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61. パウパウのキラキラとお友達 47
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しばらく巣穴の近くで待っていると、アギーが這い出てきた。
そして、アギーより小さい、砂漠オオネコのマアガ程の大きさのアリ達が、出てきて巣穴の周りを整列するかのように取り囲む。
ズズッと、それが穴から顔を出した。
「うわぁ~!」
パウパウが歓声をあげる。
「…まさか」
ミッちゃんが息を吞んだ。
それはアギーより一回りは大きな蟻──女王アリ──だった。
アギーが女王アリと触角を合わせて、なにやら指示を受けたのか、パウパウ達の方を向いてカシカシと牙を鳴らす。
「こっちへ来いと言ってるようだね」
「うん」
ミッちゃんもギガントハキリの女王は、初めて見る。
だいたい、駆除するときは巣穴を”這いまわる炎”で焼き尽くしたりするからだ。
ゆっくりと慎重にアギーの横に歩いて行く。
ギガントハキリの小さな働きアリは何とでもなる。
砂漠オオネコの仔猫サイズも、ただの働きアリだ。
問題は兵隊兼務の働きアリだ。あのマアガの大きさの働きアリが多い。
ギガントハキリは基本、大人しい魔蟻だ。
他の魔蟻と違って、酸の毒を吐いたりしないし肉食ではないので、襲ってくることはない。
戦闘に特化したアリは居ないのだが、外骨格の装甲が金属なみに硬い。
ハサミのような牙は大きく、鋸歯状で切れ味が鋭い。
つまり、戦うとなったら強いのだ。
この巨大なコロニー全部合わせて、それが何百万匹いるのか見当もつかない。
腕の中のパウパウはというと、ドキドキしていた。
(凄い牙!凄いカッコイイ!女王アリって、初めて見たぁ)
アギーの横に来ると、女王アリが牙をガシリと鳴らした。
これだけ大きいと、鋸状の牙が良く分かる。
「こんにちは。ぼく、パウパウです」
「こんにちは、ウルジェドだ」
女王は、ずっと地中に居るからか小さめの複眼で、こちらを見ている。
牙の上の触角がピルピルと震えている。
パウパウは、ふと思いついてナイナイ袋をゴソゴソして、中から白玉団子を取り出した。
(よそ様のお家に、お呼ばれしたらオミヤは必要だよね)
この前が金蜜だったから、今度は黒蜜だ。
この、心配り!
異世界の知恵、本当にそれでいいのか。
ミッちゃんが、あっと思った時には遅かった。
「マムさんこれ、お土産!ミッちゃんが作ってくれたの、食べて!」
(あぁ~、もしかして名前、付いちゃった?)
マムさんと呼ばれた女王は、激しく触角をチャカチャカと動かした。
喜んでいるように見えるから、不思議だ。
それでもミッちゃんは、女王蟻の頭に琥珀のような魔石が出現していなかった事にホッとする。
……今後、どうなるかは要観察だなぁと思いながら、アギーに白玉団子の乗ったホウの葉を渡すパウパウを見た。
牙で受け取ったアギーが、今度はマアガの大きさの蟻に白玉団子の皿を大切そうに渡す。
「…なんだか、ちゃんとお城みたいだねぇ」
パウパウの言う通り、しずしずと器用に牙で挟んだホウの皿を運ぶアリを見て、確かに宮廷の女官みたいだとミッちゃんは面白く思った。
(さしずめ、これは謁見というところだな)
「ふふ、蟻と謁見したのは、一族でも私くらいだと思うよ」
「すごいね」
「パウパウはヒトで、ギガントハキリと友達になった、最初の子だね」
「えへへ、なんか凄そう?」
まったく分かってなさそうにヘラリと笑ったパウパウに気が抜ける。
女王アリは、女官アリが掲げた白玉団子を牙の下顎を開いて口に入れた。
「おぉ~」
流石に二度目のパウパウも、初めてのハイエルフも声を上げる。
「……ギガントハキリが、キノコ以外を食べた…」
たぶん、魔獣や虫を研究している学者先生は大騒ぎするのだろう。
パウパウから話を聞いていたミッちゃんも、実際に見てかなり驚いた。
(……うん。知らんな)
報告する義務もないし、教えるつもりも毛頭ない。
「ふふふ、ミッちゃんのオヤツは美味しいよね!」
美味しかったのかホウの葉まで、チュウチュウ啜っているマムさんに、パウパウは嬉しそうだ。
ホウの葉を牙に挟んだままで、女王アリは触角をピピピピと動かすと、女官アリ達が巣穴に入って何かを牙に咥えて持ってきた。
どうやら、下賜するつもりらしく、ミッちゃんの足元に女官アリ達が並ぶ。
「これは……」
ミッちゃんが、それを見て急ぐように受け取り、すぐさま収納空間に納める。
「これ、なあに?」
紫色がかった灰色の歪なキノコらしき物が、どんどんと女官アリによって運ばれてくる。
「ごめん。パウパウ、急いでナイナイ袋に入れてくれるかい」
ミッちゃんはパウパウを腕から降ろして、どんどんキノコを収めていく。
パウパウは言われたとおりに、ナイナイちゃんを開けて、キノコをもらっては納めていく。
「ミッちゃん、ミッちゃん。これ、なに?」
「千夜茸、早くしないと溶けちゃう」
「美味しいの?」
「いや、食べられないけど、薬になるんだ」
どんどんどんどん…キリがない。
「…ミッちゃん、ぼく、お腹いっぱいってカンジ」
「うん、気持ちは有難いけどねぇ」
「マムさん。ありがとう。も、いっぱい貰ったから、いいよ」
パウパウは、マムに向かって声をかけた。
女王アリは触角をプルプリと震わせると、女官アリ達が下がって行く。
「マムさん、貴重なキノコを十分に頂いた。感謝する」
ミッちゃんも軽く頭を下げると、女王アリも頭を下げた。
「あ、あのね、マムさん。また、アギーさんと遊んでもいい?」
パウパウにとってアギーさんは、友達なのだ。
なお、アギーさんが、どう思っているかは分からない。
女王アリは牙をシャキシャキと鳴らして、触角を上下させる。
「うん、ありがと」
今の動きの何処が了承の意味だったのかは、全然ハイエルフには分からないが、とりあえず次の遊ぶ約束を取れたようだ。
「じゃあ、お暇しようか」
「うん。マムさん、ありがと。またね」
ミッちゃんに抱き上げられながらパウパウは手を振ると、女王アリはズズズとゆっくり頭を引っ込めていく。
ホウの葉っぱは大切そうに下顎に挟んだままだ。
慌てて追うように周りを囲んでいた女官アリが後先へと続いて穴の中に入って行く。
いかにも、小走り!っというのが分かって、面白い。
そのまま後退していくのか、それとも巣穴のどこかで方向転換するのかは分からないが、彼女は、ここから地中深くまで戻って行くのだ。
「わざわざ会いに来てくれたんだね」
「うん、優しいねぇ」
白玉団子一皿のお礼のために、巨大なアリ帝国の女王がだ。
「義理堅いアリだね」
「じゃぁマムさんじゃなくて、ギリーさんの方が良かったかなぁ」
「いや、マムさんでいいんじゃないかな。みんなのお母さんだからマムなんでしょ?」
そんな話をしながら、アギーさんの案内で道なき道を戻る。
途中でパウパウは止まってもらって、オヤツをミッちゃんに強請った。
「凄いところで、お茶会だね」
魔蟻のテリトリーで敷物を敷いて、オヤツだ。
「だって、アギーさんも白玉団子、好きだもんね~」
パウパウはナイナイ袋から出した黒蜜団子をアギーに渡した。
「アギーさんも食べたいよね?」
そう言ったパウパウの頭を触角でポンポンとして、アギーは黒蜜を舐め始める。
「ぼくもねぇ、ミッちゃんの作った団子、好きだから。アギーさんとお揃い」
ニコニコしながら白玉団子を口に入れるパウパウは、本当に楽しそうだ。
琥珀級に進化を遂げつつある魔蟻と、魔力過多を抱えた子供。
不思議な取り合わせだが、嬉しそうに団子を食べているのをハイエルフは見つめる。
野原には雑草と、遅出のペタスが高くあちらこちらに伸びている。
名の知らぬ花もポツポツと咲いていて、これはこれで、中々に気分がいい。
時おり吹く柔らかい風が髪の毛を揺らす。
(まぁ、いいか…)
パウパウが元気で楽しく過ごしてくれれば、それで十分。
アギーに別れを告げ、雑貨屋に転移で戻って来た二人をグーリシェダが出迎えてくれた。
「おかえりパウ坊、楽しそうじゃな。何をして来たのか教えておくれ?」
そう笑いながらも、パウパウの魔力の流れと魔道具の確認をしているのだろう。
ミッちゃんはパウパウと自分に浄化と洗浄の魔法を掛ける。
「ばぁちゃんに、すっごい土産がパウパウから有るんだよ」
「お土産は、ミッちゃんからの分もあるよ」
千夜茸は薬の材料になる貴重な物なので、薬師のグー姉様にあげようと、帰りしなに決めたのだ。
二人が「ね~」と笑うのを見て、グーリシェダも微笑んだ。
なお、この千夜茸の価値は計り知れない。
もともと、何処に生えるのか誰も知らない幻中の幻。
乾燥したキノコ、一握りで小国の王様が土下座したなんて逸話があるのだ。
「それで、何をしてきたのかの?」
「今日はね、マムさんって、お友達が出来た!」
「……ギガントハキリの女王アリに会って来たんだ」
「……は?」
何、やってんじゃ!という眼差しと
不可抗力だからっ!という眼差しが交差する。
あの巨大なコロニーのギガントハキリ全てを眷属にしたわけではない。
だが、その主である女王アリが友達となった以上、あの何百万のアリはパウパウの味方だ。
しかも、琥珀級のアギーまで居る。
「…そ、そうか、よい友達が出来たんじゃの」
グーリシェダは笑顔が引きつらないようにするのが、精一杯だ。
砂漠オオネコのハヤツは弟。
ウネビのニワトリと馬と毒蛇は友達枠、
ギンちゃんも怪しい。
そして、ギガントハキリのアギーと、女王アリのマムさん。
ニコニコと元気に笑うパウパウを見て、グーリシェダは本気で、この子には人族の友人が必要だと思う。
(まずい、このままだとパウ坊が魔獣王子とか呼ばれそうじゃ!)
パウパウ四才、未だに人族のお友達は0人だ。
そして、アギーより小さい、砂漠オオネコのマアガ程の大きさのアリ達が、出てきて巣穴の周りを整列するかのように取り囲む。
ズズッと、それが穴から顔を出した。
「うわぁ~!」
パウパウが歓声をあげる。
「…まさか」
ミッちゃんが息を吞んだ。
それはアギーより一回りは大きな蟻──女王アリ──だった。
アギーが女王アリと触角を合わせて、なにやら指示を受けたのか、パウパウ達の方を向いてカシカシと牙を鳴らす。
「こっちへ来いと言ってるようだね」
「うん」
ミッちゃんもギガントハキリの女王は、初めて見る。
だいたい、駆除するときは巣穴を”這いまわる炎”で焼き尽くしたりするからだ。
ゆっくりと慎重にアギーの横に歩いて行く。
ギガントハキリの小さな働きアリは何とでもなる。
砂漠オオネコの仔猫サイズも、ただの働きアリだ。
問題は兵隊兼務の働きアリだ。あのマアガの大きさの働きアリが多い。
ギガントハキリは基本、大人しい魔蟻だ。
他の魔蟻と違って、酸の毒を吐いたりしないし肉食ではないので、襲ってくることはない。
戦闘に特化したアリは居ないのだが、外骨格の装甲が金属なみに硬い。
ハサミのような牙は大きく、鋸歯状で切れ味が鋭い。
つまり、戦うとなったら強いのだ。
この巨大なコロニー全部合わせて、それが何百万匹いるのか見当もつかない。
腕の中のパウパウはというと、ドキドキしていた。
(凄い牙!凄いカッコイイ!女王アリって、初めて見たぁ)
アギーの横に来ると、女王アリが牙をガシリと鳴らした。
これだけ大きいと、鋸状の牙が良く分かる。
「こんにちは。ぼく、パウパウです」
「こんにちは、ウルジェドだ」
女王は、ずっと地中に居るからか小さめの複眼で、こちらを見ている。
牙の上の触角がピルピルと震えている。
パウパウは、ふと思いついてナイナイ袋をゴソゴソして、中から白玉団子を取り出した。
(よそ様のお家に、お呼ばれしたらオミヤは必要だよね)
この前が金蜜だったから、今度は黒蜜だ。
この、心配り!
異世界の知恵、本当にそれでいいのか。
ミッちゃんが、あっと思った時には遅かった。
「マムさんこれ、お土産!ミッちゃんが作ってくれたの、食べて!」
(あぁ~、もしかして名前、付いちゃった?)
マムさんと呼ばれた女王は、激しく触角をチャカチャカと動かした。
喜んでいるように見えるから、不思議だ。
それでもミッちゃんは、女王蟻の頭に琥珀のような魔石が出現していなかった事にホッとする。
……今後、どうなるかは要観察だなぁと思いながら、アギーに白玉団子の乗ったホウの葉を渡すパウパウを見た。
牙で受け取ったアギーが、今度はマアガの大きさの蟻に白玉団子の皿を大切そうに渡す。
「…なんだか、ちゃんとお城みたいだねぇ」
パウパウの言う通り、しずしずと器用に牙で挟んだホウの皿を運ぶアリを見て、確かに宮廷の女官みたいだとミッちゃんは面白く思った。
(さしずめ、これは謁見というところだな)
「ふふ、蟻と謁見したのは、一族でも私くらいだと思うよ」
「すごいね」
「パウパウはヒトで、ギガントハキリと友達になった、最初の子だね」
「えへへ、なんか凄そう?」
まったく分かってなさそうにヘラリと笑ったパウパウに気が抜ける。
女王アリは、女官アリが掲げた白玉団子を牙の下顎を開いて口に入れた。
「おぉ~」
流石に二度目のパウパウも、初めてのハイエルフも声を上げる。
「……ギガントハキリが、キノコ以外を食べた…」
たぶん、魔獣や虫を研究している学者先生は大騒ぎするのだろう。
パウパウから話を聞いていたミッちゃんも、実際に見てかなり驚いた。
(……うん。知らんな)
報告する義務もないし、教えるつもりも毛頭ない。
「ふふふ、ミッちゃんのオヤツは美味しいよね!」
美味しかったのかホウの葉まで、チュウチュウ啜っているマムさんに、パウパウは嬉しそうだ。
ホウの葉を牙に挟んだままで、女王アリは触角をピピピピと動かすと、女官アリ達が巣穴に入って何かを牙に咥えて持ってきた。
どうやら、下賜するつもりらしく、ミッちゃんの足元に女官アリ達が並ぶ。
「これは……」
ミッちゃんが、それを見て急ぐように受け取り、すぐさま収納空間に納める。
「これ、なあに?」
紫色がかった灰色の歪なキノコらしき物が、どんどんと女官アリによって運ばれてくる。
「ごめん。パウパウ、急いでナイナイ袋に入れてくれるかい」
ミッちゃんはパウパウを腕から降ろして、どんどんキノコを収めていく。
パウパウは言われたとおりに、ナイナイちゃんを開けて、キノコをもらっては納めていく。
「ミッちゃん、ミッちゃん。これ、なに?」
「千夜茸、早くしないと溶けちゃう」
「美味しいの?」
「いや、食べられないけど、薬になるんだ」
どんどんどんどん…キリがない。
「…ミッちゃん、ぼく、お腹いっぱいってカンジ」
「うん、気持ちは有難いけどねぇ」
「マムさん。ありがとう。も、いっぱい貰ったから、いいよ」
パウパウは、マムに向かって声をかけた。
女王アリは触角をプルプリと震わせると、女官アリ達が下がって行く。
「マムさん、貴重なキノコを十分に頂いた。感謝する」
ミッちゃんも軽く頭を下げると、女王アリも頭を下げた。
「あ、あのね、マムさん。また、アギーさんと遊んでもいい?」
パウパウにとってアギーさんは、友達なのだ。
なお、アギーさんが、どう思っているかは分からない。
女王アリは牙をシャキシャキと鳴らして、触角を上下させる。
「うん、ありがと」
今の動きの何処が了承の意味だったのかは、全然ハイエルフには分からないが、とりあえず次の遊ぶ約束を取れたようだ。
「じゃあ、お暇しようか」
「うん。マムさん、ありがと。またね」
ミッちゃんに抱き上げられながらパウパウは手を振ると、女王アリはズズズとゆっくり頭を引っ込めていく。
ホウの葉っぱは大切そうに下顎に挟んだままだ。
慌てて追うように周りを囲んでいた女官アリが後先へと続いて穴の中に入って行く。
いかにも、小走り!っというのが分かって、面白い。
そのまま後退していくのか、それとも巣穴のどこかで方向転換するのかは分からないが、彼女は、ここから地中深くまで戻って行くのだ。
「わざわざ会いに来てくれたんだね」
「うん、優しいねぇ」
白玉団子一皿のお礼のために、巨大なアリ帝国の女王がだ。
「義理堅いアリだね」
「じゃぁマムさんじゃなくて、ギリーさんの方が良かったかなぁ」
「いや、マムさんでいいんじゃないかな。みんなのお母さんだからマムなんでしょ?」
そんな話をしながら、アギーさんの案内で道なき道を戻る。
途中でパウパウは止まってもらって、オヤツをミッちゃんに強請った。
「凄いところで、お茶会だね」
魔蟻のテリトリーで敷物を敷いて、オヤツだ。
「だって、アギーさんも白玉団子、好きだもんね~」
パウパウはナイナイ袋から出した黒蜜団子をアギーに渡した。
「アギーさんも食べたいよね?」
そう言ったパウパウの頭を触角でポンポンとして、アギーは黒蜜を舐め始める。
「ぼくもねぇ、ミッちゃんの作った団子、好きだから。アギーさんとお揃い」
ニコニコしながら白玉団子を口に入れるパウパウは、本当に楽しそうだ。
琥珀級に進化を遂げつつある魔蟻と、魔力過多を抱えた子供。
不思議な取り合わせだが、嬉しそうに団子を食べているのをハイエルフは見つめる。
野原には雑草と、遅出のペタスが高くあちらこちらに伸びている。
名の知らぬ花もポツポツと咲いていて、これはこれで、中々に気分がいい。
時おり吹く柔らかい風が髪の毛を揺らす。
(まぁ、いいか…)
パウパウが元気で楽しく過ごしてくれれば、それで十分。
アギーに別れを告げ、雑貨屋に転移で戻って来た二人をグーリシェダが出迎えてくれた。
「おかえりパウ坊、楽しそうじゃな。何をして来たのか教えておくれ?」
そう笑いながらも、パウパウの魔力の流れと魔道具の確認をしているのだろう。
ミッちゃんはパウパウと自分に浄化と洗浄の魔法を掛ける。
「ばぁちゃんに、すっごい土産がパウパウから有るんだよ」
「お土産は、ミッちゃんからの分もあるよ」
千夜茸は薬の材料になる貴重な物なので、薬師のグー姉様にあげようと、帰りしなに決めたのだ。
二人が「ね~」と笑うのを見て、グーリシェダも微笑んだ。
なお、この千夜茸の価値は計り知れない。
もともと、何処に生えるのか誰も知らない幻中の幻。
乾燥したキノコ、一握りで小国の王様が土下座したなんて逸話があるのだ。
「それで、何をしてきたのかの?」
「今日はね、マムさんって、お友達が出来た!」
「……ギガントハキリの女王アリに会って来たんだ」
「……は?」
何、やってんじゃ!という眼差しと
不可抗力だからっ!という眼差しが交差する。
あの巨大なコロニーのギガントハキリ全てを眷属にしたわけではない。
だが、その主である女王アリが友達となった以上、あの何百万のアリはパウパウの味方だ。
しかも、琥珀級のアギーまで居る。
「…そ、そうか、よい友達が出来たんじゃの」
グーリシェダは笑顔が引きつらないようにするのが、精一杯だ。
砂漠オオネコのハヤツは弟。
ウネビのニワトリと馬と毒蛇は友達枠、
ギンちゃんも怪しい。
そして、ギガントハキリのアギーと、女王アリのマムさん。
ニコニコと元気に笑うパウパウを見て、グーリシェダは本気で、この子には人族の友人が必要だと思う。
(まずい、このままだとパウ坊が魔獣王子とか呼ばれそうじゃ!)
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