好きです、朝比奈先パイ。~元引きこもりの美少年、陽キャヤンキー先輩に溺愛される~

すずなりたま

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カラオケを出て、またカフェでお茶を飲みながら他愛のないお喋りをした。
 カフェを出ても帰るにはまだ早い時間だったので、すずの希望でゲームセンターに行くことになった。
 ちなみに俺が行きたいと言った本屋には行かなかった。
『ちーちゃん、本気で行きたいわけじゃないでしょ?』という、すずの一言により……まあ、その通りなんだけど。
 ファッションビル群の中に、ビル全体が大きなゲームセンターになった場所がある。
 中央に長いエスカレーターがあり、俺とすずはそれに乗った。

 降りてくる人たちとすれ違う形になるので、なるべく目を合わさないように俺は斜め下を向いた。
 俺の前にはすずが立っている。その後ろ姿は女の子にしか見えない。
 時々後ろを振り向いては笑いかけてくれて、俺もそのたびにほほ笑み返すけど、正直すずが可愛すぎて辛かった。

 とある階に着くと、すずが何かに気が着いたようだった。

「ねえちーちゃん、あれってさぁ……」
「ん?」

 すずが示した先にいたのは、やけにキラキラした雰囲気のあるカップルだった。
 もしや芸能人だろうか?
 彼女の方は後ろを向いているから顔は分からないが、男の方はモデルのような身長と格好よさで……ん?

「あ、朝比奈先輩……!?」

 ということは、女性の方は……あっ、振り向いた。

「……すず? ハル?」
「あー! のんちゃんと朝比奈先輩!! きぐうですねー!!」

 めちゃくちゃ知り合いだった……。こんなことってあるのか?

「え、こけしっち? え??」

 朝比奈先輩は、初めて見るすずの姿に戸惑いを隠せないようだった。
 分かります、その気持ち……。

 のんさん達はもう遊び終わって帰る前だったらしい。
 クレーンゲームで盛り上がったのか、二人ともぬいぐるみを大量に持っている。
 どうやらぬいぐるみをどちらが多く獲れるかの対決をしたらしく、二人ともすごい腕前だ。
 俺にもぬいぐるみをくれるらしいが、正直俺はキャラものは全然詳しくない……が、すずに勧められるままに見たことのある水色のカメのぬいぐるみを貰った。
 名前は分からないままだが。

「すず達も遊びに来てたんだ。ゲーセンは今から行くの?」
「うん。さっきまでカラオケに居たんだけどね、ちーちゃん歌がすっごくうまくてびっくりしたよぉ」
「へぇ~!」
「や、すずの方がうまかったから! 俺は普通だ」
「そんな謙遜しなくってもいいじゃーん、ぼくアイドルソングしか知らないし~」

 のんさん達の前でまた褒め殺しされたらかなわないので、俺は必死に否定した。
 のんさん達は今から晩御飯を食べるらしかったが、なんと朝比奈先輩から俺とすずも一緒にどうかと誘われた。
 二人のデートの邪魔をするのは俺もすずも抵抗があったが、誘った朝比奈先輩は特になんとも思ってないようだし、むしろのんさんが俺達と離れたくないのだと察してそんなことを言ってくれたらしいので、俺たちに断る理由は無かった。
 ……それに、俺はもうすずと二人きりなのが少ししんどかったので、正直かなり有難かった。

 そして俺達がゲーセンで遊ぶ予定だったからと、朝比奈先輩とのんさんは俺達に付き合ってくれることになった。
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