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しおりを挟む《ユルサナイ……絶対に許さない……》
(さっきから何だ? 許さないってもしかして俺を……!? ちょ、何の身の覚えもないんですけどぉ!?)
《コロス……殺してやる、あの男……》
(こ、殺……っ!?)
「ングッ」
霊の殺意に連動してか、頭痛が酷くなり吐き気がしてきた。
今はなんとか耐えられるが、大学に着くまでは耐えられそうにない。
「ご、ごめ、柴君、俺次で降りるから、先に大学行って……」
「槐君、俺に掴まって。凭れてもいいから」
「! あ、ありがと……」
礼二郎は自分よりも身長の高い柴の腕にヨロヨロと掴まり、柴は礼二郎が倒れないように支えるように軽く抱きしめた。
二人はそれどころではないのだが、周りの乗客は朝から長身イケメン二人組のただならぬ雰囲気にドッキドキである。
(なんだよぉ、殺すって……俺が一体何をしたっていうんだよ!? 俺は何も悪いことなんかしてないのに! 美しいのが罪だっていうなら有罪だけど、そんなの理不尽すぎるだろ……!)
「うぅっ、こわいよぉ……っ頭イタイ……」
「槐君、俺も一緒に下りるから大丈夫だよ、泣かないで」
「ヒック、グスッ、しばくん……」
柴の低くて優しい声が沁みる。
殺意に満ちた霊の声が怖くて仕方がないのに、すこし顔を上げて柴の目を見つめると何故か安心した。
今日もほんのりと香る白檀の匂いのせいだろうか、ひどく安心する。
礼二郎はもっと安心を得るために、自らもギュッと柴に抱きついた。
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