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町
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「まさかうちの近くにこんな大きな町があるなんて」
「普通に行けば一週間はかかるけど、ネネの体力を考慮して巻いた」
「へえ」
町の外でウママと別れた、繋いでてもいいけど、好きにしてなって言えばウママは森に走っていった。
指を鳴らせば戻ってくるし、強制的に連れても来れるって、そういえば朝、今日は深い森に入るから体を清めて行こうって、二人でお水をかけたんだ、小瓶に入ったお水で丁寧に体を拭いてあげた、その時タツミは何か小声で唱えてた。
私にはその言葉の意味は分からなかったけど、口が閉じる度にタツミの目が光ってウママの目も共鳴するように光っていたから、あの時に何か魔法でもかけていたのかな。
うっすらおぼろげにある、私の「町」って記憶は民家とお店と畑と、そんなものだった。
でも到着した町は、いや町ではないのかも、だって空に続いてそうな門に門番がいて、塀で町全体が囲まれている。
一度、山の中で町を見下ろせる高台に出た、タツミの示す先の、その町の大きさに、初めはそれが何なのか理解できなかったもの。
目が悪いのもある、遠目から見えた色彩豊かな小さな粒達が家の屋根だなんて思いもよらなかった。
家が山のように連なって連なって……連なって、その頂点には絵本に出てくるような立派なお城があって、時折その頂点から光が放たれて町全体を円球に包む、幾何学模様が施されたその輝きは、家を包む結界と似ていて、あれは何? と首を傾げれば、うちと同じ魔物避けなんだって。
それで、ああ、そうだなあの時、タツミにあの町に行くよって指差されて、え? 凄いけど今日辿り着けるの? って思ってのに、僅か数分で着いたから、うん魔法のおかげなんだ。
フードは取っていいの? って聞いたら、タツミはネネが可愛いから誰にも見られたくないって少し下げたフードを深く被せ直してきた。
門番が目の前で槍を番えれば、タツミもフードを降ろさず顔を見せないまま、差し出された書類にサインをした。親指にキスをして名前の横に捺印すれば文字がじんわりと光り出す。
私は自分の背丈の何十倍とある立派な門に呆気を取られて口を開けて見上げていた、そうしたら両開きの門が重々しい音を立てながゆっくりと開いて、
「タツミ?」
「おいで」
肩を抱かれて一歩踏み出せば両脇の門番達はいつの間にか敬礼してた。
町に入った瞬間から衝撃的だった、だって私は土の地面しか知らないから、この町! 地面に石が敷き詰められてる!!
色んな形の石がはめ込まれてて、え? これ誰がしたの?!! ってまず座り込んで石の隙間を指でいじいじしてしまった。
「ネネ?」
「こんなたくさんの石! どこから持ってくるのタツミ!」
顔を上げたら、タツミはクスって笑いながら、「色んな仕事がある、石を持って来る仕事の人も道を作る仕事の人もいる」「へえ、こんな大きな町の道を作る人がいるなんて凄い立派な職業だね。道がないと皆困るもんね? しかもこんな綺麗な道を作るなんて!」目を輝かせて見上げたら、タツミはその隣に座って頭なでなでしてくれた。
「大好きネネ」
「ほ? ネネも好きだけど急に何?」
聞いたら、タツミの背後であの頑丈そうな門がバタンと閉まって、あ! そうだあの門だって気になってたんだ!
「こんな鉄の塊も!! どこから持ってくるんだろう!?」
門に掛け寄って凄い凄いってジャンプしてたら抱き上げられてしまった。
「あん、ネネ見てた!」
「今度ゆっくり教える」
首の所からピヨもタツミに抗議してたけど、正直あれもこれも気になるからキリないなって我慢しておいた。
家にいる時、猫だったらいっつもタツミの肩に乗ってるし、人型でも背中にくっ付いてるか抱っこだから、この体勢に何の抵抗もないはずなのに…………そうなんだお外だと抱っこ、ちょっと恥ずかしい、フード被っていて良かったって思った。
町、町って言っていたけど、タツミが言うにはここは帝国の中枢、帝都なんだって。
「てーと?」
「この国で一番大きな町」
「そっか、普通の町にお城ついてないもんね?」
「うん」
まだまだ頭が追いつかなくて、その時はまだ、あのお城が皇帝の居城だとは思わなかった。
ただ、辿り着いた町は遠目から見えた色とりどりの屋根とは違って、質素? というのか色もないし、むしろ煤けた外壁にくすんだ屋根の家ばかりだった。
どうしてだろう、しかも壁には穴が開いてたり悪戯書きもあったり、屋根は布? で塞がれてたりして、華やかさがない。
いやむしろ、疲れててくたびれた感じがして、人もあまり元気じゃなかった、着ているものもボロボロだったりして……。
「皆具合悪いの?」
「そうだね、あまり調子は良くないかもしれない」
「話掛けていいの?」
「それは今度にしよう」
タツミは首に巻かれていたスカーフを鼻まで持ちあげると、ぐっと私の体を抱き直した。
「何?」
「飛ぶ」
目が合って、緑が眩く光るとふわって体が浮いて。
え??! と、飛ぶって?! と突然の浮遊感にタツミにしがみついたら、言われた通り体が宙に浮かんでいた。
屋根に着地して、またタツミが地面を蹴れば今の場所よりも高台に位置する家が見えて、何度かそれを繰り返せば、足の下には山から見た綺麗な街並みが見えてきた、そっか今いた所は塀の影になっていたから見えなかったんだ。
「怖い?」
「楽しい」
ピヨ達はボク達もできるって羽をはばたかせてるけど、ピヨがこんな高く飛んだ所見た事ないな。
シュタってタツミのブーツが鳴って、次に降り立った所は、さっきと様子が一変していた、もちろん道に石が敷き付められているけど、形が整って等間隔に並べられているし模様が刻まれていたり、離れて見ると絵になっていたりと手がこんでいた。
そしてなにより、活気づいた人に、多さに圧倒されてしまった。
タツミが降りた場所は、広場のような所で、初めて見る噴水や子供が遊ぶ遊具もある。広場を囲むように並ぶ木は動物の形をしてて、こういう風に木をカットする仕事の人がいるんだ! って口開きっぱなし。
広場からあっちにこっちに道が伸びてて、どこの道を見ても所狭しと店が軒を連ねている。
広場の露店にはテントの上に風船がプカプカ浮いてて、見た事のないお菓子が売っていたり、入ってみたいお店ばかりだ。
そして店の人に客に住民にと、たくさんの人が行き交いしていた。
人、もいたし獣人もいた、店側にも客側にも、もちろん見た事のない耳に、舌が二枚に分かれる魔物みたいな人もいる、でも普通に新聞を読みながら、マグに入った飲み物飲んで煙草を吹かしているから、ここではそれが普通なんだ。
目の前にある光景がグルグル回って、この前子猫だった私と比べて少しは大きくなったつもりだったし、たくさんエッチして心も体も成長した気でいたけど、やっぱり私はこの世の事を何も知らない。
呆気にとられる私をよそに、全く驚いた様子もなく町を見ながら海中時計を眺めるタツミを見て、ちょっと距離を感じてしまった。私はこの世界の事もタツミの事も本当は何も知らないね。
じっと見つめていたら、キスしてくれて、何か側にいるのに急に寂しくなって私から首に抱き付いて、いっぱいキスする。
タツミは時計を見ていたのに、嫌がらずに受け止めてくれて、キスの合間に言う。
「不安? 何で?」
「別に」
「耳垂れてる、フードが下がった」
見た目の問題じゃない、きっとタツミには何でもお見通しなんだと思う、だってキスの仕方が私から誘った癖に自分から絡めないで来てくれるの待ったもん。
何も答えないで、口を開けていたら、舌を掬って優しくもっていってくれた、奥まで混ぜてくれてたくさん安心するのを飲ませてくれて、ここが広場の真ん中だって忘れるくらい、私の耳が落ち着くまでいっぱいしてくれた。
唇が離れて口端を拭われて、でもタツミは特にそのキスの理由を聞いてこなかった。
自分で歩く歩くしたら、降ろしてくれて、気になる露店を覗きながら手を繋いで歩いた、欲しい物があれば言って、と言われても、あれもこれもお金で買えるなんて信じられないし、表示されている金額が高いのか安いのかもわからないので、簡単にコレ! って言えない。
一つの通りを出た所で、タツミは食事は後で取ろうっと言って、私を一軒のお店に連れて行ってくれた。
表から見て、あまり明るい感じではなかった、看板も読めない字だ古いガラス扉を開ければベルが鳴って、淡色のいランプが勝手に灯る、うちのような柔らかい木の匂いがして中から猫耳のおじいさんが出迎えてくれた。
フードを取っていいよって言われて店内を見渡せば、息が止まってしまった。
見上げる棚に置かれていたのは大小様々な形をしたたくさんの眼鏡だったから。
「こんないっぱい、初めて見た!! 眼鏡の博物館?」
「ここで特別なのを作ってもらう」
「普通に行けば一週間はかかるけど、ネネの体力を考慮して巻いた」
「へえ」
町の外でウママと別れた、繋いでてもいいけど、好きにしてなって言えばウママは森に走っていった。
指を鳴らせば戻ってくるし、強制的に連れても来れるって、そういえば朝、今日は深い森に入るから体を清めて行こうって、二人でお水をかけたんだ、小瓶に入ったお水で丁寧に体を拭いてあげた、その時タツミは何か小声で唱えてた。
私にはその言葉の意味は分からなかったけど、口が閉じる度にタツミの目が光ってウママの目も共鳴するように光っていたから、あの時に何か魔法でもかけていたのかな。
うっすらおぼろげにある、私の「町」って記憶は民家とお店と畑と、そんなものだった。
でも到着した町は、いや町ではないのかも、だって空に続いてそうな門に門番がいて、塀で町全体が囲まれている。
一度、山の中で町を見下ろせる高台に出た、タツミの示す先の、その町の大きさに、初めはそれが何なのか理解できなかったもの。
目が悪いのもある、遠目から見えた色彩豊かな小さな粒達が家の屋根だなんて思いもよらなかった。
家が山のように連なって連なって……連なって、その頂点には絵本に出てくるような立派なお城があって、時折その頂点から光が放たれて町全体を円球に包む、幾何学模様が施されたその輝きは、家を包む結界と似ていて、あれは何? と首を傾げれば、うちと同じ魔物避けなんだって。
それで、ああ、そうだなあの時、タツミにあの町に行くよって指差されて、え? 凄いけど今日辿り着けるの? って思ってのに、僅か数分で着いたから、うん魔法のおかげなんだ。
フードは取っていいの? って聞いたら、タツミはネネが可愛いから誰にも見られたくないって少し下げたフードを深く被せ直してきた。
門番が目の前で槍を番えれば、タツミもフードを降ろさず顔を見せないまま、差し出された書類にサインをした。親指にキスをして名前の横に捺印すれば文字がじんわりと光り出す。
私は自分の背丈の何十倍とある立派な門に呆気を取られて口を開けて見上げていた、そうしたら両開きの門が重々しい音を立てながゆっくりと開いて、
「タツミ?」
「おいで」
肩を抱かれて一歩踏み出せば両脇の門番達はいつの間にか敬礼してた。
町に入った瞬間から衝撃的だった、だって私は土の地面しか知らないから、この町! 地面に石が敷き詰められてる!!
色んな形の石がはめ込まれてて、え? これ誰がしたの?!! ってまず座り込んで石の隙間を指でいじいじしてしまった。
「ネネ?」
「こんなたくさんの石! どこから持ってくるのタツミ!」
顔を上げたら、タツミはクスって笑いながら、「色んな仕事がある、石を持って来る仕事の人も道を作る仕事の人もいる」「へえ、こんな大きな町の道を作る人がいるなんて凄い立派な職業だね。道がないと皆困るもんね? しかもこんな綺麗な道を作るなんて!」目を輝かせて見上げたら、タツミはその隣に座って頭なでなでしてくれた。
「大好きネネ」
「ほ? ネネも好きだけど急に何?」
聞いたら、タツミの背後であの頑丈そうな門がバタンと閉まって、あ! そうだあの門だって気になってたんだ!
「こんな鉄の塊も!! どこから持ってくるんだろう!?」
門に掛け寄って凄い凄いってジャンプしてたら抱き上げられてしまった。
「あん、ネネ見てた!」
「今度ゆっくり教える」
首の所からピヨもタツミに抗議してたけど、正直あれもこれも気になるからキリないなって我慢しておいた。
家にいる時、猫だったらいっつもタツミの肩に乗ってるし、人型でも背中にくっ付いてるか抱っこだから、この体勢に何の抵抗もないはずなのに…………そうなんだお外だと抱っこ、ちょっと恥ずかしい、フード被っていて良かったって思った。
町、町って言っていたけど、タツミが言うにはここは帝国の中枢、帝都なんだって。
「てーと?」
「この国で一番大きな町」
「そっか、普通の町にお城ついてないもんね?」
「うん」
まだまだ頭が追いつかなくて、その時はまだ、あのお城が皇帝の居城だとは思わなかった。
ただ、辿り着いた町は遠目から見えた色とりどりの屋根とは違って、質素? というのか色もないし、むしろ煤けた外壁にくすんだ屋根の家ばかりだった。
どうしてだろう、しかも壁には穴が開いてたり悪戯書きもあったり、屋根は布? で塞がれてたりして、華やかさがない。
いやむしろ、疲れててくたびれた感じがして、人もあまり元気じゃなかった、着ているものもボロボロだったりして……。
「皆具合悪いの?」
「そうだね、あまり調子は良くないかもしれない」
「話掛けていいの?」
「それは今度にしよう」
タツミは首に巻かれていたスカーフを鼻まで持ちあげると、ぐっと私の体を抱き直した。
「何?」
「飛ぶ」
目が合って、緑が眩く光るとふわって体が浮いて。
え??! と、飛ぶって?! と突然の浮遊感にタツミにしがみついたら、言われた通り体が宙に浮かんでいた。
屋根に着地して、またタツミが地面を蹴れば今の場所よりも高台に位置する家が見えて、何度かそれを繰り返せば、足の下には山から見た綺麗な街並みが見えてきた、そっか今いた所は塀の影になっていたから見えなかったんだ。
「怖い?」
「楽しい」
ピヨ達はボク達もできるって羽をはばたかせてるけど、ピヨがこんな高く飛んだ所見た事ないな。
シュタってタツミのブーツが鳴って、次に降り立った所は、さっきと様子が一変していた、もちろん道に石が敷き付められているけど、形が整って等間隔に並べられているし模様が刻まれていたり、離れて見ると絵になっていたりと手がこんでいた。
そしてなにより、活気づいた人に、多さに圧倒されてしまった。
タツミが降りた場所は、広場のような所で、初めて見る噴水や子供が遊ぶ遊具もある。広場を囲むように並ぶ木は動物の形をしてて、こういう風に木をカットする仕事の人がいるんだ! って口開きっぱなし。
広場からあっちにこっちに道が伸びてて、どこの道を見ても所狭しと店が軒を連ねている。
広場の露店にはテントの上に風船がプカプカ浮いてて、見た事のないお菓子が売っていたり、入ってみたいお店ばかりだ。
そして店の人に客に住民にと、たくさんの人が行き交いしていた。
人、もいたし獣人もいた、店側にも客側にも、もちろん見た事のない耳に、舌が二枚に分かれる魔物みたいな人もいる、でも普通に新聞を読みながら、マグに入った飲み物飲んで煙草を吹かしているから、ここではそれが普通なんだ。
目の前にある光景がグルグル回って、この前子猫だった私と比べて少しは大きくなったつもりだったし、たくさんエッチして心も体も成長した気でいたけど、やっぱり私はこの世の事を何も知らない。
呆気にとられる私をよそに、全く驚いた様子もなく町を見ながら海中時計を眺めるタツミを見て、ちょっと距離を感じてしまった。私はこの世界の事もタツミの事も本当は何も知らないね。
じっと見つめていたら、キスしてくれて、何か側にいるのに急に寂しくなって私から首に抱き付いて、いっぱいキスする。
タツミは時計を見ていたのに、嫌がらずに受け止めてくれて、キスの合間に言う。
「不安? 何で?」
「別に」
「耳垂れてる、フードが下がった」
見た目の問題じゃない、きっとタツミには何でもお見通しなんだと思う、だってキスの仕方が私から誘った癖に自分から絡めないで来てくれるの待ったもん。
何も答えないで、口を開けていたら、舌を掬って優しくもっていってくれた、奥まで混ぜてくれてたくさん安心するのを飲ませてくれて、ここが広場の真ん中だって忘れるくらい、私の耳が落ち着くまでいっぱいしてくれた。
唇が離れて口端を拭われて、でもタツミは特にそのキスの理由を聞いてこなかった。
自分で歩く歩くしたら、降ろしてくれて、気になる露店を覗きながら手を繋いで歩いた、欲しい物があれば言って、と言われても、あれもこれもお金で買えるなんて信じられないし、表示されている金額が高いのか安いのかもわからないので、簡単にコレ! って言えない。
一つの通りを出た所で、タツミは食事は後で取ろうっと言って、私を一軒のお店に連れて行ってくれた。
表から見て、あまり明るい感じではなかった、看板も読めない字だ古いガラス扉を開ければベルが鳴って、淡色のいランプが勝手に灯る、うちのような柔らかい木の匂いがして中から猫耳のおじいさんが出迎えてくれた。
フードを取っていいよって言われて店内を見渡せば、息が止まってしまった。
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