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第四章 ヴィルヘルミーナ、海へ!
4-1.ヴィルヘルミーナとヴィルマ
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私は、城の食堂にいる。
食堂と言っても、いつもの屋敷の食堂ではない。
騎士のいる館の食堂だ。
服装も、白のブラウスにズボンにブーツ、髪はバンダナで抑えると、顔が半分隠れるのだな。
貴族ではないが、良いところのお嬢様な感じは出来たと思う。
屋敷の食堂では、ヴィルヘルミーナとして、伯父上さまたちと食事をした後、また、リッターたちと夕食を食べている。
なので、屋敷の食事は、ほどほどにしている。
それでも食べる量は凄いな……
「ヴィルマさん。飲もう!」
「ああ、飲もう!」
なんて具合だ。
「ヴィルマさんは、最近、見かけるようになったのだけれど、今までどこにいたの?」
「私は、親戚の紹介で、バート・メルゲントハイムのドイツ騎士団にいたのよ。そこで三等級騎士の称号を得たの」
「そうなんですね。バート・メルゲントハイムの本部に行かれたのですか。すごい。憧れます。帝国騎士団の本部ですからね」
うん、、半分は修道女をしていたなど、今は言えないけどね。
「バート・メルゲントハイムでは、どうでしたか?」
「ええ、魔女狩り集団『賢い女たち』が人さらいをしていましたので、ぶっ潰しましたわ」
騎士団でも、団長たちグロスクレウツの連中しか、私がヴィルヘルミーナと知らないので、こんな感じで上手く溶け込んでしまったわ。
となると気になるんだよなぁ。
ワタクシ、ヴィルヘルミーナが、リッターたちにどう思われているのか?
「ところで、私のいない間にご領主様の姪っ子が来ておりますが、どんな方でしょうか?」と、思い切って聞いてみたわ!
すごく勇気の必要な質問をしたのだから、それ相応の回答が欲しいのですわ!
「うーん、一度も接したことが無いので、分からないわ」
そりゃそうだ。私もアンタに会ったことないし。
「ご領主様に似て、目つきが鋭いって聞いたよ。鷹の眼だって」
「すごく、背が高いって言ってましたね」
聞けた話が、外見ばかりということは、直接接してないから、人柄はわからないということだわ。
すると、
「そういえば、団長の娘さんが泣いて帰ってきたとか言っていたよな」
「ああ、ひどくいじめられたとか?」
「やっぱり、お貴族様なのかな」
あぁ、頭の痛い。最近、ステラを見かけていないのは、やはり城仕えを辞めたのか?
「ダーメ、次はヴィルヘルミーナ嬢をやっつけましょうよ」
「そうですね。ヴィルマさんなら。いい案があるのでは?」
「いや、それはちょっと。女同士は勘弁して」と、いい加減なことを言って誤魔化した。
やはり、ワタクシは人気が無いのですね。トホホ。
まあ、学園生活でも、どちらかと言うと口数少なく、小集団に属していましたので、こんな大勢といるなんて、あの頃から考えると信じられないことですわ。
そういえば、学園で仲の良かった皆様方は、どうされているのでしょうか?
一度、お手紙でも。
「そう言えば、マリー様がヴィルヘルミーナ嬢を嫌悪しておられるとか?」
「えぇ、そうなの?」
「なんでも見合いに来た貴公子をヴィルヘルミーナ嬢が横取りしようとしているとか」
「ひどいわ」
「だめでしょう。ですよね。ヴィルマさん?」
「えぇ、そうですね。それは、イケないですわね」と、回答するも、ちょっと待てよ!
ヴィルマとヴィルヘルミーナのギャップがひど過ぎないか?
ひょっとして、これは、グロスクレウツたちの陰謀か?
次の日!
昼食の後は、軟禁されているのだけれど、合鍵を使って出て行く。
一度、使用人のC子が水を取り替えにやって来て、その後に「女騎士」に着替えるのだけれど、もう、面倒くさい。
昼食の後の着替え、ドレスでなく軽装。
軽装から女騎士
女騎士から軽装
軽装からドレスにして夕食
と、着替えばかりで面倒なので、朝から鎖帷子の女騎士で部屋にいたら、C子がやってきて驚いていた。
「ご苦労! 今日も良い天気だな」と、騎士らしく低音で声をかけてやったが、固まっていたわ。
さて、今日は、街の巡回について行く。
そして、巡回と言えば、おさぼり!
軟禁状態で、街に出ていなかったので、例の仕立て屋に行く。
そこで、新たな変装として、使用人に変装できるようにした。
ここで、女使用人と言うとメイド服を考えるかもしれないが、あれは近代のイギリスの話だ。
中世大陸では、何を着るかは、使用者と本人が決めれば良いことなのだ。
奥様のお古を着ることもある。
まあ、実家が、恥をかかないように、それなりの服装をさせているとは思うわ。
そして、今回購入した中に、カツラも買った。
金髪は目立つのだ。
それと、眼元も変えられるようにしたら、もう別人では。
だた、身長だけは何ともしがたい。
そう、使用人に変装して、マリーの部屋に入り、マリーが私をどう思っているのか、聞けるかもしれない。
また、チップが必要になると思うから、金貨は銀貨に換金もしておくことにするよ。
食堂と言っても、いつもの屋敷の食堂ではない。
騎士のいる館の食堂だ。
服装も、白のブラウスにズボンにブーツ、髪はバンダナで抑えると、顔が半分隠れるのだな。
貴族ではないが、良いところのお嬢様な感じは出来たと思う。
屋敷の食堂では、ヴィルヘルミーナとして、伯父上さまたちと食事をした後、また、リッターたちと夕食を食べている。
なので、屋敷の食事は、ほどほどにしている。
それでも食べる量は凄いな……
「ヴィルマさん。飲もう!」
「ああ、飲もう!」
なんて具合だ。
「ヴィルマさんは、最近、見かけるようになったのだけれど、今までどこにいたの?」
「私は、親戚の紹介で、バート・メルゲントハイムのドイツ騎士団にいたのよ。そこで三等級騎士の称号を得たの」
「そうなんですね。バート・メルゲントハイムの本部に行かれたのですか。すごい。憧れます。帝国騎士団の本部ですからね」
うん、、半分は修道女をしていたなど、今は言えないけどね。
「バート・メルゲントハイムでは、どうでしたか?」
「ええ、魔女狩り集団『賢い女たち』が人さらいをしていましたので、ぶっ潰しましたわ」
騎士団でも、団長たちグロスクレウツの連中しか、私がヴィルヘルミーナと知らないので、こんな感じで上手く溶け込んでしまったわ。
となると気になるんだよなぁ。
ワタクシ、ヴィルヘルミーナが、リッターたちにどう思われているのか?
「ところで、私のいない間にご領主様の姪っ子が来ておりますが、どんな方でしょうか?」と、思い切って聞いてみたわ!
すごく勇気の必要な質問をしたのだから、それ相応の回答が欲しいのですわ!
「うーん、一度も接したことが無いので、分からないわ」
そりゃそうだ。私もアンタに会ったことないし。
「ご領主様に似て、目つきが鋭いって聞いたよ。鷹の眼だって」
「すごく、背が高いって言ってましたね」
聞けた話が、外見ばかりということは、直接接してないから、人柄はわからないということだわ。
すると、
「そういえば、団長の娘さんが泣いて帰ってきたとか言っていたよな」
「ああ、ひどくいじめられたとか?」
「やっぱり、お貴族様なのかな」
あぁ、頭の痛い。最近、ステラを見かけていないのは、やはり城仕えを辞めたのか?
「ダーメ、次はヴィルヘルミーナ嬢をやっつけましょうよ」
「そうですね。ヴィルマさんなら。いい案があるのでは?」
「いや、それはちょっと。女同士は勘弁して」と、いい加減なことを言って誤魔化した。
やはり、ワタクシは人気が無いのですね。トホホ。
まあ、学園生活でも、どちらかと言うと口数少なく、小集団に属していましたので、こんな大勢といるなんて、あの頃から考えると信じられないことですわ。
そういえば、学園で仲の良かった皆様方は、どうされているのでしょうか?
一度、お手紙でも。
「そう言えば、マリー様がヴィルヘルミーナ嬢を嫌悪しておられるとか?」
「えぇ、そうなの?」
「なんでも見合いに来た貴公子をヴィルヘルミーナ嬢が横取りしようとしているとか」
「ひどいわ」
「だめでしょう。ですよね。ヴィルマさん?」
「えぇ、そうですね。それは、イケないですわね」と、回答するも、ちょっと待てよ!
ヴィルマとヴィルヘルミーナのギャップがひど過ぎないか?
ひょっとして、これは、グロスクレウツたちの陰謀か?
次の日!
昼食の後は、軟禁されているのだけれど、合鍵を使って出て行く。
一度、使用人のC子が水を取り替えにやって来て、その後に「女騎士」に着替えるのだけれど、もう、面倒くさい。
昼食の後の着替え、ドレスでなく軽装。
軽装から女騎士
女騎士から軽装
軽装からドレスにして夕食
と、着替えばかりで面倒なので、朝から鎖帷子の女騎士で部屋にいたら、C子がやってきて驚いていた。
「ご苦労! 今日も良い天気だな」と、騎士らしく低音で声をかけてやったが、固まっていたわ。
さて、今日は、街の巡回について行く。
そして、巡回と言えば、おさぼり!
軟禁状態で、街に出ていなかったので、例の仕立て屋に行く。
そこで、新たな変装として、使用人に変装できるようにした。
ここで、女使用人と言うとメイド服を考えるかもしれないが、あれは近代のイギリスの話だ。
中世大陸では、何を着るかは、使用者と本人が決めれば良いことなのだ。
奥様のお古を着ることもある。
まあ、実家が、恥をかかないように、それなりの服装をさせているとは思うわ。
そして、今回購入した中に、カツラも買った。
金髪は目立つのだ。
それと、眼元も変えられるようにしたら、もう別人では。
だた、身長だけは何ともしがたい。
そう、使用人に変装して、マリーの部屋に入り、マリーが私をどう思っているのか、聞けるかもしれない。
また、チップが必要になると思うから、金貨は銀貨に換金もしておくことにするよ。
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