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寧々ちゃんまだまだ寵愛中
お料理熟練度 ◎
しおりを挟む「あ、あ……辰巳さん、やっぱだめぇ」
「どうして? 寧々ちゃんがしたいって言ったんだよ」
「でも、怖いからぁ、んん……寧々痛いの嫌です」
「僕が寧々ちゃんに痛い事する訳ないでしょう? これ使うと直ぐトロトロになるよ僕がいるから大丈夫」
「いやいや」
恐い恐いってしたら頭なでなでされたのでササッと背中に隠れるのです!
そうここはキッチンなのです!
「事故っていうのは大体ルールを守らない時に起こるものですからね、使用上の注意をよく読んで説明書通りに調理すれば安全且つ美味しい料理ができますよ」
「ヒャッ!! シュシュシュって言い出したぁ」
「圧がかかって何分だったかな」
「そんなの先に覚えておかなきゃだめでしょ! 爆発したらどうするですか!」
「しないってば」
少しはお料理できるようになったけど、圧力鍋って異次元の怖さなのだ、だってこれ爆弾になったりするって言うし!
こないだ、隣のおばあちゃんにお花と山ほど大葉あげたら、特売でつい買っちゃったんだけど、年寄りはこんなに食べられないからと、豚バラの塊を貰ったのです。
さっそく挙手して、トロトロの豚の角煮が食べたいです! って提案したら、じゃあ今から作ってお夕飯に食べましょう。
と辰巳さんは私じゃ届かない上の棚から重々しい鈍器を取り出したのだ。
「初めて見るお鍋」
「そうかな? 寧々ちゃんに骨まで食べさせたいからイワシやサンマは、よくこれで煮てるけど」
「蓋が変な形」
「うん、圧力がかかるとこの赤いピンが上がって蒸気が出て……」
「は!! これが圧力鍋なんですか!」
眼鏡きりってしながら凝視して、そうなんだこれが圧力鍋! ジャパネットで見て美味しそうな料理にほえ~ってなったけど、いっぱい事故も起きてるってネットで見たから、私絶対その事故起こす人! と思ってそれ以上は触れてなかったのに!
で、辰巳さんの背中で歌ってたら、タイマーが鳴った。
「え?! もうできたんですか?! 凄い」
「ううん、これは下茹でなのでもう一度、今度は調味料入れて煮ますよ」
辰巳さんは大根の面取りしてて、ヤバい! 歌ってないで手伝わなきゃ!
冷水に浸った茹で卵があったので、皮剥くの得意!!
辰巳さんはネギとか色んなの入れてまたお鍋の蓋をした。
それで夜には私が言った通り、艶々で箸を入れたらスッと切れてしまう、とっろとろな角煮が食卓に並んだ。
大根も芯まで煮汁が染み込んでてじゅんってして、一口食べる毎にその美味しさに抱き付いちゃう。
こんな素晴らしい角煮を目の前に辰巳さんは言う。
「この煮卵、寧々ちゃんが剥いてくれたから、世界で一番美味しいです」
「何もしてないに等しいじゃないですか!」
「美味しくなあれ美味しくなあれ、の呪文代わりに寧々ちゃんが僕の背中でずっと紅を歌ってくれたから絶品になりました」
「無理矢理褒めるの止めてもらっていいですか!」
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