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最終章 勇者と魔王
第八十九話
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サクヤは何かを呟くと両手を横に開いた。
するとサクヤの両手に黒い炎のようなものが現れ段々と大きくなる。
それを頭上に持ち上げさらに大きく。巨大な黒い炎が出来上がると、サクヤは両手を振り回し、それに合わせるように、黒い炎がサクヤを中心に渦を巻いた。
それはどんどんと広がり全ての魔物を飲み込んでいく。
異変に気付いた魔物たちは逃げようとするが、黒い炎に吸い寄せられるかのように飲み込まれていく。
「こ、これ、もしかして闇魔法か……?」
「闇魔法!? 何で……」
黒い炎に飲み込まれた魔物たちは苦しみ悶えながら、じわじわと溶けるかのように身体が消滅していっている。
「う……」
さすがに魔物でも見ていると不快になる倒し方だ。
地上にいる皆が突然起こったそれに、驚愕や不快感等、複雑な表情を浮かべている。
空一面を黒い炎が覆い尽くし、全ての魔物を飲み込み消滅させた。
サクヤの周りには大量の黒い靄が溢れている。
「魔物はいなくなったのか……?」
魔導士の誰かが呟いた。
皆が顔を見合わせ、ざわついたが、徐々に喜びの表情へと変わって来た。
歓声が上がり魔物がいなくなったことを喜び合っている。
ルナたちも側に戻ってきた。
『ユウ』
「うん」
私とディルアスはサクヤから目が離せなかった。
ルナはそんな私の側にピタリと寄り添った。
サクヤはまだ空中で黒い炎と黒い靄の中にいる。
姿が見えない。気配だけだ。
何をしている? 何を感じている?
その時声が聞こえた。
「アハハハ!! やはり俺が一番だ! 俺が最強なんだ!」
声高らかに叫ぶ声と、何とも言えない笑い声が空に響いた。
「ディルアス……」
「あぁ、嫌な感じがする。気を付けろ!」
サクヤが再び両手を振り回すと、黒い炎と靄は空間を作り、サクヤの姿をそこにいる者たちに晒した。
「あぁ、お前らか。もうお前らはいらない。俺は最強だから。お前らよりもな!」
見下すように侮蔑を込めた目で眼下を見下ろすサクヤは、以前見た姿とは全く違った。
顔付きの印象が全く違う。
「俺はまだまだ強くなる。もっと…もっとだ! 俺は更なる力を得るんだ!」
薄ら笑いを浮かべながらそう呟くと、両手を左右に開き天を仰いだ。
サクヤの動きに合わせるように、黒い炎と靄はサクヤの周りに集まっていく。
そしてサクヤの身体を覆うように纏わりついていく。
「!?」
「な、何!?」
何が起こっているのか理解出来なかった。
サクヤの身体に纏わりつく黒いものたちはサクヤの身体に触れると消えた。
消えた? いや、消えているように見えるが、よく見るとサクヤの身体に吸収されているような……。
「な、何でサクヤが魔物を吸収!?」
「どうなっている!?」
ディルアスも困惑している。
『魔王……』
「えっ!?」
ルナが呟いた。
『我が昔戦った魔王も倒した魔物たちの黒い靄を吸収していた』
「!!」
「え、でもサクヤは勇者なんじゃ……何で魔王……どういうこと!?」
どういうこと!? サクヤは勇者じゃなかった!? でも勇者の気配を感じた。ルナも同じように感じていた。訳が分からない。
「今サクヤが勇者かどうかは関係ない。あれだけの数の魔物を吸収し完全体になった魔王だとしたら……」
本当に魔王なんだとしたら、どうしたら良いの!? 私はもう勇者ではない。聖魔法は使えない。倒す術がない……。
「一体どうしたら……」
呆然と立ち尽くしていると、ルナがサクヤに向かって炎を吐き出した。
黒い靄に包まれたサクヤの前で炎は搔き消えた。
『やはり効かない……あの時と同じだ……』
「無駄だ! そんなものは効かない!」
サクヤは不敵に笑った。
するとサクヤの両手に黒い炎のようなものが現れ段々と大きくなる。
それを頭上に持ち上げさらに大きく。巨大な黒い炎が出来上がると、サクヤは両手を振り回し、それに合わせるように、黒い炎がサクヤを中心に渦を巻いた。
それはどんどんと広がり全ての魔物を飲み込んでいく。
異変に気付いた魔物たちは逃げようとするが、黒い炎に吸い寄せられるかのように飲み込まれていく。
「こ、これ、もしかして闇魔法か……?」
「闇魔法!? 何で……」
黒い炎に飲み込まれた魔物たちは苦しみ悶えながら、じわじわと溶けるかのように身体が消滅していっている。
「う……」
さすがに魔物でも見ていると不快になる倒し方だ。
地上にいる皆が突然起こったそれに、驚愕や不快感等、複雑な表情を浮かべている。
空一面を黒い炎が覆い尽くし、全ての魔物を飲み込み消滅させた。
サクヤの周りには大量の黒い靄が溢れている。
「魔物はいなくなったのか……?」
魔導士の誰かが呟いた。
皆が顔を見合わせ、ざわついたが、徐々に喜びの表情へと変わって来た。
歓声が上がり魔物がいなくなったことを喜び合っている。
ルナたちも側に戻ってきた。
『ユウ』
「うん」
私とディルアスはサクヤから目が離せなかった。
ルナはそんな私の側にピタリと寄り添った。
サクヤはまだ空中で黒い炎と黒い靄の中にいる。
姿が見えない。気配だけだ。
何をしている? 何を感じている?
その時声が聞こえた。
「アハハハ!! やはり俺が一番だ! 俺が最強なんだ!」
声高らかに叫ぶ声と、何とも言えない笑い声が空に響いた。
「ディルアス……」
「あぁ、嫌な感じがする。気を付けろ!」
サクヤが再び両手を振り回すと、黒い炎と靄は空間を作り、サクヤの姿をそこにいる者たちに晒した。
「あぁ、お前らか。もうお前らはいらない。俺は最強だから。お前らよりもな!」
見下すように侮蔑を込めた目で眼下を見下ろすサクヤは、以前見た姿とは全く違った。
顔付きの印象が全く違う。
「俺はまだまだ強くなる。もっと…もっとだ! 俺は更なる力を得るんだ!」
薄ら笑いを浮かべながらそう呟くと、両手を左右に開き天を仰いだ。
サクヤの動きに合わせるように、黒い炎と靄はサクヤの周りに集まっていく。
そしてサクヤの身体を覆うように纏わりついていく。
「!?」
「な、何!?」
何が起こっているのか理解出来なかった。
サクヤの身体に纏わりつく黒いものたちはサクヤの身体に触れると消えた。
消えた? いや、消えているように見えるが、よく見るとサクヤの身体に吸収されているような……。
「な、何でサクヤが魔物を吸収!?」
「どうなっている!?」
ディルアスも困惑している。
『魔王……』
「えっ!?」
ルナが呟いた。
『我が昔戦った魔王も倒した魔物たちの黒い靄を吸収していた』
「!!」
「え、でもサクヤは勇者なんじゃ……何で魔王……どういうこと!?」
どういうこと!? サクヤは勇者じゃなかった!? でも勇者の気配を感じた。ルナも同じように感じていた。訳が分からない。
「今サクヤが勇者かどうかは関係ない。あれだけの数の魔物を吸収し完全体になった魔王だとしたら……」
本当に魔王なんだとしたら、どうしたら良いの!? 私はもう勇者ではない。聖魔法は使えない。倒す術がない……。
「一体どうしたら……」
呆然と立ち尽くしていると、ルナがサクヤに向かって炎を吐き出した。
黒い靄に包まれたサクヤの前で炎は搔き消えた。
『やはり効かない……あの時と同じだ……』
「無駄だ! そんなものは効かない!」
サクヤは不敵に笑った。
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