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第二章 握力令嬢、修道女になる
2-1.バート・メルゲントハイム
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ドイツ騎士団の護衛の下、私は出発した。
使用人のアンも付いてくるようだ。
私は、てっきりベルリンに行くと思っていたのだけれど、もっと私にふさわしい場所を辺境伯様が、用意してくれたようだ。
いや、ベルリン以外に何処があるのだろうか?
「ラインラントの<ど田舎>で育ったあの娘には、お似合いだろう」と辺境伯が用意した場所とは、ブランデンブルク辺境伯領地ではなく、山の中だった。
「アン、この馬車はベルリンのある北でなく、南に進んでいるわ」と、泣き叫ぶも、着いた場所は、山の中の森の小さい町であった。
その名もバート・メルゲントハイム!
日本人には、こちらの呼び方がなじみがあるだろう。
<ロマンティック街道>という呼び名の方が!
私は言いたい、ロマンティック街道!
ドイツにそんなものはない!
本当に無いのだ。
あれは、外国人観光用の宣伝文句で、「ロマン主義を感じる街道」みたいな意味になり、休暇街道という休暇を楽しむモデルコースなだけだ。
だから、そんな名前の街道や国道がある訳でない。あくまで観光ルートみたいなものなのだよ。
ちなみに、ロマンティック街道の奥にあるメルヘン街道なるものもあるので、おススメしておく。
観光に行くなら、ここまで行くと良い。
さらに、日本人は困るのだ。
バート・メルゲントハイムではなく、バート・メルゲンタイムと発音して欲しい。
ドイツ語の“h”は、無声音なのだから、Mergentheimをハイムとは読まない。
さらに愚痴ると、日本語には、“ta”と“tha”の違いを表現できない。
ともに“タ”としか書けないが、まったく違う発音なのだよ。
ひどい場合には、“tha”を“トハ”とか読む大学生がいて困る。ヤパーニッシュは発音がダメじゃのぉ。
愚痴はこれぐらいにして、日本人の言う、バート・メルゲントハイムだよ。ここは。
なんで、こんな山の森の中にいるのだろうねぇ。
それは、「ここがドイツ騎士団の本拠地だから安心だろう」ということらしい。
そうなのか?
そういうものなのか?
本当なのか?
単に田舎に送れば良いと思っていないのか?
そして、私たちは、バート・メルゲントハイムのドイツ騎士団城の館に着いた。(現在はドイツ騎士団博物館になっている)
この後、総長様との謁見が予定されており、それまでの間は、ひとまず落ち着けた。
この時の私は、社交界シーズンという混乱する時期を、ここで過ごし、春になればラインラントの故郷に帰れるものと思っていた。
何もせず、身を潜めていれば良いと。
使用人のアンも付いてくるようだ。
私は、てっきりベルリンに行くと思っていたのだけれど、もっと私にふさわしい場所を辺境伯様が、用意してくれたようだ。
いや、ベルリン以外に何処があるのだろうか?
「ラインラントの<ど田舎>で育ったあの娘には、お似合いだろう」と辺境伯が用意した場所とは、ブランデンブルク辺境伯領地ではなく、山の中だった。
「アン、この馬車はベルリンのある北でなく、南に進んでいるわ」と、泣き叫ぶも、着いた場所は、山の中の森の小さい町であった。
その名もバート・メルゲントハイム!
日本人には、こちらの呼び方がなじみがあるだろう。
<ロマンティック街道>という呼び名の方が!
私は言いたい、ロマンティック街道!
ドイツにそんなものはない!
本当に無いのだ。
あれは、外国人観光用の宣伝文句で、「ロマン主義を感じる街道」みたいな意味になり、休暇街道という休暇を楽しむモデルコースなだけだ。
だから、そんな名前の街道や国道がある訳でない。あくまで観光ルートみたいなものなのだよ。
ちなみに、ロマンティック街道の奥にあるメルヘン街道なるものもあるので、おススメしておく。
観光に行くなら、ここまで行くと良い。
さらに、日本人は困るのだ。
バート・メルゲントハイムではなく、バート・メルゲンタイムと発音して欲しい。
ドイツ語の“h”は、無声音なのだから、Mergentheimをハイムとは読まない。
さらに愚痴ると、日本語には、“ta”と“tha”の違いを表現できない。
ともに“タ”としか書けないが、まったく違う発音なのだよ。
ひどい場合には、“tha”を“トハ”とか読む大学生がいて困る。ヤパーニッシュは発音がダメじゃのぉ。
愚痴はこれぐらいにして、日本人の言う、バート・メルゲントハイムだよ。ここは。
なんで、こんな山の森の中にいるのだろうねぇ。
それは、「ここがドイツ騎士団の本拠地だから安心だろう」ということらしい。
そうなのか?
そういうものなのか?
本当なのか?
単に田舎に送れば良いと思っていないのか?
そして、私たちは、バート・メルゲントハイムのドイツ騎士団城の館に着いた。(現在はドイツ騎士団博物館になっている)
この後、総長様との謁見が予定されており、それまでの間は、ひとまず落ち着けた。
この時の私は、社交界シーズンという混乱する時期を、ここで過ごし、春になればラインラントの故郷に帰れるものと思っていた。
何もせず、身を潜めていれば良いと。
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