【完結】ヴィルヘルミーナの白い海賊船 ―自由と冒険を愛する貴方へ― (海賊令嬢シリーズ1&2)

SHOTARO

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第2部 第ニ章 黄金郷を求めて

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第三十四話
上方へ!


 村上海賊の船で浪速港に着いた。

「うわぁ、こいつら蛸を食べているわぁ」
「やば過ぎる……」

 ここの連中は、よく蛸を食べているが、蛸には、毒が盛られていることを知っているのだろうか?
 先程から見ているんだけど、誰も死なんのは、ここの住人にはタコ毒は効かないのだろうか?
 不思議な連中だな。


 さて、刀やら陶磁器やら買出しに行くと、アガーテが、
「お嬢様、焼物は、あまりよろしくないかと」
「うん?」
「はい、『誰が割ったか?』と口論の元でございます」
「あぁ、ベネだね? 自分で割って文句を言いそうだな。わかったわ。割れそうな物は買わない……」

 ガシャーン!

「「あっ」」
 お前、買う前に割るなよ。

 とんだとばっちりだぜ。

 さて、買った刀等は、村上海賊が長崎のガレオン船まで運んでくれるので、私達は買い物を続ける。

 次は京の都だ!

 大坂から京の都へは、淀川を昇り、中書島の手前の高瀬川で街なかに入るのだけれど、先に宇治へ行く。

 さて、宇治では……
「どう?」とアガーテに私は聞いた?
 明らかに、我々が知っているお茶とは違うのだ。

 これは、緑茶なのだ。

「このお茶は貴族が喜ぶとは思えません。むしろ、こちらの方が!」と、アガーテが勧めたお茶は釜茶だ。

「こちらは、よく知っているお茶だね」
「はい」

 実は、後で知ったのだが、オランダ東インド会社がヨーロッパに持ち込んだお茶とは、実は長崎の平戸で仕入たジパングの釜茶なのだ。

 その後、マカオで中国産を仕入れたりするようになる訳だ。
 しかし、この蒸し茶、つまり緑茶は、ヨーロッパでは流通していなかったが、この宇治では釜茶より緑茶が主流のようだ。

「うーん、無難に釜茶にするか」

 これが、良かったのか、どうかは何とも……
 しかし、釜茶自体がヨーロッパでは高額商品だ。
 この価格で損はしない。
 さすが、産地だ!

「よし、あとは都へ物見遊山、観光でもするか?」
 その前に、先から、隣りにある大きな庭が気になる。

 平等院鳳凰堂とか言うらしい。

 昔の貴族が造ったようで、極楽浄土をイメージした建築物のようだ。
「うむうむ、神秘的で荘厳な雰囲気が良いわね」

 さて、お茶の買出しも終え、宇治から中書島の花街で、小舟を借りて高瀬川から都の街なかへと入っていった。
 金閣寺はバーナーも観たことなく、拝観したいと言っている。

 次の日、金閣寺を観て思ったのは、ジパングって、こんな建物で溢れていると思っていたので、『普通だ』と言うのが、第一印象。
 しかし、この金閣寺は莫大な費用が掛かっているとのことだ。
 また、建物を金ピカにしただけでは、収まらず、時の将軍とやらは、贅沢な遊びをしたそうな。

 夏にお粥を流して、雪に見立てるとか。

 まあ、私的には、感心しないなッ!
 それでも、バーナー達、シュベルツ商会の社員らは、結構、喜んでいた。
 テンション上がるって、感じだ。

 次の日は、都の西に行くことにした。
 良い感じで、田舎だ。
 花が風に揺れている。

 また、そこにも寺院があった。

 私は、『何か違う』と感じたのだ。宇治にも都にも、この雰囲気は無かった。
 平等院鳳凰堂が、貴族的で華やかで女性的なら、この寺院は武骨で質素な男性的な感じだ。
 中では、僧侶が説法が終わったらしい。

 まあ、他の宗教なのだ。
「異教徒が入って良いのか?」と許可を得るのは、礼儀というもの。
 その僧侶は、「問題無い」とでも言うかの如く、承諾してくれた。

 掛け軸には、『○』と書かれていた。
「マル?」
「そうマルです」
 マルというより、アルファベットの『Q』に近い文字に感じる。
「御婦人、サークルという意味です」と、例の傭兵が教えてくれた。
 それと、この宗教とどういう関係なのだろうか?


***


 私が、そんなことを考えていた頃、長崎では、黒髪のスペイン人で同性愛者のアナとヘマが、街の人気者となっていた。

 それは、“南蛮料理の店 アナとヘマ子”では、南蛮三味線を聴きながら、南蛮料理が食べられると評判になっていたのだ。

 南蛮三味線って?
 まさか!
 いや、仕事熱心で結構だよ。アン!


 次回の女海賊団は、淡水真珠は恋の歌。
 真珠も禅も、〇でマルです。すべてはマルです。
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