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87.パウパウの夏とタガメ探し 22
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ギルドの中に入ったパウパウの印象は、な~んだ、だった。
まず、入ってすぐのロビーに人が居ない。
業務を受け付ける為のカウンターに座っているのも二人だけで、閑散としている。
そのカウンターのオジサン二人が、こちらに目を向けて、同時に驚いたような顔をしたのがパウパウには面白かったが、その程度だ。
入って左側には待合場所なのか、椅子とテーブルが並んでいる。
奥にもカウンターテーブルらしき物が見えるので、もしかしたら、ここで飲み食いができるのかもしれない。
(……フードコート⁇)
人が沢山だったら、想像どおりのヒャッハーな人も居たのかなと、パウパウは思う。
フッバーがカウンターの職員に
「依頼完了の報告をしたいんだが、ギルマスはいるか?」と、尋ねた。
「お帰りなさいフッバーさん。……そちらの方は…」
「その件もあってギルマスと話がしたいんだ。取り次いでくれ」
職員は、小走りで2階へと駆け上がると、しばらくして戻って来た。
「フッバーさん、ギルマスがお話を伺うそうです。そちらの方と上へどうぞ」
いつものようにパウパウを左腕に乗せたミッちゃんは、フッバーの後をついて階段を上る。
その際、どうにもパウパウが落ち着かないのが気になった。
「どうしたの?キョロキョロして」
「ヒャッハーが……人が居ないねぇ」
ヒャッハーって何だ?と思ったが、聞こえなかったことにしたミッちゃんは、
「ほら、お祭りの準備が忙しいんじゃないかな?」
「そっかぁ……」
少し、残念そうなパウパウが不思議なミッちゃんだ。
ギルド長の部屋に着き、フッバーが扉をノックした。
「入れ」
野太い声が答える。
「ギルマス、丘の上の屋敷の調査、完了しました」
「おぉ、ちょっと座って待ってくれ。お化け屋敷のな、どうだった出たか?」
正面の机で書類から顔を上げずに、ちょっとだけ笑いを含んだ声でギルマスが言う。
「そのお化け、自らが挨拶に、こうして来たわけだが」
知らない声にギルマスが書類から顔を上げてミッちゃんとパウパウを見た。
もう一度、ミッちゃんの顔を見て、そして、
「うぉっ!」
何かを思い出したように、ガタンと派手な音を立てて立ち上がる。
身長も、横幅も大きい、深い緑色の髪の壮年の男だ。
驚きで見開いた金茶の目の中の瞳孔が縦に長い。
頬や手の甲に、まばらに鱗のような物が生えていて光の加減で光った。
「ヒャッハー……」
パウパウが小さく呟いたのを、ミッちゃんは、また聞こえなかったことにする。
「初めまして、ギルドマスター。お化け屋敷の主です」
「あ、その……ここのマスターを任されているカウダ=タンニナだ。どうぞ、お掛けください。……ハイエルフ族ですかな」
「えぇ、ハイエルフのウルジェドです。少し遠い所で雑貨屋を営んでます。ギルドマスターは、龍人族ですか?」
龍人族は長命種である。
カウダ=タンニナ・ラティも、海竜を祖に持つ一族で、長年、この地の漁業と冒険者ギルドを取り仕切っている。
ゆえに、彼の事も話では知っていた。
まさか、実物に出会う日がくるとは思ってもみなかったが。
その彼が雑貨屋だと言うのなら、そうなのだろう。と、ギルドマスターは、それについては深く聞かない事にする。
「うむ、海竜族だ。で、あなたが丘の上の屋敷の持ち主であることは間違いないのだろうか」
フッバーが頷く。
「あぁ、間違いなく、この人の家だ。何てこたぁない、深夜に塔の整備で灯を灯したそうだ」
「マッケンさんの思い違いか」
「とはいえ、ずっと人の気配が無い建物だったから仕方ないだろう。あ、それとオバ……屋敷までの道で魔蜂が出た。」
今、オバケって言いかけたなと、ミッちゃんはフッバーを見る。
「魔蜂か……まずいな」
単体でも銀級の5、群れなら金級の4となる、厄介な魔物だ。
ギルマスは腕を組み、険しい顔となる。
このギルドに所属する冒険者では、太刀打ち出来ないのは目に見えている。
「巣の規模にもよるが、腕のいい魔法師と……」
「すまんがギルマス。あそこは私の土地だから入らなければいい」
ミッちゃんはギルマスの言葉を遮ると、何故か気まずそうな顔をして見てくる。
「……もしや、町の人達が入っているのか?」
フッバーもギルマスも、頷くというよりも項垂れた。
「まぁ、流石に伐採はしていないが、獣を狩ったり、薪を拾ったり、山菜類を採ったりはしている」
本来、帝国の法では、領主の山で何かを得る場合は、それに見合った税を支払う必要がある。
今では死法で、誰も守っていないが。
だが、あの山と丘については貸与の表向きではあるが、実際はハイエルフの土地だ。
そこからの無断採取となれば、盗人である。
「あぁ、別にそれはいいんだ。火にさえ注意してくれれば、何を採っても構わん……のだが」
ミッちゃんは少し眉を寄せてから、言葉を継いだ。
「あの山には、小さいがダンジョンがある…一応、入れないように細工しているが、何があるか分からんので、本当のところ出来るだけ人には立ち入って欲しくはない」
「ダンジョン⁈まさかっ、そんな話、先代のマスターからだって聞いていないぞ」
ギルマスが狼狽えるのを抑えたように、低い声で言った。
「プールヴァの領主と私しか知らん話だ」
「だが…ダンジョンだぞ。収益が見込まれるはずだ」
フッバーが声を上げる。
ダンジョンは核が破壊されない限り、尽きない鉱山みたいな物だ。
ドロップした物や採取される特殊な鉱石などの収益も、それに集まって来る冒険者の落とす金銭も計り知れない。
ゆえに、ダンジョンが見つかれば、そこの領主は歓喜して冒険者ギルドを誘致し、多くの冒険者に働きかけるものだ。
ミッちゃんは、少し困った顔でフッバーを見た。
「あのな…地下1階から、銀級1のカーカルデが出るぞ」
膝の上で大人しく話を聞いていた──ダンジョンという言葉の時に、ピクリとしたが──パウパウが、ミッちゃんの顔を見上げた。
タガメ熱は冷めていないのである。
「ウルジェドは入ったのか?」
「あぁ、今も間引きで入ることはある。枯らしはしないが、生かさず殺さずだ。核は地下20階層で、龍種に守られているな」
実際に魔物の駆除をしているのは魔道騎士たちだが、それは語る必要はないことだ。
核を破壊して、山が崩れでもしたら町にも影響が出るだろうから、これ以上、成長をしないようにダンジョンで間引き、ついでに魔道騎士の訓練を兼ねている。
「龍種って……もう、初手から銀級ってなら難易度、最大ランクじゃねぇか……怖っ」
フッバーは、あの何もないような一見、普通の山のどこかに、そんな絶望のダンジョンが広がっているのかと想像して、ゾッとする。
そんなのが在るんじゃあ、そりゃあ山に魔物は出ない筈だ。
魔素の殆どを、ダンジョンに食われているんだろう。
「その……金級のパーティーでは、どうなんだ」
「……私に土地を貸した領主はな、この町の風景が好きだと言ったんだ。自分の我儘かもしれんが、民が海と生きているのが好きだと言っていた」
随分と昔の話だ。
あの時の自分は、そんなものか、と話半分に聞いていたと思う。
ミッちゃんは、パウパウの視線に目を合わせて微笑んだ。
首を傾げた子供の頭を撫ぜながら話を続ける。
「まぁ、そういう訳でダンジョンの件は他言無用。町の民には私の館より上には行かないように、周知を願いたい」
はぁ……と、溜息を吐いたギルマスは
「すまんな、ダンジョンと聞いて気が逸った。海が大荒れなら舟は出せんし、その中を海へ出るのは最初っから死ぬ気のバカだけだわ。ウルジェド様、町民の入山を赦してくれて感謝する。他言無用、周知の件も承った」
「それは私との約束となるが」
「これでもギルドマスターだ。カウダ=タンニナ・ラティが海竜ラティの尾鰭に誓って、約束を守ろう」
「感謝する。カウダ=タンニナ・ラティ。私はハイエルフのウルシェド=ミ・チコ・カーンだ」
フッバーは興味深げに二人の遣り取り見ていた。
長命種の名の誓約だ。
なかなか目にすることはないだろう。
特に魔術的な効力を発する物ではない、ただの約束に過ぎないのだが、お互いが正式に名乗っての約束だ。
特にハイエルフ族は、人として在るために、決して約束を破る事は無いという噂は聞いたことがあった。
普通にヒト族のフッバーにすれば、人として在るためにって何だ?という気持ちではあるが。
「で、魔蜂はどうするんだ?ウルシェド達は転移でも良いだろうが、子供たちも通う事になるんだろう?」
「あぁ、手を出さない限り大丈夫だ。ね、パウパウ?」
「うん、”お願い”したから、だいじょぶ、今日、帰ったら、また、”お願い”しておくね!」
「と、いう事だから、魔蜂は心配しなくてもいい」
何が”と、いう事”なのか、さっぱり分からないギルマスは、内心で首をひねりながらも「そうか」と言うしかなかった。
ハイエルフの膝の上に居る子供が、何やら自信満々でニッコニコしていたのに気圧された訳ではない。
ウルジェドが言うのだから、間違いないのだろうと思っただけだ。
若干、気が抜けたのはあるかもしれないが。
「で、あとは子供たちの事だな。フッバー」
「子供たちとは?先ほども通うと言っていたが?」
「あぁ、ギルマス。ダグとマルトフ、フィリの三人組にウルシェドから指名依頼だ。俺が仮受託する」
白金級の伝説が、銅級にも成れない見習いの子供たちに指名依頼だと聞いて、訳の分からないギルマスは、首を傾げた。
まず、入ってすぐのロビーに人が居ない。
業務を受け付ける為のカウンターに座っているのも二人だけで、閑散としている。
そのカウンターのオジサン二人が、こちらに目を向けて、同時に驚いたような顔をしたのがパウパウには面白かったが、その程度だ。
入って左側には待合場所なのか、椅子とテーブルが並んでいる。
奥にもカウンターテーブルらしき物が見えるので、もしかしたら、ここで飲み食いができるのかもしれない。
(……フードコート⁇)
人が沢山だったら、想像どおりのヒャッハーな人も居たのかなと、パウパウは思う。
フッバーがカウンターの職員に
「依頼完了の報告をしたいんだが、ギルマスはいるか?」と、尋ねた。
「お帰りなさいフッバーさん。……そちらの方は…」
「その件もあってギルマスと話がしたいんだ。取り次いでくれ」
職員は、小走りで2階へと駆け上がると、しばらくして戻って来た。
「フッバーさん、ギルマスがお話を伺うそうです。そちらの方と上へどうぞ」
いつものようにパウパウを左腕に乗せたミッちゃんは、フッバーの後をついて階段を上る。
その際、どうにもパウパウが落ち着かないのが気になった。
「どうしたの?キョロキョロして」
「ヒャッハーが……人が居ないねぇ」
ヒャッハーって何だ?と思ったが、聞こえなかったことにしたミッちゃんは、
「ほら、お祭りの準備が忙しいんじゃないかな?」
「そっかぁ……」
少し、残念そうなパウパウが不思議なミッちゃんだ。
ギルド長の部屋に着き、フッバーが扉をノックした。
「入れ」
野太い声が答える。
「ギルマス、丘の上の屋敷の調査、完了しました」
「おぉ、ちょっと座って待ってくれ。お化け屋敷のな、どうだった出たか?」
正面の机で書類から顔を上げずに、ちょっとだけ笑いを含んだ声でギルマスが言う。
「そのお化け、自らが挨拶に、こうして来たわけだが」
知らない声にギルマスが書類から顔を上げてミッちゃんとパウパウを見た。
もう一度、ミッちゃんの顔を見て、そして、
「うぉっ!」
何かを思い出したように、ガタンと派手な音を立てて立ち上がる。
身長も、横幅も大きい、深い緑色の髪の壮年の男だ。
驚きで見開いた金茶の目の中の瞳孔が縦に長い。
頬や手の甲に、まばらに鱗のような物が生えていて光の加減で光った。
「ヒャッハー……」
パウパウが小さく呟いたのを、ミッちゃんは、また聞こえなかったことにする。
「初めまして、ギルドマスター。お化け屋敷の主です」
「あ、その……ここのマスターを任されているカウダ=タンニナだ。どうぞ、お掛けください。……ハイエルフ族ですかな」
「えぇ、ハイエルフのウルジェドです。少し遠い所で雑貨屋を営んでます。ギルドマスターは、龍人族ですか?」
龍人族は長命種である。
カウダ=タンニナ・ラティも、海竜を祖に持つ一族で、長年、この地の漁業と冒険者ギルドを取り仕切っている。
ゆえに、彼の事も話では知っていた。
まさか、実物に出会う日がくるとは思ってもみなかったが。
その彼が雑貨屋だと言うのなら、そうなのだろう。と、ギルドマスターは、それについては深く聞かない事にする。
「うむ、海竜族だ。で、あなたが丘の上の屋敷の持ち主であることは間違いないのだろうか」
フッバーが頷く。
「あぁ、間違いなく、この人の家だ。何てこたぁない、深夜に塔の整備で灯を灯したそうだ」
「マッケンさんの思い違いか」
「とはいえ、ずっと人の気配が無い建物だったから仕方ないだろう。あ、それとオバ……屋敷までの道で魔蜂が出た。」
今、オバケって言いかけたなと、ミッちゃんはフッバーを見る。
「魔蜂か……まずいな」
単体でも銀級の5、群れなら金級の4となる、厄介な魔物だ。
ギルマスは腕を組み、険しい顔となる。
このギルドに所属する冒険者では、太刀打ち出来ないのは目に見えている。
「巣の規模にもよるが、腕のいい魔法師と……」
「すまんがギルマス。あそこは私の土地だから入らなければいい」
ミッちゃんはギルマスの言葉を遮ると、何故か気まずそうな顔をして見てくる。
「……もしや、町の人達が入っているのか?」
フッバーもギルマスも、頷くというよりも項垂れた。
「まぁ、流石に伐採はしていないが、獣を狩ったり、薪を拾ったり、山菜類を採ったりはしている」
本来、帝国の法では、領主の山で何かを得る場合は、それに見合った税を支払う必要がある。
今では死法で、誰も守っていないが。
だが、あの山と丘については貸与の表向きではあるが、実際はハイエルフの土地だ。
そこからの無断採取となれば、盗人である。
「あぁ、別にそれはいいんだ。火にさえ注意してくれれば、何を採っても構わん……のだが」
ミッちゃんは少し眉を寄せてから、言葉を継いだ。
「あの山には、小さいがダンジョンがある…一応、入れないように細工しているが、何があるか分からんので、本当のところ出来るだけ人には立ち入って欲しくはない」
「ダンジョン⁈まさかっ、そんな話、先代のマスターからだって聞いていないぞ」
ギルマスが狼狽えるのを抑えたように、低い声で言った。
「プールヴァの領主と私しか知らん話だ」
「だが…ダンジョンだぞ。収益が見込まれるはずだ」
フッバーが声を上げる。
ダンジョンは核が破壊されない限り、尽きない鉱山みたいな物だ。
ドロップした物や採取される特殊な鉱石などの収益も、それに集まって来る冒険者の落とす金銭も計り知れない。
ゆえに、ダンジョンが見つかれば、そこの領主は歓喜して冒険者ギルドを誘致し、多くの冒険者に働きかけるものだ。
ミッちゃんは、少し困った顔でフッバーを見た。
「あのな…地下1階から、銀級1のカーカルデが出るぞ」
膝の上で大人しく話を聞いていた──ダンジョンという言葉の時に、ピクリとしたが──パウパウが、ミッちゃんの顔を見上げた。
タガメ熱は冷めていないのである。
「ウルジェドは入ったのか?」
「あぁ、今も間引きで入ることはある。枯らしはしないが、生かさず殺さずだ。核は地下20階層で、龍種に守られているな」
実際に魔物の駆除をしているのは魔道騎士たちだが、それは語る必要はないことだ。
核を破壊して、山が崩れでもしたら町にも影響が出るだろうから、これ以上、成長をしないようにダンジョンで間引き、ついでに魔道騎士の訓練を兼ねている。
「龍種って……もう、初手から銀級ってなら難易度、最大ランクじゃねぇか……怖っ」
フッバーは、あの何もないような一見、普通の山のどこかに、そんな絶望のダンジョンが広がっているのかと想像して、ゾッとする。
そんなのが在るんじゃあ、そりゃあ山に魔物は出ない筈だ。
魔素の殆どを、ダンジョンに食われているんだろう。
「その……金級のパーティーでは、どうなんだ」
「……私に土地を貸した領主はな、この町の風景が好きだと言ったんだ。自分の我儘かもしれんが、民が海と生きているのが好きだと言っていた」
随分と昔の話だ。
あの時の自分は、そんなものか、と話半分に聞いていたと思う。
ミッちゃんは、パウパウの視線に目を合わせて微笑んだ。
首を傾げた子供の頭を撫ぜながら話を続ける。
「まぁ、そういう訳でダンジョンの件は他言無用。町の民には私の館より上には行かないように、周知を願いたい」
はぁ……と、溜息を吐いたギルマスは
「すまんな、ダンジョンと聞いて気が逸った。海が大荒れなら舟は出せんし、その中を海へ出るのは最初っから死ぬ気のバカだけだわ。ウルジェド様、町民の入山を赦してくれて感謝する。他言無用、周知の件も承った」
「それは私との約束となるが」
「これでもギルドマスターだ。カウダ=タンニナ・ラティが海竜ラティの尾鰭に誓って、約束を守ろう」
「感謝する。カウダ=タンニナ・ラティ。私はハイエルフのウルシェド=ミ・チコ・カーンだ」
フッバーは興味深げに二人の遣り取り見ていた。
長命種の名の誓約だ。
なかなか目にすることはないだろう。
特に魔術的な効力を発する物ではない、ただの約束に過ぎないのだが、お互いが正式に名乗っての約束だ。
特にハイエルフ族は、人として在るために、決して約束を破る事は無いという噂は聞いたことがあった。
普通にヒト族のフッバーにすれば、人として在るためにって何だ?という気持ちではあるが。
「で、魔蜂はどうするんだ?ウルシェド達は転移でも良いだろうが、子供たちも通う事になるんだろう?」
「あぁ、手を出さない限り大丈夫だ。ね、パウパウ?」
「うん、”お願い”したから、だいじょぶ、今日、帰ったら、また、”お願い”しておくね!」
「と、いう事だから、魔蜂は心配しなくてもいい」
何が”と、いう事”なのか、さっぱり分からないギルマスは、内心で首をひねりながらも「そうか」と言うしかなかった。
ハイエルフの膝の上に居る子供が、何やら自信満々でニッコニコしていたのに気圧された訳ではない。
ウルジェドが言うのだから、間違いないのだろうと思っただけだ。
若干、気が抜けたのはあるかもしれないが。
「で、あとは子供たちの事だな。フッバー」
「子供たちとは?先ほども通うと言っていたが?」
「あぁ、ギルマス。ダグとマルトフ、フィリの三人組にウルシェドから指名依頼だ。俺が仮受託する」
白金級の伝説が、銅級にも成れない見習いの子供たちに指名依頼だと聞いて、訳の分からないギルマスは、首を傾げた。
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