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黒いポスト12
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いや、今そんな事考えなくていいか。恩田さんを困らせないように、何でもないって目を擦ってごめんって笑う。きっと怖い顔してる、でも笑うしか表情が作れない。本当お酒って怖いな。恩田さんは僕を見て、大丈夫、と笑って、またジュースを飲んだ。
視線を逸らしてくれて助かった。ようやく深呼吸ができた。彼女の目は何となく怖かったから、静まり返った公園に虫が鳴いていた。こういう時女性に慣れていれば、今流行りの話題で話を切り替えられるのだろうけど、流行りって分からないし、むしろ恩田さんに日本の流行が通用するか分からない。
一人で焦って何かないかなって辺りを見渡していると、恩田さんが深く息を吐いた。そして、
「綺麗だね、虫の音」
「虫の音……うん綺麗」
情けないオウム返しだったけど、恩田さんは嫌な顔しないで、僕を見て続ける。
「それで、どうして私に会いに来たの?」
「うん?」
「まさか、本当に私に会うのが目的で来たんじゃないでしょ? 曲の趣味も合わないみたいだし、何か理由があって私に会いに来たんじゃないの?」
「ああ……うん」
違う? と恩田さんが首を傾げて、そうだと僕は頷いた。どこまで話そうか、なんて切り出そうかって家で考えていた、恩田さんがどんな性格になってしまったか、想像もできなかったから。でもこの恩田さんなら、話せると思った。
だって男の一番恥ずかしい泣き姿を見られてしまったし、だから僕は決心して口を開いた。
「でもね、何だろう、君に会いに来た。は間違いじゃないんだ。僕は恩田さんに手紙を届けたくて来たから、それまでの理由もあるけど、君自身に用があって来たのは嘘じゃない」
「手紙?」
「そう、手紙」
と、肩掛け鞄を漁って僕は死にたくなった。待ってよ神様、鞄の中に手紙が入ってねえんだけど……‼ そっか、この鞄じゃなくて自転車用の鞄に入れてた……! うわ、最悪だ。
「兵藤君?」
「えっと‼ あの! その」
ガサガサやったって出てくるはずなく、恩田さんが「暗い? 一緒に探そうか?」って鞄を携帯の懐中電灯機能で照らし始めたから、僕は観念した。
「見つかりそう?」
「ごめんなさい‼」
「お?」
僕は顔の前で手を合わせて、頭を下げた。
「あのね、小学生の時のタイムカプセル覚えてる? あの時の恩田さんの手紙を谷口から受け取って、今日はそれを渡す為に来たんだけど、まさかのそれを忘れてしまって大惨事」
「が、今起きてるんだ?」
「そう、本当にごめん! いや、恩田さんここに何時までいる? ライブハウスって何時に閉まるの? 三時間……いや、二時間もあれば取って帰って来れると思う!」
「あらあら、本気だね兵藤君」
「だってその為に来たのに、会った瞬間に口説く、感想は上手く言えない、酒は弱い、突然泣く、忘れ物はするって僕最悪でしょ」
「ふふふふふふふ」
僕はかなり必死だったんだけど、恩田さんは歯を見せながら笑ってて居たたまれないぞ。
「呆れてる?」
「さっきも言ったじゃん、こんな非日常ある? すっごい面白い」
「ええ……僕は笑えないよダメダメばっかり」
落ち込んでるのに、恩田さんはますます笑い声を高くして、仕方ないから僕も苦笑いで返しておいた。恩田さんは何がそんなに楽しいのか涙を拭いて肩まで震わせてる。
とりあえず怒ってなくてよかったと、隣でジュースを飲んでいたら、笑いが落ち着いてから恩田さんは言った。
「谷口君元気だった?」
「うん、元気だったよ看護師になってた」
「ああ、なるほど、彼は保健委員もしてたし、私が倒れた時も直に駆け寄ってくれた。そういう仕事に就いてるの納得」
「そっか」
「んっと、手紙はいいよ。捨ててもいい。タイムカプセルね、うん、覚えてる」
「捨てるのはちょっと」
「なら、内容を私に送るとか? ああ、粗末に扱ってる訳ではないよ? なんていうか私の為に無理して欲しくないだけ」
「無理なんてしてない」
首を横に振ったら、恩田さんも横に振った。
「嘘、ライブハウスは初めて来たと言ってたよ? 勇気がいったでしょ? そこまでして、わざわざありがとう」
「え」
驚いた。だって予想外が起こった。突然恩田さんが頭を下げたんだ。さっきまで僕が頭を下げてたのに。
「止めてよ、意味わからない」
「ふ、ふ、ふー? 笑っていいよ? 恩田さん何やってんだよって笑いに変えて?」
「出来る笑いと出来ない笑いがあるよ」
「うん、そうだね」
顔を上げた恩田さんの顔は悲しいみたいな、そんな顔、何で?
「恩田さん?」
「わかってるよ? 唐突で、非日常で、常軌を逸したものが必ずしも笑えるなんて限らないもんね?」
「何の話?」
「体罰や暴力や人の死、それは突然だけど、ちっとも笑えない」
「うん」
「でも、やっぱり人はそれに欲を出すね」
「よく? よくって、僕が知ってるよくかな」
「多分、兵藤君が考えてる欲だよ。それが楽しかったり、お金儲けになったりね。たくさんの人が群がるよ。当人には笑えなくても、笑ってる人はいる」
「ちょっと話がよくわからなくなってきた」
「うん、止めよう」
具体的な例を出されると怖いから、会話を塞いだ。息苦しい、そして分かった。僕だって二十年前を忘れていないように、谷口も恩田さんも何一つ忘れてないんだなって、生きてるから、現実に息をしているから、乗り越えて見えてるだけで、本当はずっと胸の奥でくすぶってる。
きっとこれからもずっと、忘れられないものがある。許せないものがある。
だから、もう濁さなくてもいいのかなって恩田さんに言った。
「頭が可笑しいって思われるかもしれないけど」
「ん? 何かな、大歓迎」
恩田さんは軽い声で返事をする、お腹の奥まで空気を吸い込んで、吐いて、途中で止めて、言葉と一緒に吐き出す。
「同じようにタイムカプセルには桔平の手紙が入っていたんだ。そして内容を見た。だから君に会いたいと思った」
「桔平……」
「そう、烏丸 桔平。一応僕の親友……それで桔平の手紙に」
「手紙に?」
言おう! と思い切った癖に口が止まって手が震えた。沈黙したら恩田さんは缶を持った手を両手で包んでくれた。ドキッとしたけど、意を決して。
「嘘のような話だけど、桔平の住んでいた世界では僕は死んでいて、それを回避したのがこの世界って感じで」
「ん……? えっと、それって言うのは……」
そりゃ意味不明だよな、でも恩田さんはバカにしたりしないで、真剣な顔で聞き返してきたから、僕もありのままで答えた。
「だからね、僕を生かす為に、桔平は死んだって、本人はそう思わないでって書いてあったけど、実際は僕のせいで死んでる…………二十年前の手紙に書いてあった。谷口のいたずらとは……思えなかった。具体的な話が多くて」
「なるほど」
「マジ、最悪。手紙を見れば桔平の字だし、もっと信憑性があるのに」
「何言ってるの? 信憑性って何?」
「え?」
恩田さんはちょっと怒ったような声で言う。
「手紙を見れば本物だなんて、そんなの可笑しいでしょ。疑う人は手紙見たって疑うよ。でも私は例え現物がなくたって、兵藤君の言葉を疑ったりしない」
「ああ……そっか、なんだろ? 大人? だね?」
「いや、知らんし、同じ年だよ。でも冗談言いにここまで来たとは思えないから」
「うん」
「私の手紙は何て書いてあったかな?」
恩田さんは飲み終えた缶を横に置いて伸びをして、背骨を鳴らした。もっと桔平を突っ込まれると思ったけど、そこまででもないのは、恩田さんだからだろうな。
不自然と不自然、僕等はそんな関係だ。常識と常識なら、徹底的に理論が明確になるまで話し合ったかもしれないけど、恩田さんの根底が不確かなものを優遇する思想だから衝突も起こらない。
「君の手紙は読んでない。桔平の手紙は何か出来ることがあればと開けてみたんだ」
「そっか」
「そして、気になったからここまで来た」
「何が気になったの?」
いよいよ核心に触れそうで、僕の呼吸は可笑しくなって口が乾く。でも恩田さんの鋭い視線に耐えきれなかった、それは音で審判をする桜の空気と似ていた。
風が吹いて、虫が鳴き止んで静かになった公園。僕は初めてその単語を声に出す。
「黒いポストって知ってる?」
視線を逸らしてくれて助かった。ようやく深呼吸ができた。彼女の目は何となく怖かったから、静まり返った公園に虫が鳴いていた。こういう時女性に慣れていれば、今流行りの話題で話を切り替えられるのだろうけど、流行りって分からないし、むしろ恩田さんに日本の流行が通用するか分からない。
一人で焦って何かないかなって辺りを見渡していると、恩田さんが深く息を吐いた。そして、
「綺麗だね、虫の音」
「虫の音……うん綺麗」
情けないオウム返しだったけど、恩田さんは嫌な顔しないで、僕を見て続ける。
「それで、どうして私に会いに来たの?」
「うん?」
「まさか、本当に私に会うのが目的で来たんじゃないでしょ? 曲の趣味も合わないみたいだし、何か理由があって私に会いに来たんじゃないの?」
「ああ……うん」
違う? と恩田さんが首を傾げて、そうだと僕は頷いた。どこまで話そうか、なんて切り出そうかって家で考えていた、恩田さんがどんな性格になってしまったか、想像もできなかったから。でもこの恩田さんなら、話せると思った。
だって男の一番恥ずかしい泣き姿を見られてしまったし、だから僕は決心して口を開いた。
「でもね、何だろう、君に会いに来た。は間違いじゃないんだ。僕は恩田さんに手紙を届けたくて来たから、それまでの理由もあるけど、君自身に用があって来たのは嘘じゃない」
「手紙?」
「そう、手紙」
と、肩掛け鞄を漁って僕は死にたくなった。待ってよ神様、鞄の中に手紙が入ってねえんだけど……‼ そっか、この鞄じゃなくて自転車用の鞄に入れてた……! うわ、最悪だ。
「兵藤君?」
「えっと‼ あの! その」
ガサガサやったって出てくるはずなく、恩田さんが「暗い? 一緒に探そうか?」って鞄を携帯の懐中電灯機能で照らし始めたから、僕は観念した。
「見つかりそう?」
「ごめんなさい‼」
「お?」
僕は顔の前で手を合わせて、頭を下げた。
「あのね、小学生の時のタイムカプセル覚えてる? あの時の恩田さんの手紙を谷口から受け取って、今日はそれを渡す為に来たんだけど、まさかのそれを忘れてしまって大惨事」
「が、今起きてるんだ?」
「そう、本当にごめん! いや、恩田さんここに何時までいる? ライブハウスって何時に閉まるの? 三時間……いや、二時間もあれば取って帰って来れると思う!」
「あらあら、本気だね兵藤君」
「だってその為に来たのに、会った瞬間に口説く、感想は上手く言えない、酒は弱い、突然泣く、忘れ物はするって僕最悪でしょ」
「ふふふふふふふ」
僕はかなり必死だったんだけど、恩田さんは歯を見せながら笑ってて居たたまれないぞ。
「呆れてる?」
「さっきも言ったじゃん、こんな非日常ある? すっごい面白い」
「ええ……僕は笑えないよダメダメばっかり」
落ち込んでるのに、恩田さんはますます笑い声を高くして、仕方ないから僕も苦笑いで返しておいた。恩田さんは何がそんなに楽しいのか涙を拭いて肩まで震わせてる。
とりあえず怒ってなくてよかったと、隣でジュースを飲んでいたら、笑いが落ち着いてから恩田さんは言った。
「谷口君元気だった?」
「うん、元気だったよ看護師になってた」
「ああ、なるほど、彼は保健委員もしてたし、私が倒れた時も直に駆け寄ってくれた。そういう仕事に就いてるの納得」
「そっか」
「んっと、手紙はいいよ。捨ててもいい。タイムカプセルね、うん、覚えてる」
「捨てるのはちょっと」
「なら、内容を私に送るとか? ああ、粗末に扱ってる訳ではないよ? なんていうか私の為に無理して欲しくないだけ」
「無理なんてしてない」
首を横に振ったら、恩田さんも横に振った。
「嘘、ライブハウスは初めて来たと言ってたよ? 勇気がいったでしょ? そこまでして、わざわざありがとう」
「え」
驚いた。だって予想外が起こった。突然恩田さんが頭を下げたんだ。さっきまで僕が頭を下げてたのに。
「止めてよ、意味わからない」
「ふ、ふ、ふー? 笑っていいよ? 恩田さん何やってんだよって笑いに変えて?」
「出来る笑いと出来ない笑いがあるよ」
「うん、そうだね」
顔を上げた恩田さんの顔は悲しいみたいな、そんな顔、何で?
「恩田さん?」
「わかってるよ? 唐突で、非日常で、常軌を逸したものが必ずしも笑えるなんて限らないもんね?」
「何の話?」
「体罰や暴力や人の死、それは突然だけど、ちっとも笑えない」
「うん」
「でも、やっぱり人はそれに欲を出すね」
「よく? よくって、僕が知ってるよくかな」
「多分、兵藤君が考えてる欲だよ。それが楽しかったり、お金儲けになったりね。たくさんの人が群がるよ。当人には笑えなくても、笑ってる人はいる」
「ちょっと話がよくわからなくなってきた」
「うん、止めよう」
具体的な例を出されると怖いから、会話を塞いだ。息苦しい、そして分かった。僕だって二十年前を忘れていないように、谷口も恩田さんも何一つ忘れてないんだなって、生きてるから、現実に息をしているから、乗り越えて見えてるだけで、本当はずっと胸の奥でくすぶってる。
きっとこれからもずっと、忘れられないものがある。許せないものがある。
だから、もう濁さなくてもいいのかなって恩田さんに言った。
「頭が可笑しいって思われるかもしれないけど」
「ん? 何かな、大歓迎」
恩田さんは軽い声で返事をする、お腹の奥まで空気を吸い込んで、吐いて、途中で止めて、言葉と一緒に吐き出す。
「同じようにタイムカプセルには桔平の手紙が入っていたんだ。そして内容を見た。だから君に会いたいと思った」
「桔平……」
「そう、烏丸 桔平。一応僕の親友……それで桔平の手紙に」
「手紙に?」
言おう! と思い切った癖に口が止まって手が震えた。沈黙したら恩田さんは缶を持った手を両手で包んでくれた。ドキッとしたけど、意を決して。
「嘘のような話だけど、桔平の住んでいた世界では僕は死んでいて、それを回避したのがこの世界って感じで」
「ん……? えっと、それって言うのは……」
そりゃ意味不明だよな、でも恩田さんはバカにしたりしないで、真剣な顔で聞き返してきたから、僕もありのままで答えた。
「だからね、僕を生かす為に、桔平は死んだって、本人はそう思わないでって書いてあったけど、実際は僕のせいで死んでる…………二十年前の手紙に書いてあった。谷口のいたずらとは……思えなかった。具体的な話が多くて」
「なるほど」
「マジ、最悪。手紙を見れば桔平の字だし、もっと信憑性があるのに」
「何言ってるの? 信憑性って何?」
「え?」
恩田さんはちょっと怒ったような声で言う。
「手紙を見れば本物だなんて、そんなの可笑しいでしょ。疑う人は手紙見たって疑うよ。でも私は例え現物がなくたって、兵藤君の言葉を疑ったりしない」
「ああ……そっか、なんだろ? 大人? だね?」
「いや、知らんし、同じ年だよ。でも冗談言いにここまで来たとは思えないから」
「うん」
「私の手紙は何て書いてあったかな?」
恩田さんは飲み終えた缶を横に置いて伸びをして、背骨を鳴らした。もっと桔平を突っ込まれると思ったけど、そこまででもないのは、恩田さんだからだろうな。
不自然と不自然、僕等はそんな関係だ。常識と常識なら、徹底的に理論が明確になるまで話し合ったかもしれないけど、恩田さんの根底が不確かなものを優遇する思想だから衝突も起こらない。
「君の手紙は読んでない。桔平の手紙は何か出来ることがあればと開けてみたんだ」
「そっか」
「そして、気になったからここまで来た」
「何が気になったの?」
いよいよ核心に触れそうで、僕の呼吸は可笑しくなって口が乾く。でも恩田さんの鋭い視線に耐えきれなかった、それは音で審判をする桜の空気と似ていた。
風が吹いて、虫が鳴き止んで静かになった公園。僕は初めてその単語を声に出す。
「黒いポストって知ってる?」
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