マイダーリン、この世の全ての怖いものから俺を守ってくれ!!!

すずなりたま

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   礼二郎はずんずんと突き当たりまで進み、姫子が顔を出していたドアを勢いよく開けた。

ガチャッ!!

「たのもう!!   オカ研のサークル長ってどこのどいつ……キャーッッッ!?!?」

   威勢よく中に入った……ところまでは良かった。
   中には人が数名いたが遮光してあるせいかとても暗くて、白壁にプロジェクターで何かの映像を流していていた。

    ──それは、礼二郎がこの世で最も苦手な和製ホラー映画(父監督作品)だった。しかもタイミング良くオバケ役(母)が出ていた。

「ギャーッッッ!?」
「ウワーッ!?」
「ホンギャーッッ!?」

   映画鑑賞をしていたオカ研の部員も、礼二郎の悲鳴に驚いて悲鳴をあげた。
   それはさながらひどいドッキリで、教室内は一時騒然とした。

「礼二郎、落ち着……」
「ギャーッ!!   ギャーッ!!   京介ぇぇえっっ!!   怖い怖い助けてぇぇぇ!!!」

   もちろん意図せずホラー映像(父作・母主演)を観てしまった礼二郎が一番のパニック状態で、思わず背後から中に入ってきた京介に勢いよく抱きついた。

「(役得だなぁ)」ギュッ←抱きしめ返した
「キャーッッッ!!♡♡♡」

   今度はそれを見て興奮した姫子が悲鳴をあげた。もはやカオス状態だ。

ガチャッ

「おいおい、一体何の騒ぎだ?  廊下にまで声が響いているぞ。その映画にそんな怖いシーンは無かったはずだけどもしかして本物が映り込んでいたのか!?   それなら俺も是非観たい!   ──おや?   柴君に中西君こんにちは。それと君は……?」

「……経済学部1年、孤高の王子こと槐礼二郎君です」

   抱きついたまま離れない礼二郎の背中をぽんぽんと優しく叩きながら、京介は礼二郎をオカ研のサークル長に紹介した。
   闖入者(礼二郎)が現れたせいで、映画鑑賞はそのまま中止となり、部屋は電気が点けられて明るくなった。
   礼二郎はべしょべしょに泣いていたが京介にヨシヨシと慰められ、姫子にティッシュを渡され鼻をかみ、なんとかいつもの自分に戻ることができた。

「……君がオカ研のサークル長か!   俺は経済学部1回生の槐礼二郎だ!」
「うん、有名だから知ってるし今聞いたよ。君、さっきまであんなにめそめそ泣いてたのによくそのテンションで話せるね……。あと俺は一応3回生で、戸田とだっていいます。入部希望なのかな?   よろしくね」
「誰が入部希望だ、誰がぁっ!   俺は君に一言言ってやりたくてここに来ただけだっ!!」

   戸田は遠回しに自分の方が年上なのだから敬語を使え、と言ったつもりなのだが、礼二郎は兄よりも年下の人間にはタメ口をきくことを躊躇しないのだった。

「一言……と、いうのは?」

ハッ
 
(そ、そういえば京介が除霊師だということを知ってるのはこいつと俺の他にはいない、と言っていたな……つまり俺がここで声高々に『脅して入部させるなんてどーゆーことだ』と問い詰めれば、自ずとここにいる人間全員に京介の職業がバレてしまうわけで……!!)
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