マイダーリン、この世の全ての怖いものから俺を守ってくれ!!!

すずなりたま

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22 たくさんいる!

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「まあでも、柴君に守って貰えるなら良かったじゃん。それに俺、同性同士のアレコレに偏見とかないから安心しろよな」
「?   うん。俺もそういう偏見はないぞ」
「いや、そりゃ当事者おまえはそうだろ。むしろあったらびっくりだよ……」
「なんで??」

   何故自分に偏見があったら驚かれるのだろうか。容姿もさることながら、池永は自分のことを天使とでも思っているんだろうか、と礼二郎は思った。

(はあ、美しいってのは罪だな……)

   なんやかんやと話しながら、二人は講義室へと向かった。

   講義室に入った途端、礼二郎は違和感を覚えた。そんなに人気のある講座でもないのに、人間の数が普段より多いのだ。

「なんか今日、人多くないか?」
「は?   いつもどおりだろ」
「――え?」

(いつもどおりだって?)

「おーい池永、礼二郎!   ここ、ここ~」
「おう、平尾」

   いつもの定位置から、友人の平尾が礼二郎達に手を振っている。しかし確保してあるという手の先に、二人分の空席はなかった。

「礼二郎?   どーした」
「いや、席って……」
「平尾が取っててくれてんじゃん、あいつの右二つ」

(いやいや空いてない、空いてない! 誰か座ってるだろ!!)

 礼二郎は思わず後ずさりした。

「俺、今日は後ろの方に座るよ……」
「は?   なんでだよ。――ああ、お前今日は具合が悪いんだったな。出やすい位置の方がいいのか。平尾に言ってくる」
「……」

   目を凝らして、普段あまり見かけない人間の姿をじっと見る。ほとんど普通の人間と変わらないが、何人か輪郭がぼやけていた。

 ──それは間違いなく、霊の特徴だ。

「ひうっ……!」

   恐怖で喉から短い悲鳴が漏れた。近くに居た数人が礼二郎の声に気付いて振り向く。

「あー礼二郎君だ。今日もカッコいいね♡ ていうか、そんなところに突っ立ってどうしたのー?」
「顔真っ青だよ、どこか具合が悪い~?」

   顔見知りの女子たちが、礼二郎を見て心配してくれた。カッコイイと言われていつもは『こんなの通常だよ』などと調子に乗るのに、恐怖でそんな気すら起こらない。

「いや……あの……っ」

   返事に戸惑っていたら、すぐに池永が戻ってきた。

「礼二郎、やっぱり体調悪いのか?   今日は無理すんなって、代返しといてやるから家に帰れよ」
「か、帰るっていっても……」

   一人じゃ帰れない。
   というか、怖くて動けない。

「お前……マジで大丈夫か? 顔真っ青だぞ。もしかして救急車呼んだ方がいいやつか?」
「まじ? 救急車って119番だっけ」
「いっ、いい!   大丈夫、大丈夫だから!」
「大丈夫って顔色じゃねぇぞ」

   池永と礼二郎のやり取りに講義室がザワつく。沢山の視線が礼二郎に刺さる。しかしそれは生きている人間のものだけではない。
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