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月曜日の朝だ。
支度を済ませて、リビングに行けばお父さんは熱帯魚に餌をあげていた。
もうご飯は食べ終わってテーブルにはコーヒーが置かれている。
その横には私とお兄ちゃんの分の朝ご飯、お兄ちゃんがネクタイを巻きながら二階から降りてきたのでおはようって言った。
「目玉焼き……お醤油かけるの?」
「かけるかける、かけるし時間ないからご飯の上に乗せといて一分で食って家出る」
「一分か……お父さんは二分はかかると思うけどなぁ」
お兄ちゃんが席に着く前にご飯の上に目玉焼きを移動させておいた、お醤油を少しかけたらお兄ちゃんが椅子を引いて。
「サンキュ、寧々」
「うん」
お兄ちゃんは時計を確認しながら頂きますも言わずにご飯を食べ始める、ゆっくりお味噌汁に口を付けると、お母さんが雑誌の折り込みを私に差し出した。
「なぁに?」
「医療事務、時間ある時に勉強してみたら?」
「医療、事務……? どうして?」
「ほら商店街の診療所いつも受け付け募集しているから」
「え? 何の話? 私、転職なんて考えていないんだけど」
「お給料もそんなに上がらないし、わざわざ電車乗って遠い会社に行く必要なんてないんじゃない?」
「…………そんな」
まさか、そう来るとは……会社辞めろなんて言われると思わなかった。
「でも会社の人達……とっても良くしてくれてるし辞める理由がないよ」
「理由は体調不良でもなんでも書けるでしょう。それに良くしてくれるって…………若い子に朝帰りを推奨するような会社なんて」
「はいはい、まだわかんなんの? 朝まで飲みたい位楽しかったって事だろ」
「何、桂馬あなた一分でご飯食べるんじゃなかったの」
「あれ? そんな事言ったかな」
お兄ちゃんは、ご飯をかっこむのを止めて箸を置くと、目玉焼きにマヨネーズまでかけだした。
「まあほら、病院の受付なら看護師さんとか? もしかした、お医者さんなんて素敵な出会いがあるかもしれないわよ」
「…………お母さん、それは向こうだって素敵な出会いを待ってるんだから、化粧もお洒落もしない女なんて待ってる訳ないじゃん。特別若い訳でもないし」
「それはあなたの怠慢でしょう」
「お父さんは今の寧々も素敵だと思うよ」
それじゃあ私は先に仕事行くから申し込んでおきなさいねってお母さんはエプロンを脱いで早々と部屋を出た。
お父さんはやりたい仕事をやりなさいって頭を撫でてくれた。
やりたい仕事……今の仕事がやりたい仕事なのかは分からないけれど、会社は好きなんだ。
辛い事もあるけど、笑う時間だってある…………今は辰巳さんもいるし。
お兄ちゃんは別の医療系の資格を指差して内容を説明したり、給料の話をしたり時々笑いを交えてご飯を食べながら私の気持ちを落ち着かせてくれた。
もう用事は他の人に頼んだからとお兄ちゃんと一緒に家を出た。
一つ目の信号を渡った所で、
「ごめんな」
と頭の上で言われて髪を撫でられて、よくわからないけど首を縦に振る。
「俺が昔キレたばっかりに母さんの毒を全部寧々が被る事になってさ」
「ああ…………いいよ、それよりお兄ちゃんこそ私が心配で結婚できないよね。ごめん」
と言うのも、お兄ちゃんはずっと昔から同じ人と付き合ってる。
「それはいいんだよ、相手も理解してくれてるから問題ない」
「問題なくないよ、私は大丈夫だから結婚……してよ。私には無理でもお兄ちゃんなら出来るでしょ、お母さんも孫抱いたら変わるかもよ」
「俺の子供なんて喜ばないだろ母さんは、それに寧々か結婚かを選べって言われたら、俺は妹を取るよ」
「…………」
「心配ない。ああ、それにしても何か……うーん……」
「何?」
改札を抜けて、エスカレーターに乗ってお兄ちゃんは振り返って私の顔を覗き込んできた。
「何か寧々変わった? ような? やっぱあれ……上司のせい? だから母さんもビビったんじゃないの……んーなんだろうな、相変わらずもっさい眼鏡なのになぁ」
「変わった? 私が?」
いや、何言ってんの。
それはエッチな事はしたけど、別に挿…………?!!!
ってエッチな事って何だよ!!
あ、そっか何か昨日普通にお兄ちゃんと恒例の日曜日を過ごしちゃってのほんとしてたけど、そうじゃんそうじゃん!
私めっちゃエッチな事してた!
え? そうなの!?
中でイッた時特有の女性ホルモン的な何かが私を変えているのか?!
う、う、う!! 何か恥ずかしくなってきたじゃん!
「え、何寧々その反応……おいまさかその上司と変な事してないよな。まだ付き合ってないんだろ!? 俺はてっきり紳士的に介抱してくれたんだとばっかり思っていたのだが?」
「し、し、紳士的だよ! もちろん紳士マジ紳士!」
ホームに着いたらお兄ちゃんが乗る方の電車が到着していて、兄の背中を力の限り押す。
「早く乗んなよ!」
「怪しすぎる! 帰ったら話聞かせろよな!」
「何にもないったら」
と睨むお兄ちゃんを電車に押し込んだ。
ドアが閉まって手を振って、セーフセーフ。
私も反対側の電車に乗ってガラスドアに映る自分を見て前髪なんて気にしてみたりする。
窮屈な通勤電車に揺られて揺られて、会社が近付いて来て緊張してきたぁ!
あ、でもよくよく考えたら私ラッキーだな、元々の顔を知られてるからスッピン見せられない恥ずかしいー! みたいな女子女子しい事になんないでいい。
ああ、あと毛とか……。
そんなん金曜日は当たり前の如く何の準備もされてなくて濃くはなくてもあっちこっち生えたままだった。
で、そんな体撫でまわされてたから、エチケット的なとこも怖いものなしなはずなのに…………。
はずなのに…………昨日お風呂でちょっと毛の処理をした。
はぁあ……なるほど、そうゆうとこなのかエッチすると綺麗になるって、いやだって冬だからって怠慢しないで脇くらいは剃るべきだったなと女として反省を……。
後いいかげん、下着も白くなくていいのかもしれない。
あ、何かそうやって内側から改革されていくのか……。
したら、こないだの辰巳さんの言葉が蘇って、辰巳さんはミーティングルームで私を抱いて言ってたな。
革命の時は近い……ってそ、そうなのか! これこそスキンケア革命!!
「寧々君おはよう」
「?!!」
革命家キタッ!!!
駅に着いて人が降りてまた人が乗ってきて、その中に異常にキラキラした人いてる!!
「お、おはようございます。辰巳さんもこの電車……」
「うん、御茶ノ水駅でちょうど目の前が階段の車両」
「はい」
「たまに一緒だったんだよ? 君は下を向いてて気付いていなかったみたいだけど」
「そ、そうですか」
ちょっとやだ! ネイビーのスリーピースってそんな光沢あったっけ!! うううううぅ眩しい太陽拳でも使ってるの目くらくらする、よって後ろ向く。
「どうした寧々君、なぜ僕に背を向ける」
「せ、世界の車窓から……」
「窓開いてないのに?」
「今日は中央線快速の車窓からです。超高層ビルが群れをなすここ新宿はその昔浄水場でした」
「へぇ」
Wikipediaを見ながらそんなんで誤魔化すこと数分、不意に電車が揺れて後ろから顔の所に手突かれて、し、し、心臓止まっちゃ……!!
「大丈夫? 苦しくない?」
「苦しいですよ! 離れて下さい」
「え、それは電車の中だから無……」
キッっと視線で威嚇してみたんだけど、目があった辰巳さんはにこっとして、頭顎でスリスリしてくるぅ!!
「なぁに? 僕を想って苦しいの寧々ちゃん、可愛いなぁもっと胸痛くしちゃっていいんだよ。ほら僕達いちゃいちゃして凄く電車の中で迷惑、朝からこういうカップル死んでほしいよね」
「なら止めて下さいよ」
「ふふふふふ」
額にちゅっちゅしてくるし、本当に壁みたいな大きさだからこの人!
「それで……お母様は何か言ってました?」
「…………ん?」
体向き変えられてまた辰巳さん目の前に来ちゃって、眼鏡の奥の緑色は今日も綺麗だ。
「怒っていませんでしたか」
「ああ…………大丈夫、ですよ。元々何でもダメって言う人だから問題ないです」
「ダメって言われてしまったんだね」
「あっ……」
「会社辞めろとか言われてない?」
「?!」
返せなくて目逸らしちゃって、もうこんなの言われたって言ってるようなもんじゃんよ! 嘘位つけよ私! そしたら大きな手がさらっと髪をかき上げてきて指輪が冷たい、目瞑る。
「それなのに会社来たの」
「だって」
「僕に会いたかった?」
むむむってしてたら、ちゅって唇に温かいのが触れた。
ええ……ちょっと待って、ここ電車……!
「辰巳さッ!!!」
「目瞑って唇尖らせたから、てっきりキスのおねだりかと」
「した事ないですよねそんな事ッ!」
「あ、御茶ノ水……足元気を付けてね」
レディーファーストが良く似合う見た目で手を引かれて、皆見てるし。
ねえもうすっごい恥ずかしいよ! 辰巳さんと私の凹凸加減、王族としめじみたいなレベルなんだぞ。
そして駅を出て太陽を浴びた辰巳さんは白い歯を光らせて言った。
「組織の人間の言葉には耳を貸さないに限る」
我が営業部の部長は今日も何者かに狙われているようだ。
支度を済ませて、リビングに行けばお父さんは熱帯魚に餌をあげていた。
もうご飯は食べ終わってテーブルにはコーヒーが置かれている。
その横には私とお兄ちゃんの分の朝ご飯、お兄ちゃんがネクタイを巻きながら二階から降りてきたのでおはようって言った。
「目玉焼き……お醤油かけるの?」
「かけるかける、かけるし時間ないからご飯の上に乗せといて一分で食って家出る」
「一分か……お父さんは二分はかかると思うけどなぁ」
お兄ちゃんが席に着く前にご飯の上に目玉焼きを移動させておいた、お醤油を少しかけたらお兄ちゃんが椅子を引いて。
「サンキュ、寧々」
「うん」
お兄ちゃんは時計を確認しながら頂きますも言わずにご飯を食べ始める、ゆっくりお味噌汁に口を付けると、お母さんが雑誌の折り込みを私に差し出した。
「なぁに?」
「医療事務、時間ある時に勉強してみたら?」
「医療、事務……? どうして?」
「ほら商店街の診療所いつも受け付け募集しているから」
「え? 何の話? 私、転職なんて考えていないんだけど」
「お給料もそんなに上がらないし、わざわざ電車乗って遠い会社に行く必要なんてないんじゃない?」
「…………そんな」
まさか、そう来るとは……会社辞めろなんて言われると思わなかった。
「でも会社の人達……とっても良くしてくれてるし辞める理由がないよ」
「理由は体調不良でもなんでも書けるでしょう。それに良くしてくれるって…………若い子に朝帰りを推奨するような会社なんて」
「はいはい、まだわかんなんの? 朝まで飲みたい位楽しかったって事だろ」
「何、桂馬あなた一分でご飯食べるんじゃなかったの」
「あれ? そんな事言ったかな」
お兄ちゃんは、ご飯をかっこむのを止めて箸を置くと、目玉焼きにマヨネーズまでかけだした。
「まあほら、病院の受付なら看護師さんとか? もしかした、お医者さんなんて素敵な出会いがあるかもしれないわよ」
「…………お母さん、それは向こうだって素敵な出会いを待ってるんだから、化粧もお洒落もしない女なんて待ってる訳ないじゃん。特別若い訳でもないし」
「それはあなたの怠慢でしょう」
「お父さんは今の寧々も素敵だと思うよ」
それじゃあ私は先に仕事行くから申し込んでおきなさいねってお母さんはエプロンを脱いで早々と部屋を出た。
お父さんはやりたい仕事をやりなさいって頭を撫でてくれた。
やりたい仕事……今の仕事がやりたい仕事なのかは分からないけれど、会社は好きなんだ。
辛い事もあるけど、笑う時間だってある…………今は辰巳さんもいるし。
お兄ちゃんは別の医療系の資格を指差して内容を説明したり、給料の話をしたり時々笑いを交えてご飯を食べながら私の気持ちを落ち着かせてくれた。
もう用事は他の人に頼んだからとお兄ちゃんと一緒に家を出た。
一つ目の信号を渡った所で、
「ごめんな」
と頭の上で言われて髪を撫でられて、よくわからないけど首を縦に振る。
「俺が昔キレたばっかりに母さんの毒を全部寧々が被る事になってさ」
「ああ…………いいよ、それよりお兄ちゃんこそ私が心配で結婚できないよね。ごめん」
と言うのも、お兄ちゃんはずっと昔から同じ人と付き合ってる。
「それはいいんだよ、相手も理解してくれてるから問題ない」
「問題なくないよ、私は大丈夫だから結婚……してよ。私には無理でもお兄ちゃんなら出来るでしょ、お母さんも孫抱いたら変わるかもよ」
「俺の子供なんて喜ばないだろ母さんは、それに寧々か結婚かを選べって言われたら、俺は妹を取るよ」
「…………」
「心配ない。ああ、それにしても何か……うーん……」
「何?」
改札を抜けて、エスカレーターに乗ってお兄ちゃんは振り返って私の顔を覗き込んできた。
「何か寧々変わった? ような? やっぱあれ……上司のせい? だから母さんもビビったんじゃないの……んーなんだろうな、相変わらずもっさい眼鏡なのになぁ」
「変わった? 私が?」
いや、何言ってんの。
それはエッチな事はしたけど、別に挿…………?!!!
ってエッチな事って何だよ!!
あ、そっか何か昨日普通にお兄ちゃんと恒例の日曜日を過ごしちゃってのほんとしてたけど、そうじゃんそうじゃん!
私めっちゃエッチな事してた!
え? そうなの!?
中でイッた時特有の女性ホルモン的な何かが私を変えているのか?!
う、う、う!! 何か恥ずかしくなってきたじゃん!
「え、何寧々その反応……おいまさかその上司と変な事してないよな。まだ付き合ってないんだろ!? 俺はてっきり紳士的に介抱してくれたんだとばっかり思っていたのだが?」
「し、し、紳士的だよ! もちろん紳士マジ紳士!」
ホームに着いたらお兄ちゃんが乗る方の電車が到着していて、兄の背中を力の限り押す。
「早く乗んなよ!」
「怪しすぎる! 帰ったら話聞かせろよな!」
「何にもないったら」
と睨むお兄ちゃんを電車に押し込んだ。
ドアが閉まって手を振って、セーフセーフ。
私も反対側の電車に乗ってガラスドアに映る自分を見て前髪なんて気にしてみたりする。
窮屈な通勤電車に揺られて揺られて、会社が近付いて来て緊張してきたぁ!
あ、でもよくよく考えたら私ラッキーだな、元々の顔を知られてるからスッピン見せられない恥ずかしいー! みたいな女子女子しい事になんないでいい。
ああ、あと毛とか……。
そんなん金曜日は当たり前の如く何の準備もされてなくて濃くはなくてもあっちこっち生えたままだった。
で、そんな体撫でまわされてたから、エチケット的なとこも怖いものなしなはずなのに…………。
はずなのに…………昨日お風呂でちょっと毛の処理をした。
はぁあ……なるほど、そうゆうとこなのかエッチすると綺麗になるって、いやだって冬だからって怠慢しないで脇くらいは剃るべきだったなと女として反省を……。
後いいかげん、下着も白くなくていいのかもしれない。
あ、何かそうやって内側から改革されていくのか……。
したら、こないだの辰巳さんの言葉が蘇って、辰巳さんはミーティングルームで私を抱いて言ってたな。
革命の時は近い……ってそ、そうなのか! これこそスキンケア革命!!
「寧々君おはよう」
「?!!」
革命家キタッ!!!
駅に着いて人が降りてまた人が乗ってきて、その中に異常にキラキラした人いてる!!
「お、おはようございます。辰巳さんもこの電車……」
「うん、御茶ノ水駅でちょうど目の前が階段の車両」
「はい」
「たまに一緒だったんだよ? 君は下を向いてて気付いていなかったみたいだけど」
「そ、そうですか」
ちょっとやだ! ネイビーのスリーピースってそんな光沢あったっけ!! うううううぅ眩しい太陽拳でも使ってるの目くらくらする、よって後ろ向く。
「どうした寧々君、なぜ僕に背を向ける」
「せ、世界の車窓から……」
「窓開いてないのに?」
「今日は中央線快速の車窓からです。超高層ビルが群れをなすここ新宿はその昔浄水場でした」
「へぇ」
Wikipediaを見ながらそんなんで誤魔化すこと数分、不意に電車が揺れて後ろから顔の所に手突かれて、し、し、心臓止まっちゃ……!!
「大丈夫? 苦しくない?」
「苦しいですよ! 離れて下さい」
「え、それは電車の中だから無……」
キッっと視線で威嚇してみたんだけど、目があった辰巳さんはにこっとして、頭顎でスリスリしてくるぅ!!
「なぁに? 僕を想って苦しいの寧々ちゃん、可愛いなぁもっと胸痛くしちゃっていいんだよ。ほら僕達いちゃいちゃして凄く電車の中で迷惑、朝からこういうカップル死んでほしいよね」
「なら止めて下さいよ」
「ふふふふふ」
額にちゅっちゅしてくるし、本当に壁みたいな大きさだからこの人!
「それで……お母様は何か言ってました?」
「…………ん?」
体向き変えられてまた辰巳さん目の前に来ちゃって、眼鏡の奥の緑色は今日も綺麗だ。
「怒っていませんでしたか」
「ああ…………大丈夫、ですよ。元々何でもダメって言う人だから問題ないです」
「ダメって言われてしまったんだね」
「あっ……」
「会社辞めろとか言われてない?」
「?!」
返せなくて目逸らしちゃって、もうこんなの言われたって言ってるようなもんじゃんよ! 嘘位つけよ私! そしたら大きな手がさらっと髪をかき上げてきて指輪が冷たい、目瞑る。
「それなのに会社来たの」
「だって」
「僕に会いたかった?」
むむむってしてたら、ちゅって唇に温かいのが触れた。
ええ……ちょっと待って、ここ電車……!
「辰巳さッ!!!」
「目瞑って唇尖らせたから、てっきりキスのおねだりかと」
「した事ないですよねそんな事ッ!」
「あ、御茶ノ水……足元気を付けてね」
レディーファーストが良く似合う見た目で手を引かれて、皆見てるし。
ねえもうすっごい恥ずかしいよ! 辰巳さんと私の凹凸加減、王族としめじみたいなレベルなんだぞ。
そして駅を出て太陽を浴びた辰巳さんは白い歯を光らせて言った。
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