えっ? これって、そんな変な名前だっけ?」
「間違いねぇ!――ラシード作の銘剣を、なんで小娘が持ってやがる!? よし、そいつを俺に寄越しな!」
「うーん。だめっ! だって、わたしも借りてるだけだし」
「――なら、テメェを殺して奪い取るまでよォー!」
男は片手持ちの斧を振り上げ、大きく跳び上がる――!
「だめだってば! たぁ――っ!」
アリサは攻撃の着地点から軽やかに跳び退き、撫でつけるように男の脇腹を斬り裂いた――!
「がぁ……。この斬れ味!……たまんねぇ……!」
最期に恍惚の笑みを浮かべ――男は、ゆっくりと床に崩れ落ちる。
「……そんなに良いのかなぁ?」
対してアリサは眉を顰め、困惑気味に首を傾げるのだった――。
――斯くして無事に、盗賊たちを倒し終えたエルスたち。
彼らの周囲には、いまや六人の男が倒れている。
「全員……やったのか?」
「いや、一人足りないな。おそらくは増援を呼びに行ったんだろう」
「じゃあ、すぐに追いかけた方が?」
「なあに、必要はないさ。向こうさんの方から近づいている」
ニセルは自身の左耳を指でさす。どうやら、彼には聞こえているようだ。
やがて、足元の男たちは白い霧となり――虚空へ消えてしまった。エルスはその光景を頭に焼きつけ、静かに目を閉じる――。
「――どうやら、ジェイドが直々にお出ましのようだな」
いよいよ最後の敵も間近に迫っている。
ニセルは二人に対し、決戦への注意を促す。
「どッ……どんなヤツなんだろうな……? ロイマンみてェな大男じゃなきゃいいけど……」
「うーん?――盗賊だし、細くて格好良いオジサンかも?」
「ハッ! 正解だ。お嬢ちゃん!」
不意に――男の渋い声が、部屋の中へと響きわたる!
――続いて奥の通路から、細身の中年男が現れた! 彼は〝移動魔法〟を使っているのか、緑色の結界を纏い、地面からわずかに浮遊している。
「ようこそ、侵入者の諸君。ここからは、俺様が歓迎してやろう!」
芝居がかった口調で言い、目の前の男は祝宴でも開くかのように、両手を広げてみせる。
「ふっ。相変わらずだな、ジェイド……」
ニセルは男を見据えたまま、ニヤリと口元を上げるのだった――。
だが、室内の男らはエルスたちの侵入に気づいていなかったのか――驚きや戸惑いの色を浮かべる者や、粗末なテーブルや樽の上で酒やカードに興じている者もいる――。
「よう、邪魔して悪いな。お前さんたちのボスに訊きたいことがあってな。取り次いでもらえるかい?」
ニセルは馴染みの店に来たかのように軽く手を挙げ、一歩進み出る。
部屋はそれなりの広さがあり、見たところ、盗賊は七人居るようだ。そのうち一人は酒樽に突っ伏し、未だ鼾をかいている。
「何だテメェらは!? おい、外の野郎どもはどうした!?」
「ふっ、答えはひとつだろう?」
「チッ、使えねぇ!――誰か、ボスと姐御に知らせろ! とにかくコイツらを始末するぞ!」
盗賊の一人が剣を抜くなり――
ほかの男たちも次々と武器を手に、こちらを取り囲む――!
「テメェは見るからにやり手のようだが、残りの二人は何だぁ? ブルブル震えてるガキに、手負いの女じゃねぇか!」
「ぅるッ、うるせェ! 今ならまだ、見逃してもいいぜッ!……どうだッ!?」
「馬鹿かテメェは!――行くぞ野郎ども! 皆殺しだ!」
盗賊たちは一斉に勝鬨を上げ、こちらへ襲いかかってきた――!
「まっ、こうなるか――」
ニセルはマントの下から取り出したクロスボウで、後列にいた男の左胸を正確に射抜く!――そして、左手に忍ばせていた小型の斧を投擲し、別の男の喉元を掻き斬った! どうやら、さきほどアリサに投げつけられた物を回収していたようだ。
さらに、斬りかかってきた盗賊の剣を、長刃の短剣に持ち替えた右手で受け止める――!
「――クソッ! テメェの戦い方……素人じゃねぇな? さては同業者か!?」
「ふっ、さあな? ボスに訊いてみるといいんじゃないか?」
「あぁ?……なっ!? テメェの得物は、ボスと同じ……!」
「ご名答だ――」
男の視線が動いた一瞬の隙を見逃さず――ニセルは左手のダガーで、彼の首筋を刺し貫いた――!
「ぅおおおォーッ!」
エルスは気を吐き、剣を振り下ろす!――が、目の前の盗賊は大振りのナイフで、彼の攻撃を軽く受け流した!
「おやぁ?――どうしたどうしたぁ!? 手が震えてるぜぇ!?」
男はニヤニヤと嗤いながら、エルスの首元へナイフを突き出す!――エルスは辛うじて刺突をかわし、再び剣の間合いをとる――!
「ぅるッせェ――! 大体あんたらは、なんで簡単に人を殺せんだよッ!?」
「うーんー?……なぜって、ボクたちが盗賊だからでちゅよぉ?」
男はナイフをクルクルと回しながら「べぇー」っと舌を出す――。
「うぐッ……、馬鹿にしやがッて!」
「それに――これがボクたちの、お仕事でちゅからねぇー!」
言い終えるや男は身を屈め、素早くナイフの間合いへ入る!
そこから胸の急所を目がけて突き上げられた一撃を、エルスはなんとか避ける!――しかし、かすめた刃が彼の左肩に、浅い傷を残した!
「ぐあッ……! そッ、それなら――ッ」
負けじとエルスは、男の腹に強烈な膝蹴りを叩き込む!
男は堪らず腰を屈め、目玉を剥き出しながら悶える――!
「――それならッ!」
一度距離を取り、エルスは剣を逆手に構える――!
「そんなあんたらを倒すのがッ! 俺の〝仕事〟だァ――!」
エルスは決意の叫びと共に跳躍し、着地と同時に男の背中を貫いた!
男の躰は刃に沿い、そのまま床へと滑り落ちる――。
「……はぁ……はぁ……ッ! 俺はッ! そう決めたッ……!」
男の亡骸を見遣り、エルスは剣の血を振り払う。
そんな彼を見て、ニセルは小さく頷いた――。
「どうした? 女の子が血を流して。オジサンが診てやろうかぁ?」
アリサと対峙した盗賊は下品な嗤いと共に、彼女に剣を振り下ろす!
「いらないっ! なんか気持ち悪いもんっ」
攻撃をいとも容易く剣で弾き、アリサは力任せに男を押し戻す――!
「おおっと!――やるじゃねぇか。なら、もっと傷だらけにしてやるぜぇー!」
「はぁっ! ていっ――!」
再び飛びかかって来た男だったが――アリサの素早い斬撃によって顔面にX印を刻まれ、あっさりと床に転がる末路となった!
「もー。気持ち悪いの、嫌だって言ってるのに」
アリサは不機嫌そうに言いながら、剣に付いた血を汚らわしげに振り払う。
そんなアリサを見て、別の盗賊が驚いたように、彼女の剣を指さした。
「こッ、小娘!……テメェの剣、そいつは〝エレムシュヴェルト〟だなッ!?」
「えっ? これって、そんな変な名前だっけ?」
「間違いねぇ!――ラシード作の銘剣を、なんで小娘が持ってやがる!? よし、そいつを俺に寄越しな!」
「うーん。だめっ! だって、わたしも借りてるだけだし」
「――なら、テメェを殺して奪い取るまでよォー!」
男は片手持ちの斧を振り上げ、大きく跳び上がる――!
「だめだってば! たぁ――っ!」
アリサは攻撃の着地点から軽やかに跳び退き、撫でつけるように男の脇腹を斬り裂いた――!
「がぁ……。この斬れ味!……たまんねぇ……!」
最期に恍惚の笑みを浮かべ――男は、ゆっくりと床に崩れ落ちる。
「……そんなに良いのかなぁ?」
対してアリサは眉を顰め、困惑気味に首を傾げるのだった――。
――斯くして無事に、盗賊たちを倒し終えたエルスたち。
彼らの周囲には、いまや六人の男が倒れている。
「全員……やったのか?」
「いや、一人足りないな。おそらくは増援を呼びに行ったんだろう」
「じゃあ、すぐに追いかけた方が?」
「なあに、必要はないさ。向こうさんの方から近づいている」
ニセルは自身の左耳を指でさす。どうやら、彼には聞こえているようだ。
やがて、足元の男たちは白い霧となり――虚空へ消えてしまった。エルスはその光景を頭に焼きつけ、静かに目を閉じる――。
「――どうやら、ジェイドが直々にお出ましのようだな」
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「うーん?――盗賊だし、細くて格好良いオジサンかも?」
「ハッ! 正解だ。お嬢ちゃん!」
不意に――男の渋い声が、部屋の中へと響きわたる!
――続いて奥の通路から、細身の中年男が現れた! 彼は〝移動魔法〟を使っているのか、緑色の結界を纏い、地面からわずかに浮遊している。
「ようこそ、侵入者の諸君。ここからは、俺様が歓迎してやろう!」
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