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恋人
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「いや~楽しみだなあ~心の友よ」
「は? 全然ッ?! 全く楽しみでもなければ、貴様はオレの心の友でもないのだが?」
「お前……あんなに熱い告白を交わし合ったこのボクをセフレだとでも思って」
「ねえよバカ死ね」
東京駅のホームで肩を組んできた幼馴染に肘鉄を腹に喰らわせておく、オレは不機嫌なのだ。
毎日顔を合わせている上に、休みの日だと言うのにどうしてこの大嫌いな男に会わなければいけないのだ。
朝起きたら両親は不在だった、なんともまあ、あの告白の後に母さんと父さんは新井さんちの夫婦と仲良く釣りだとさ。
新井君のおばあちゃんがご飯作ってくれてるってラインが入ってた、お前自分の息子の飯位作って行けよ! な話だがお前こそ飯位自分で用意しろよって言い返されるから何も言わない実家寄生虫とはオレの事です。
で、でもよ。ハイジに会うのおっくーだからもう食っちゃったとか? 言えばオレの分も奴が食うだろうし、何とかアイツに会わない土日を過ごしたいと思いつつ、でも、腹は減ったのでコンビニに行こうとしたら、オレの部屋のドアが開いてヒョッコリ奴が顔を出してきたのである。
「おはよう翔君!!」
「死んで下さい」
「何んだよソレ袴田さんの真似か? だったらもっと感情殺して一人ヤッてる位の目で言わないと似てねえぞ」
「うるさいよぉ、うるさいうるさいうるさいんだよお前は本当にさー何しに来たんだよ!」
「ん? 翔の朝勃ち見に来た」
「失せろッ!!!」
枕投げたのに、サッと避けられてベッドに飛び込まれて、抱き付いて来て、マッジで!!! コイツ止めろよぉ!!
「触るな!」
「パジャマ姿の恋人最高にクるな?」
「こねえよ」
「翔にいっぱいかけてって言って」
「言うかハゲ!」
飛び起きてみたけど、結局ハイジに押し倒されて、朝からいっぱいかけられてしまったのは割愛しとくとして、
「コイツと二人っきりになるって分かってて出掛ける両親に殺意湧くわ……」
「理解のある両親に感謝すべきところだろそこは」
くっそ爽やかな顔しやがって、起きて二時間全身運動させられて満身創痍だよ腹立つ。
着替えて、タバコ吸いながら飯も食ってないしイライラしてんのに、ハイジ君たら支度整えるとベッドに横になってるオレに手差し出してきた。
「じゃあ行こうか」
「てめーのせいでケツがいてーんだけど?」
「え? ちょっと見せて舐める」
「アホか!!」
手引っぱたいて、自分で起き上がってタバコもみ消して、ムカツクからばーちゃんに孫の文句の一言でも言ってやろうと思ったのに。
新井家の前に立ったら、
「老人会のゲートボール大会に行ってるからいねえぞ」
「あ? じゃあお前どこに連れてく気だったんだよ、オレは腹が減ってんだよ」
「だから、食いに行こうと思ってさ」
「?」
ハイジはリュックを背負ってて、手握ってきて……最近やたらとスキンシップが多くて非常に気持ち悪い。
で、アレよアレよと東京駅だよ。
「どこまで飯食わせに行く気だよ」
「いいからいいから~」
今度は腕組んできて、オレの肩に頭預けてきてキモさ200%だな。
「お前最近外でベタベタすんの何で? 周りの目が気になってオレ出国しそうだから止めてくれない?」
「やだね」
「は?」
「だってお前さ、可愛いから一人にしておくと不安なんだよ」
「!!!」
何だコイツ真顔で何言ってんだ。
指先もじもじさせながら、オレを引かせるプロかよ。
「ほらーお前もさ? エッチ好きだろ? 性に開花して他の男と」
「バカじゃねえの!! お前以外とする訳ねえだろ!!! …………………ああ!!」
「ん、そっかありがと」
「違う! 断じて違う!! お前が好きだからとかそういう意味ではない!!!」
「はいはい、あざっす」
「くそおおおおお」
帰る!! と思ったのに、電車来てしまって押し込まれて、悔しいから車内は無言だった。
「愛し合う二人に言葉はいらないネ☆」
「殺すぞ」
それで、着いたのは。
「ほらーボクと言ったら?」
「アルプス」
「そう、海!」
「真逆じゃねえかよ」
葛西臨海公園で、ハイジは東京湾を見渡せる芝生を前に両手をいっぱい広げて深呼吸して、本当にバカ。
「さ、ピクニックしよ♪」
「ねええええ本当にマジでさあああオレこういうの彼女と行きたかったのにぃ!」
「彼女になってこれたんだから文句ないだろ?」
「え、オレって彼女の立場だったの?!!」
「さってと~飯飯~」
オレの質問無視して、ハイジは芝生に座るとばーちゃんが作ってくれてたであろう、朝ご飯を弁当箱に詰めて持って来ていて。
弁当と広場と観覧車と海と遊具と花と、潮風と……二人の前髪が揺れて。
「ハイジ」
「ん?」
「あんま変わってないな」
「あの時は観覧車が出来たばかりで行列ができてたっけ」
「うん」
隣に座って弁当を食べて、あの日も弁当はばーちゃんが作ったサンドイッチだったなって思った。
若い子はこういうのが好きなんでしょう、っていつも米だったのに、頑張って作ってくれた具入れ過ぎのハムと卵ときゅうりのサンドイッチ。
ハイジは何回食っても下手くそだから、
「あいかわらず下手くそだなばーちゃん、こぼれるはみ出る勿体ない」
「文句言うんじゃねえよ」
休みの日によく連れにきてくれた。
遊んで飯食って、遊んで休憩して、すっげー昔の思い出。
「観覧車乗ろうよ翔~」
「やだよ! ああいうのって恋人と乗るもんなんだぞ」
「なあハイジ」
「ん?」
「観覧車乗るか?」
「え??? マジ?!! 乗る!!!」
「嘘だよバーカ」
「は? 全然ッ?! 全く楽しみでもなければ、貴様はオレの心の友でもないのだが?」
「お前……あんなに熱い告白を交わし合ったこのボクをセフレだとでも思って」
「ねえよバカ死ね」
東京駅のホームで肩を組んできた幼馴染に肘鉄を腹に喰らわせておく、オレは不機嫌なのだ。
毎日顔を合わせている上に、休みの日だと言うのにどうしてこの大嫌いな男に会わなければいけないのだ。
朝起きたら両親は不在だった、なんともまあ、あの告白の後に母さんと父さんは新井さんちの夫婦と仲良く釣りだとさ。
新井君のおばあちゃんがご飯作ってくれてるってラインが入ってた、お前自分の息子の飯位作って行けよ! な話だがお前こそ飯位自分で用意しろよって言い返されるから何も言わない実家寄生虫とはオレの事です。
で、でもよ。ハイジに会うのおっくーだからもう食っちゃったとか? 言えばオレの分も奴が食うだろうし、何とかアイツに会わない土日を過ごしたいと思いつつ、でも、腹は減ったのでコンビニに行こうとしたら、オレの部屋のドアが開いてヒョッコリ奴が顔を出してきたのである。
「おはよう翔君!!」
「死んで下さい」
「何んだよソレ袴田さんの真似か? だったらもっと感情殺して一人ヤッてる位の目で言わないと似てねえぞ」
「うるさいよぉ、うるさいうるさいうるさいんだよお前は本当にさー何しに来たんだよ!」
「ん? 翔の朝勃ち見に来た」
「失せろッ!!!」
枕投げたのに、サッと避けられてベッドに飛び込まれて、抱き付いて来て、マッジで!!! コイツ止めろよぉ!!
「触るな!」
「パジャマ姿の恋人最高にクるな?」
「こねえよ」
「翔にいっぱいかけてって言って」
「言うかハゲ!」
飛び起きてみたけど、結局ハイジに押し倒されて、朝からいっぱいかけられてしまったのは割愛しとくとして、
「コイツと二人っきりになるって分かってて出掛ける両親に殺意湧くわ……」
「理解のある両親に感謝すべきところだろそこは」
くっそ爽やかな顔しやがって、起きて二時間全身運動させられて満身創痍だよ腹立つ。
着替えて、タバコ吸いながら飯も食ってないしイライラしてんのに、ハイジ君たら支度整えるとベッドに横になってるオレに手差し出してきた。
「じゃあ行こうか」
「てめーのせいでケツがいてーんだけど?」
「え? ちょっと見せて舐める」
「アホか!!」
手引っぱたいて、自分で起き上がってタバコもみ消して、ムカツクからばーちゃんに孫の文句の一言でも言ってやろうと思ったのに。
新井家の前に立ったら、
「老人会のゲートボール大会に行ってるからいねえぞ」
「あ? じゃあお前どこに連れてく気だったんだよ、オレは腹が減ってんだよ」
「だから、食いに行こうと思ってさ」
「?」
ハイジはリュックを背負ってて、手握ってきて……最近やたらとスキンシップが多くて非常に気持ち悪い。
で、アレよアレよと東京駅だよ。
「どこまで飯食わせに行く気だよ」
「いいからいいから~」
今度は腕組んできて、オレの肩に頭預けてきてキモさ200%だな。
「お前最近外でベタベタすんの何で? 周りの目が気になってオレ出国しそうだから止めてくれない?」
「やだね」
「は?」
「だってお前さ、可愛いから一人にしておくと不安なんだよ」
「!!!」
何だコイツ真顔で何言ってんだ。
指先もじもじさせながら、オレを引かせるプロかよ。
「ほらーお前もさ? エッチ好きだろ? 性に開花して他の男と」
「バカじゃねえの!! お前以外とする訳ねえだろ!!! …………………ああ!!」
「ん、そっかありがと」
「違う! 断じて違う!! お前が好きだからとかそういう意味ではない!!!」
「はいはい、あざっす」
「くそおおおおお」
帰る!! と思ったのに、電車来てしまって押し込まれて、悔しいから車内は無言だった。
「愛し合う二人に言葉はいらないネ☆」
「殺すぞ」
それで、着いたのは。
「ほらーボクと言ったら?」
「アルプス」
「そう、海!」
「真逆じゃねえかよ」
葛西臨海公園で、ハイジは東京湾を見渡せる芝生を前に両手をいっぱい広げて深呼吸して、本当にバカ。
「さ、ピクニックしよ♪」
「ねええええ本当にマジでさあああオレこういうの彼女と行きたかったのにぃ!」
「彼女になってこれたんだから文句ないだろ?」
「え、オレって彼女の立場だったの?!!」
「さってと~飯飯~」
オレの質問無視して、ハイジは芝生に座るとばーちゃんが作ってくれてたであろう、朝ご飯を弁当箱に詰めて持って来ていて。
弁当と広場と観覧車と海と遊具と花と、潮風と……二人の前髪が揺れて。
「ハイジ」
「ん?」
「あんま変わってないな」
「あの時は観覧車が出来たばかりで行列ができてたっけ」
「うん」
隣に座って弁当を食べて、あの日も弁当はばーちゃんが作ったサンドイッチだったなって思った。
若い子はこういうのが好きなんでしょう、っていつも米だったのに、頑張って作ってくれた具入れ過ぎのハムと卵ときゅうりのサンドイッチ。
ハイジは何回食っても下手くそだから、
「あいかわらず下手くそだなばーちゃん、こぼれるはみ出る勿体ない」
「文句言うんじゃねえよ」
休みの日によく連れにきてくれた。
遊んで飯食って、遊んで休憩して、すっげー昔の思い出。
「観覧車乗ろうよ翔~」
「やだよ! ああいうのって恋人と乗るもんなんだぞ」
「なあハイジ」
「ん?」
「観覧車乗るか?」
「え??? マジ?!! 乗る!!!」
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