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第20話 クライブ
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「ルグラン子爵令嬢、さぁ水を飲むんだ」
目の前のワインを一気に飲み干した彼女の様子がおかしい。
こちらを見る目は潤んでいて、頬に赤みがさし、全体的にぽわ~んとしている。
そして、笑っている。
これは、間違いなく酔っているだろう。
とにかくアルコールを中和させようと水を飲ませ、その間にも給仕に水を注いでもらう。
「ふふっ、大丈夫ですよ」
ニコニコして笑いながらグラスに口をつけて、大きな瞳がこちらを向く。
こんな彼女の姿、誰にも見せられない。
自分以外には見せたくない、そう強く思った。
婚約者以外の女性と親しくなり、勝手に婚約破棄をし、激怒したベルナール侯爵である父上から絶縁され辺境で騎士として今までやってきた。
婚約に対して前向きに考えてくれているルグラン子爵令嬢に、過去の出来事を話した。
俺の耳には入らないが、団長に多少の噂話になっているから自分の口から伝えておけと、アドバイスを受けたのもある。
でも、この説明が世間の噂する内容と相違があることを俺は忘れていた。
この時は、学生時代に婚約者が噂話[男を誑かす女]を信じて婚約解消された過去を持つルグラン子爵令嬢が、自分の話を聞いてどう感じるか。
そのことで頭が一杯だった。
「・・・・・・そうですか」
それしか言わない彼女に、そして、会う度に色々な質問をしてくる明るい彼女に安心しきっていた。
5度目の外出時に、ルグラン子爵令嬢から『婚約の話、お受けします。よろしくお願いします』と了承を得て、舞い上がるような気分になった。
そして、ルグラン子爵にご挨拶へ行き、3ヶ月後に結婚した。
毎日同じベッドで最愛の女性と愛し合い、目覚めれば隣に眠る愛おしい存在が居る。
ただただ幸せを感じていた。
仕事を続けているシドニーを毎朝離宮まで送り届け、可能な限り帰宅時間も合わせた。
そんな姿を見て、幼い頃からの俺を知るサンディーが嬉し涙を流しているのを見かけた。
全てが順調に進んでいた。
「2年ぶりの夜会なの」
夜会で嫌な思いばかりしてきたシドニーは、明日の夜会が不安でため息ばかりついている。
「俺は12年、いや、13年ぶりだ」
明日は、そばにいるから。
大丈夫。
ノックス男爵夫妻として出席しなければならないその夜会で、もう二度と会うことはないだろう、その存在すら忘れかけていた人物と顔を合わせることになるなんて、この時は思いもしなかった。
目の前のワインを一気に飲み干した彼女の様子がおかしい。
こちらを見る目は潤んでいて、頬に赤みがさし、全体的にぽわ~んとしている。
そして、笑っている。
これは、間違いなく酔っているだろう。
とにかくアルコールを中和させようと水を飲ませ、その間にも給仕に水を注いでもらう。
「ふふっ、大丈夫ですよ」
ニコニコして笑いながらグラスに口をつけて、大きな瞳がこちらを向く。
こんな彼女の姿、誰にも見せられない。
自分以外には見せたくない、そう強く思った。
婚約者以外の女性と親しくなり、勝手に婚約破棄をし、激怒したベルナール侯爵である父上から絶縁され辺境で騎士として今までやってきた。
婚約に対して前向きに考えてくれているルグラン子爵令嬢に、過去の出来事を話した。
俺の耳には入らないが、団長に多少の噂話になっているから自分の口から伝えておけと、アドバイスを受けたのもある。
でも、この説明が世間の噂する内容と相違があることを俺は忘れていた。
この時は、学生時代に婚約者が噂話[男を誑かす女]を信じて婚約解消された過去を持つルグラン子爵令嬢が、自分の話を聞いてどう感じるか。
そのことで頭が一杯だった。
「・・・・・・そうですか」
それしか言わない彼女に、そして、会う度に色々な質問をしてくる明るい彼女に安心しきっていた。
5度目の外出時に、ルグラン子爵令嬢から『婚約の話、お受けします。よろしくお願いします』と了承を得て、舞い上がるような気分になった。
そして、ルグラン子爵にご挨拶へ行き、3ヶ月後に結婚した。
毎日同じベッドで最愛の女性と愛し合い、目覚めれば隣に眠る愛おしい存在が居る。
ただただ幸せを感じていた。
仕事を続けているシドニーを毎朝離宮まで送り届け、可能な限り帰宅時間も合わせた。
そんな姿を見て、幼い頃からの俺を知るサンディーが嬉し涙を流しているのを見かけた。
全てが順調に進んでいた。
「2年ぶりの夜会なの」
夜会で嫌な思いばかりしてきたシドニーは、明日の夜会が不安でため息ばかりついている。
「俺は12年、いや、13年ぶりだ」
明日は、そばにいるから。
大丈夫。
ノックス男爵夫妻として出席しなければならないその夜会で、もう二度と会うことはないだろう、その存在すら忘れかけていた人物と顔を合わせることになるなんて、この時は思いもしなかった。
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