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31 霊に好かれるワケ
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「そうだったんだ。それはなんというか……厄介だね」
「厄介ってものじゃないよ、ホントに! それが原因でこの年になってもまだマトモに女の子と付き合えたことが無いんだから! ……京介は今までカノジョとか、それなりにいたほう?」
礼二郎は憤慨して愚痴ったあとに、おそるおそる聞いてみた。柴はスマートなイケメンでおまけに手慣れているので、当然答えは分かっているが……。
「まあ、それなりかな。でも誇れるもんでもないよ、付き合っても自然消滅ばっかりだし。長続きしたことがないんだ」
「自然消滅?」
「女の子は俺には重たかったし、男は軽すぎたんだ。……恋愛って難しいよね」
「そう、なんだ……」
恋愛経験がほぼ無いに等しい礼二郎には、柴が何を言っても(すごいなあ)という感想しか持てなかった。そしてなにげに柴が口にした『男は軽すぎた』という言葉に、何故か胸がきゅっとなった。
「え、えっと。何でそういう雰囲気になると霊って現れるんだろうな。京介、原因分かる? 一般的にはエロいことしてると寄ってこないって言うだろ!?」
礼二郎の問いに柴は暫く考えて、口を開いた。
「それはまあ……霊たちが、礼二郎に童貞卒業させたくないからだと思うよ。純粋に妨害」
「え!?」
「つまり霊に好かれてるんだよ、とっても」
「……っっ!?」
(そ、そんなの……全然嬉しくなーい!!)
礼二郎は心で叫んだ。
柴は続けて言った。
「一般的に、エロいことしてたら霊は出てこないっていうのはよく分からないな……。ラブホってかなりの高確率で出るんだよ。本人たちがセックスに夢中になってて気づかないだけじゃないかな……」
「な、なるほどぉ……」
童貞なので、『セックス』という単語にすらドキドキしてしまう礼二郎だった。
「て、ていうか俺今まで霊に親切にしたことなんて多分ないんだけど、なんで好かれるんだろ!? 俺が美しいから!? 」
「それもあるだろうけど。……なんていうか、オーラが好かれるんだよな……」
「オーラ?」
礼二郎は以前合コンで『私って他人のオーラが視えるの~』と言う女子に数人会ったことがある。そのオーラだろうか。
礼二郎のナルシスト発言については、柴も認めているのでスルーだ。
「霊って基本寂しがり屋だから、優しくて清らかなオーラを放つ人間に寄っていくんだよ。メンタルが弱い人とか……あ、礼二郎をディスってるわけじゃないからね?」
「大丈夫、俺が豆腐メンタルなのは分かってるから」
自分の弱さを潔く自覚している礼二郎に、柴はクスッと笑った。
「だから礼二郎は凄く霊に好かれるんだよ。おまけに霊媒体質だし」
「優しくて清らか……? よくわかんないな。京介も俺と同じなの?」
柴はとても豆腐メンタルには見えないが。
「俺は単なるS級霊媒体質なだけ。嫌な奴だし、霊に好かれる要素はあまりないな」
「え? 京介はめちゃくちゃ良い奴だろ! どこが嫌な奴なんだよ!」
「ふふ」
礼二郎は力いっぱい否定したが、柴は微笑で流した。その顔にもドキッとした。
「まあ、俺には生まれた時から虎鉄が憑いているから、浮遊霊なんか憑きたくても憑けないよ」
「え、じゃあこてっちゃんってもしかして成犬なのか?」
「いや、霊は歳取らないでしょ」
「あ、そっか」
ズバリ指摘されて、礼二郎は馬鹿なことを言ってしまった、とまた赤くなった。
「可愛いなぁ」
「え?」
「なんでもないよ」
聞き間違いでなければ、柴はまた礼二郎のことを『可愛い』と言った。
カッコイイと言われるのは慣れているが、可愛いと言われるのは新鮮でまだ少し照れくさい。
「厄介ってものじゃないよ、ホントに! それが原因でこの年になってもまだマトモに女の子と付き合えたことが無いんだから! ……京介は今までカノジョとか、それなりにいたほう?」
礼二郎は憤慨して愚痴ったあとに、おそるおそる聞いてみた。柴はスマートなイケメンでおまけに手慣れているので、当然答えは分かっているが……。
「まあ、それなりかな。でも誇れるもんでもないよ、付き合っても自然消滅ばっかりだし。長続きしたことがないんだ」
「自然消滅?」
「女の子は俺には重たかったし、男は軽すぎたんだ。……恋愛って難しいよね」
「そう、なんだ……」
恋愛経験がほぼ無いに等しい礼二郎には、柴が何を言っても(すごいなあ)という感想しか持てなかった。そしてなにげに柴が口にした『男は軽すぎた』という言葉に、何故か胸がきゅっとなった。
「え、えっと。何でそういう雰囲気になると霊って現れるんだろうな。京介、原因分かる? 一般的にはエロいことしてると寄ってこないって言うだろ!?」
礼二郎の問いに柴は暫く考えて、口を開いた。
「それはまあ……霊たちが、礼二郎に童貞卒業させたくないからだと思うよ。純粋に妨害」
「え!?」
「つまり霊に好かれてるんだよ、とっても」
「……っっ!?」
(そ、そんなの……全然嬉しくなーい!!)
礼二郎は心で叫んだ。
柴は続けて言った。
「一般的に、エロいことしてたら霊は出てこないっていうのはよく分からないな……。ラブホってかなりの高確率で出るんだよ。本人たちがセックスに夢中になってて気づかないだけじゃないかな……」
「な、なるほどぉ……」
童貞なので、『セックス』という単語にすらドキドキしてしまう礼二郎だった。
「て、ていうか俺今まで霊に親切にしたことなんて多分ないんだけど、なんで好かれるんだろ!? 俺が美しいから!? 」
「それもあるだろうけど。……なんていうか、オーラが好かれるんだよな……」
「オーラ?」
礼二郎は以前合コンで『私って他人のオーラが視えるの~』と言う女子に数人会ったことがある。そのオーラだろうか。
礼二郎のナルシスト発言については、柴も認めているのでスルーだ。
「霊って基本寂しがり屋だから、優しくて清らかなオーラを放つ人間に寄っていくんだよ。メンタルが弱い人とか……あ、礼二郎をディスってるわけじゃないからね?」
「大丈夫、俺が豆腐メンタルなのは分かってるから」
自分の弱さを潔く自覚している礼二郎に、柴はクスッと笑った。
「だから礼二郎は凄く霊に好かれるんだよ。おまけに霊媒体質だし」
「優しくて清らか……? よくわかんないな。京介も俺と同じなの?」
柴はとても豆腐メンタルには見えないが。
「俺は単なるS級霊媒体質なだけ。嫌な奴だし、霊に好かれる要素はあまりないな」
「え? 京介はめちゃくちゃ良い奴だろ! どこが嫌な奴なんだよ!」
「ふふ」
礼二郎は力いっぱい否定したが、柴は微笑で流した。その顔にもドキッとした。
「まあ、俺には生まれた時から虎鉄が憑いているから、浮遊霊なんか憑きたくても憑けないよ」
「え、じゃあこてっちゃんってもしかして成犬なのか?」
「いや、霊は歳取らないでしょ」
「あ、そっか」
ズバリ指摘されて、礼二郎は馬鹿なことを言ってしまった、とまた赤くなった。
「可愛いなぁ」
「え?」
「なんでもないよ」
聞き間違いでなければ、柴はまた礼二郎のことを『可愛い』と言った。
カッコイイと言われるのは慣れているが、可愛いと言われるのは新鮮でまだ少し照れくさい。
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