【R18】黒猫彼女を溺愛中【著 CHIYONE】

文字の大きさ
20 / 66

タツミ補整

しおりを挟む
 ズレてもいない眼鏡を思わず直してしまった。
 え? この眼鏡ってタツミが格好良く見えるようなレンズだっけ???
 それとも豹が異常に好きになる効果でもつけてもらったんだっけ???

 やだ、どうしよう心臓、可笑しくなっちゃう。
「ネネ」
「ダ、ダメ」
 後退して、腰が机にぶつかる。

 カーテンは閉まっている、だから灯りはランプだけ、天井にも灯りがあってどこにスイッチがあるんだろうって探してたの。
 部屋を入る前、その奥にお風呂もトイレも見えていたから、後で入ろうかなって。
 夕飯はタツミの眼鏡を待ってる間に唐揚げとおにぎりを食べた(二回目だけどピヨは万歳してた)。

 で、豹さんはベッドに近付いて鼻で布団をずらしたりしてた、だからそのまま寝るのかなって私も背を向けて部屋の灯りを探していたら、名前を呼ばれて……。

 息が出来なかった、タツミがカッコいいなんて初めから分かってたけど、そんなの知ってたけど…………。

 いつもは暗闇でぼやけていた彼の体に顔に耳に尻尾、こんな遠いい距離からでも鮮明に見えて、息が苦しくなる。
「ネネ?」
「来ちゃいや」
 ベッドの上でタツミの真っ白い体が映える、大きな筋肉質な体、彫りの深い目鼻に綺麗な混じりのないブロンド、この国での象徴で英雄とされている豹柄。
 淡いランプの光に浮かび上がる芸術品のような体に、一歩も近づけなくなってしまった。

 そうなんだ、私っていつもこんな人の近くにいたの、怖いような変な感覚、それと同時に薬の切れた体がドクンドクンって発情の血液を体に巡らせてる。
 何かされた訳じゃない、見ただけ、ただ、タツミを見ただけでこんな苦しくなって呼吸が制御できない、触る事もできなくなるって私は何の病気なんだろう。名前呼ばれただけで耳ジンジンしてる。

 鼻と口を塞いでタツミの匂いを嗅がないようにするけど、無理。勝手に五感がタツミを探ってしまうもの、体がどうにかなりそうだ。
 というかタツミ、眼鏡してないじゃん。
「ネネ」
「…………うん」
 エメラルドがぼうっとランプに共鳴して光る、視線が絡んだだけなのに脳までびりっと痺れて、これも魔力なのかな。
「来て」
「…………」
「おいで」
「…………」
 唇、噛んで……やだやだって小さく首振る。
「何で」
「ッ……だって」
「だって?」
 目の奥きゅうって熱くなって、どうして泣きそうなのかわからない、でも一つ言えるのは。
 鼻がツンってしてぎゅって閉じた目から涙がポロポロ零れてしまった、お洋服に胸のとこ握って。
「タツミが好きで好きで大好きだから、そっちに行ったら可笑しくなっちゃうからやなの」
「うん」
「ドキドキしてここから動けないんだもん、見てるだけでもう充ッ」
 言葉の途中だったのに、首の後ろの、いつもタツミに咥えられて移動するとこに歯が当たったなって思ったら、私の体は一瞬でベッドの上にいた。
「俺が何、聞こえないから連れてきた」
「だからダメ、ダメダメダメ!! タツミが大好きだからこんな近くにいたら」
 抱き寄せられて、ふわっと耳の所の毛を擽られて息が乱れる、真珠の体、輝く瞳、彫刻みたいな整った顔、そんな人が息のかかる距離にいて、もう体がそれだけで熱くなっていた。
「こんないい匂いしてるのにダメ?」
「ダメだよ、ダメにして? これ以上されたらネネ受け身になれない」
「受け身?」
 顔を覗き込まれて、涙を舐められてゾワッて目の奥から血が滾る、頬を滑った舌の感触に我慢していた糸がプツリと切れた。
 タツミに飛び付いてカプって肩を噛む。
 皮膚の薄い、柔らかいようで硬い筋肉質の肉に私の細い牙が食い込む。
 タツミの牙なんかより私のが細いから痛いはずだ、でも今は心臓の音止まらなくて噛み付いてフーフーって変な呼吸しちゃってどうにもならない。
 タツミはビクンってしたけど、肩に噛み付く私の頭を優しく撫でてくれた、少し牙を離して、胸ズキンってする。
 だって、タツミはいつも私を噛むけど血が滲むことはないから、でもタツミの肩には私の歯型からつぷっと赤い血が盛り上がってる。
 心臓ズキンズキンして、謝らなきゃなのに、堪えられなくて零れそうな血を舐め取った、取ったら舌にタツミの血が滲んで甘いその味にゾクゾク鳥肌が立ってしまった。
 始めて味わった生の血だった、新たな味蕾を刺激する味覚と鼻から抜ける鉄の香りと、甘い甘いタツミの味。

 ダメ、ダメダメダメ!!!! ダメ!!!!!

 必死に肩から顔を離す。もっともっと! ってなっちゃうから。
 あの味に陶酔しそうになって、夢中なりそうな自分を呼び戻して首を振る、いつの間にか小さな私がタツミを押し倒してて、タツミは私の頬を撫でながら言う。

「美味しかった?」
「しくな……い!」
「嘘」
「…………」

 タツミはぎゅって肩に出来た歯型の傷を摘まんで血を滲ませると、自分の口に持っていって唾液に馴染ませる。

その光景にごくって唾を飲んでしまう私の口に、濡れて光った指を持って来て舌をなぞった。
「甘く甘くて驚いた?」
「んんッ……」
「俺もそうなんだ、ネネから出るのはなんだって味わったことのない甘さでもっと欲しくなって体が可笑しくなる」
 口の中、指でクチュクチュされて、唾液垂れそうでキスをした。
 息がまともに出来ないような激しいキスだった、だってタツミが言うように口の中すっごい甘いんだもんサラサラの唾液だってジュースみたいで飲み干したくていっぱい舌動いちゃう。
 もっと欲しくて吸い出して飲み込んで、タツミも一緒の動きするから同じ感じなのかな、当たり前だけど二本の尻尾はいつも以上にクルクル絡んでる。
 おっきいタツミを押し倒すこの感覚嫌いじゃないかも、肉厚なお耳噛み噛みして、首筋から額までじんわりかいた汗を舐め上げて、しょっぱい汗すら甘くて下半身を熱くさせる。
 下から胸を揉まれて声が出ちゃって、次も次ももっとされたい。
 至近距離で重ならない唇、タツミがもどかしそうに舌を出すから唾液を垂らせば飲み込んでくれた、そんな仕草にゾクッてきてる。

 私の膝が勝手にタツミの下半身をグリってして、タツミが目を細める。
「そこの蜜はもっと甘いから頭狂うよ」
「いっぱい舐めたい」
「視覚が揃うだけでこんなやらしくなるんだ」
「タツミがもっと好きになる補整でも掛かっているのかな」
 下から長い腕が伸びてきて、私の眼鏡を直しながら、
「素直になれる魔法がかかってる」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

あまりさんののっぴきならない事情

菱沼あゆ
キャラ文芸
 強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。  充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。 「何故、こんなところに居る? 南条あまり」 「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」 「それ、俺だろ」  そーですね……。  カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...