【完結】ヴィルヘルミーナの白い海賊船 ―自由と冒険を愛する貴方へ― (海賊令嬢シリーズ1&2)

SHOTARO

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第2部 第一章 お転婆令嬢、海賊になる!

2-1-20.マダガスカル島 壱

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第二十話
マダガスカル島 壱


 ヨーロッパからインドへは、まず、北アフリカの季節風に乗ると早い。

 ヨーロッパからアフリカへ風が吹いており、これに乗ると一気にギニアだ!

 これを利用して大儲けしたのが、かつてのポルトガルなのだ。
 エンリケ航海王子の時代、マリー帝国の黄金を独り占めできたのだ。

 そして、マリー帝国の黄金は、今や枯渇している。
 やはり、ヨーロッパ人は国内に、入れちゃだめだ!

 そんな、トホホなマリー帝国を過ぎると、赤道直下のギニア湾だ!

 暑くなってきたので、私達は、涼しいハンモックで揺れるのを楽しんでいた。

 床やベッドだと、背中が汗をかくのである。
 ところが、このハンモックは網目状になっているので、風通しが良いのだな。
 そして、今、適度な揺れを楽しんでいる。

 まあ、寝心地が良いわけではないが、暑いのは勘弁だ。

 しかし、スペインからの逃亡者のアナとヘマは、ダメらしい。

「涼しいのに、なぜ?」と聞くと、
「私たちは、同性愛者なので、これでは……」

 はいはい、お好きになさって下さいね。
 お止めはしませんからね。
 ここは自由な海賊船ですから!

 そして、後ろを振り向くと、ジプシー・アンが、ギターを手にBGMを選曲している最中であった。

 うっ!

 アンと目が合う……
「同性愛に合うテーマ曲が思い当たらなくて……はい」
「あっ、はい……」
 アンは、私に一礼をして去っていった。

 まあ、どこでギターを弾いても、自由だからね(汗)


 一度、ギニアで補給を済ませておく。

 また、壊血病対策として、陸の食事をしておくとしよう。
 今では、壊血病はビタミンC不足が原因と分かっているが、この時代は、よく分からない恐ろしい病気であった。

 まず、歯茎から血が出る。歯槽膿漏かと思うかもしれないと放置すると、壊血病の始まりだ。 
 頭痛やめまいという体調不良から、無気力など精神面にも影響がある。

 そして、自傷行為を始めたりし、そして死ぬ。
 自傷行為で死ななくとも、やはり死ぬのだ。

 実際、船乗りの死因は、戦闘行為でなく、壊血病が圧倒的に多いのだな。

 で、船の上で何を食えと言うんだ。冷蔵庫のない時代に?

 だが、実際は三ヶ月程度は大丈夫なのだ。
 どうやら、体内のビタミンC量が500㎎を下回ると起こるようで、通常は900㎎以上は体内にあるようだ。

 なので、三ヶ月以内に港に寄港して、陸の食事をさせる必要がある。

 あと、スペイン出身のアナとヘマが料理をしているのが良いかもしれない。

 時より、じゃがいもなど南米の食材も使っている。
 じゃがいももビタミンCを含んでいるのだな。

 で、マダガスカル島に着いた。

 かつては、ポルトガルが拠点にしようとしたが失敗。イギリス、オランダが次にやって来て拠点にしようとしたが失敗。

 17世紀にはフランスが……と、ヨーロッパ各国は失敗を続けていたが、となると逆に海賊や商船は、上手くいくのだ。

 国家のいないところに、海賊と商船はいるのだな。

 そんな、海賊天国のマダガスカル島に着いた。

 さて、そこに、こんな人がいようとは、思いもしなかった。


 次回の女海賊団は、「船を降りるの?」です。
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